#07:レイヴンキラー

CやMTを除くと、機械軍団側が独自開発した機械兵ばかりだ。
 接近してきたソラックス達をマシンガンで次々に叩き潰していくうち、今度は背後から別の敵反応が迫っていた。
 今度はバルバトスの団体であったが、クオレはその中に見慣れぬ機体が複数いる事に、すぐに気が付いた。それは確かに胴体がバルバトスであるのは分かったのだが、両腕のマニピュレーターがガトリング砲に換装されていた。そして、それを即座にグラッジパペット目掛けて発砲した。
 ビームと弾幕を回避しながら、対人殲滅仕様のバリエーション機かとクオレは即座に判断した。
「人様の迷惑になるからやめろ!」
 クオレは一喝し、マシンガンの連射で反撃する。見慣れた胸郭が青いタイプも、ガトリングを備えたタイプも次々に爆発炎上していく。結局、15機を数えるバルバトスを殲滅するのにそれ程時間は掛からず、また背筋が冷える事もなかった。
 次へ移ろうかと思っていたが、今度は左手側からミサイルが飛来した。幸い、迎撃装置KWEL-SILENTが作動し、ミサイルは無事に迎撃される。
 クオレも即座にマシンガンの銃口を向けた。
 今度の相手もバルバトスだった。ただし、通常型と先程見かけたガトリングタイプに混じり、今度は両腕がミサイルランチャーCAW-DS48-01に換装されたタイプがいた。先程のミサイルを撃った犯人はこいつだとクオレは即座に察した。と言うより、直後にそいつから再びミサイルが繰り出された。ただしグラッジパペットが円運動回避に入るのが早く、ミサイルは無事に外れた。
 いや、1発は右肩に被弾した。威力はクレスト製小型ミサイルのそれとほぼ同じぐらいだが、フォースフィールドに守られているグラッジパペットの右肩を焼き、装甲を一部抉るには十分な威力だった。
「このヤロ、何しやがる!」
 クオレも反撃に出た。マシンガンを撃ちまくってミサイルタイプのバルバトスを最優先で破壊、次いで弾幕を張るガトリングタイプも無力化にかかる。だが、爆発炎上するバルバトスの中に、泡状のフィールドが出現した。フィールドは弾幕を遮り、中のバルバトスには殆どダメージが及んでいない。
「ああくそ、バリアを張ってるヤツが居たか」
 爆風を突っ切り、泡状のバリアに身を包んだバルバトスが姿を見せた。
 通常のバルバトスは、胸郭部がスチールブルーで他はパールグレイと言った感じだったのに対し、そいつは胸郭部が赤く、両腕が小口径の単装機関砲となっている他、リアユニットとして円柱形の装置を2つ積んでいた。そして、その装置がバリアと同じ黄色い光を発しているのにも、彼は気が付いた。機械生命体軍団で良く見る緑色のバリアとは違っていた。
「バリア発生装置を追加装備しているようですね」
「やっぱりハインラインもそう思うよな」
 機体搭載カメラやGPS等で戦闘の様子をモニターしている以上、頭の良いハインラインに分からないわけはないかと思いながら、クオレはマシンガンを撃ち捲くった。この際、赤いバルバトスに弾を防がれるのには目を瞑り、敵の物量を減らす事にした。
 倒すのに手間の掛かるものは後回しにし、弱いものを先に倒して物量を削ぐ――軍事の基本事項である。
 そうしてマシンガンの弾が左右とも700発に減った頃には、残るバルバトスはバリア発生装置装備の4機だけとなった。砲火をいなしながらも、仲間を呼ばれる前に排除しなければと、クオレはレーザーキャノンに武器を切り替え、発砲した。
 が、バルバトスは微動だにしない。
「効かない!?」
 それどころか、レーザーキャノンでは傷ひとつ付けられていな
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まろやか投稿小説 Ver1.50