#07:レイヴンキラー

方を飛行していた別のレイヴンキラーを誤射、右のエンジンユニットを破壊して墜落させた。
「隊長の後ろです」
 21歳にしては落ち着いたヴォイドの声で、ライリーは部下がケツについている敵の背後にいる事を解した。
「そのまま回避行動を」
 ライリーは大きく旋回を続け、更に機体を激しく回転させてバレルロールの軌道を描く。ドラグーンフライとレイヴンキラーはまだ追撃モードを取っている。同じ飛行コースを取っていれば、ヴォイドには十分だった。
 ヴォイドはバルカンを連射し、まずドラグーンフライを撃墜。次いでレイヴンキラーにバルカンを見舞う。弾丸はバリアに遮られたが、レイヴンキラーは攻撃を中止して回避モードに移行、ライリー機から離れ出した。ヴォイドは執拗にその機を追い回す。
「手伝ってやろう」
 ブルーノが交戦中の僚機を発見し、ミサイルを発射した。レイヴンキラーは即座にフレアを投下してミサイルを回避するが、フレアを投下した直後にヴォイドがビームを発射。機体後部を空中爆発させられたレイヴンキラーはバランスを崩し、縦回転しながら落下。しまいにはビルの屋上に墜落した。
 その間に、追っ手から逃れたライリーは宙返りしながら上昇する。
 遠くでは別のレイヴンキラーが撃墜され、ワスプが1機、プラズマレールキャノンで爆砕させられていた。そのプラズマレールキャノンを撃ったレイヴンキラーはスカイシミターのプラズマキャノンで機首を砕かれて墜落した。
 だが、そのスカイシミターに向け、ドラグーンフライ2機が、猛然とバルカンを乱射しながら迫って来た。パイロットも気が付き、即座に回避行動に転じる。
「掩護する」
 ライリーは降下に入り、ドラグーンフライ2機に喰らいつかれているスカイシミターへと機首を転じる。赤い翼竜のエンブレムが、ライリーに確認できた。
「旋回しろ!」
 落ち着き払った声に応じ、誰だと問う前にパイロットは愛機を激しくバンクさせた。バルカンの火線が、先程までスカイシミターのいた場所を立て続けに貫いていく。
 ライリーは照準をドラグーンフライに合わせ、ミサイルを発射した。それは戦闘機搭載用のそれではなく、ACに装備される小型のハイアクトミサイルで、携行弾数重視の為に威力は低い。しかし、ドラグーンフライを粉砕破壊するには十分だった。1機は回避行動に転じたが、AC搭載用ハイアクトミサイルは執拗に追いすがり、ドラグーンフライを後ろから粉砕した。
「助かった……感謝する」
 スカイシミターの横を、紺色に塗装されたライリー機がフライバイしていった。その後ろに、散開していたカリバーン隊機が続く。
「カリバーン1より先程掩護したパイロットへ、敵の数が多過ぎる。共に戦う気は無いだろうか?」
 ライリーの提案に対する回答はすぐに届いた。
「こちら、プテラノドン1。カリバーン隊のお手並みを拝見させてもらうよ」
 リーダー機の傍らに、生き残ったプテラノドン隊機が集まってきた。乱戦にも拘らず、プテラノドン隊は4機から数が減っていなかった。カリバーン隊の6機はその右側に布陣した。
「了解、プテラノドン。暫くの間だが、共に戦おう」
 MTと戦闘機、機種の違いこそあるが、二つの飛行編隊は集合して新たな機械生命体達を迎え撃ちに掛かった。
 その、カリバーン隊やプテラノドン隊の周辺では、ワスプやプレデター、セイレーンと言った人類側の戦闘機が、レイヴンキラーやドラグーンフライ、ソラックスと空中戦を演じていた。カリバーン隊とプテラノドン隊も参戦し、空中戦用機械兵達を叩き落とす。
 ステルス機ゆえの無機質さが漂うプレ
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まろやか投稿小説 Ver1.50