#07:レイヴンキラー

トスやソラックスが3人を発見して、ゾロゾロと群れを成して迫って来ていた。
 4人は車道を後退しながらではあったが、すかさず殲滅に掛かった。マシンガンやミサイルが次々に繰り出され、デヴァステイター達を迫り来る端から薙ぎ倒していく。
「ノー・スモーキング隊の面々はどうなってるんだ!?」
 クオレが訊ねる。ジュイファシティに隣接する都市が交戦状態なので、彼等が出て来ても不思議は無いはずなのだが。
「南地区でネビロスやレイヴンキラーを相手にしています。3人撃破され、うち1人――バルクホルンの生存を確認しています」
 ハインラインが状況報告する間にも、クオレの眼前でバルバトスやソラックスはその数を減らし、被弾した機体のコンディション・コンソールが赤みを帯びていく。
 それでも、3人はソラックスとバルバトスの混成編隊を駆逐した。
 だが、その間にもどこかで榴弾の炸裂する音が聞こえていたし、いまも近くで炸裂音や爆発音が生じている。音源はこの都市のどこか、それもクオレ達に程近い場所だった。直後には悲鳴が始まり、胸の悪くなるようなエンジンの唸りも響き出した。
 街全体が既にパニックに陥っており、至る所から悲鳴や銃声が聞こえて来る。一部では街から逃げ出そうと車を飛ばす人々がハイウェイに殺到した。あまりの車の多さに、たちまち道路は通行不能の状態となった。そこにガロンやデバッガー、バルバトスやソラックス等の機械兵からなる殺戮集団が雪崩れ込んで来る。レーザーが次々に自家用車を叩き潰し、ハイウェイを鉄屑と人体の消し炭からなる屠殺場へと変貌させていく。
「フューマドール達大丈夫かよ……」
 敵の攻撃を見る度に、クオレは旧友の安否を気遣わずにはいられなかった。
「合流し、共に戦うのも良いでしょう」
 ハインラインもそんな胸中を察してか、クオレにそう提案した。もちろん、出くわした機械生命体の掃討を前提とした上で。
「だな……そうしよう」
「ハインラインさん、僕達はこれより南地区へ向かいます」
 クオレとアルジャーノンが先行し、中衛にジオストラ、殿にフォーミュラーという並びで、4人は市民を襲う機械生命体を手当たり次第、片っ端から破壊しつつ、市街地を進んでいく。
 先程苦戦されられたネビロスも、4人が束になって掛かれば最早敵ではなかった。誰かが切りかかられている間に、他の3人が集中攻撃した事であっさり粉砕され、ステルス迷彩を起動したネビロスが居ても、リアルタイムで更新されるレーダーを装備したグラッジパペットが捕捉してマシンガンを撃つと、他の機もそこへと砲火を集中させた為、さほど長くは生き延びられなかった。
「皆で掛かれば怖くない、ってな」
 ネビロスの残骸を見下ろし、フォーミュラーは上機嫌だった。
「油断しては駄目だ。何が来るか分からないんだし――」
 ジオストラはいきなり愛機をバックさせた。陽炎の様な視界の揺らぎが突如現れ、緑色の太刀筋と光波を繰り出した。回避行動が少し遅れたため、ターボクロックは光波を喰らう。幸い、光波は重量級逆間接MLB-MX/004に傷をつけはしたが、内部機構破壊までには至らなかった。
 すかさずジオストラも光波で反撃した。光波が直撃した事を物語る激しい閃光が消えると、光量と衝撃で異常をきたしたのだろうか、半透明状態でよろけるネビロスの姿が現われていた。その半透明のネビロスは、動きがおぼつかない所をポットベリーのバズーカとザルトホックXVのエネルギーマシンガンで打ちのめされた。
「全く、驚かせやがって――」
「クラトランス接近! 警戒願います!」
 甲高いエン
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まろやか投稿小説 Ver1.50