#05:人類の敵

ンドロケットでバルバトスを破壊する一方で、背部のコンテナを切り離した。
 クオレは了解と返し、インサイドミサイルでファシネイターを牽制した。ミサイルに狙われた悪のACが急旋回に転じ、その隙に後続の機をマシンガンで狙う。ターボクロックとポットベリーもミサイルを撃ち、回避行動を取らせる。
 アニマドは、その姿を横目に、コンテナから新たな得物・CWG-BZ-30を引っ張り出した。ガトリングガンがコンテナに収められる間に、装備認識とシステムとの接続、そして使用可能になった旨を示す文字列を確認するや、彼は操縦桿を倒した。
「コレでも食らいやがれこのゴキブリ女が!」
 口より早く、アニマドは身軽になったデスペナルティを突撃させ、ファシネイターがマシンガンやパルスキャノンで反撃してくるのにも構わず、ハンドロケットを撃ちまくる。
「死ねッ、この死ね! さっさと死ね! 俺の前から一機残らず消え失せろ!!」
 更にデスペナルティはバズーカを繰り出す。CWG-BZ-30の機関車を思わせる砲身から繰り出された砲弾だが、それはファシネイターの寸前で拡散し、コア前面から脚部に掛けてをズタスタに引き裂いた。
 これは本来、スプレッドバズーカWR13B-GIANTから繰り出されていた拡散砲弾だったのだが、同バズーカが生産中止となって払い下げられた後、弾薬製造を請け負っていたメーカーが、他のバズーカにも使用出来るよう改良したものだった。
 更にAC装備用のバズーカ自体、現在ではクレストしか手掛けなくなってしまっているが、複数の異なる性質を持つ砲弾を、標的に応じて使い分ける事が可能なように改良されている。
 アニマドは、そのうち「ヒドラ」の名で呼ばれる拡散タイプの砲弾を好んで用い、突進してショットガンの如く至近距離での直撃を狙う攻撃的なスタイルを持ち味としていた。その拡散砲弾で、デスペナルティはファシネイターをあっと言う間に粉砕処理してのけた。
 しかし、ファシネイターは続々と現れ、手当たり次第に街を破壊し、ハンターやイェーガー、シティガード、逃げ惑う市民等を、当るが幸いとばかりに無差別攻撃して行く。ただし、逆襲に遭って撃沈させられるファシネイターも、インファシティ各地で多数出現していた。
「畜生、ゴキブリみたいに大量に湧き出しやがって!」
 新たなファシネイターを拡散砲弾で黙らせながら、アニマドは苛立ち混じりの溜息を漏らす。
「皆纏めて死に晒せェェェェェェ!!」
 そして、デスペナルティは砲弾をばら撒きながらファシネイター3機に肉薄した。フォースフィールドによる防御任せに、マシンガンやパルスキャノンの十字砲火を突っ切るや、片っ端から粉砕してのけた。
 ファシネイター3機が鉄屑となるまでには、20秒と掛からなかった。
「こ、言葉遣い悪過ぎじゃないですか?」
 我が身を省みない突進と相まって、アルジャーノンがアニマドに嫌悪の色を示した。
「諦めな。アイツもあのクソッタレのド畜生女を憎んで止まねぇんだ」
 アニマドもまた、ジナイーダによって両親と兄、身ごもっていた姉、妹、更には恋人までも殺されている。それ以来、彼は悲しみと憎しみから開放されぬままにハンターとなり、世界各地を旅しながらジナイーダを虐殺して回っていると、クオレは本人から聞いていた。
「アイツも俺と同じ立場なんだよ……」
「は、はぁ、そうだったんですか……」
 ジナイーダによって家族を殺された過去ゆえ、クオレはアニマドには同情していた。そんな胸中を察してか、アルジャーノンは何も言わない事にした。そして新たに迫っていたガ
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まろやか投稿小説 Ver1.50