辺りは吐き気がするほどの殺気と緊張に包まれていた
両者はまっていた時が来るその時を
そして今、月が雲の合間から姿を表した
『ウォォォッ!』
「うぉぉぉっ!」
その瞬間、エアは上から叩き斬るように、アッシュは横に斬り上げるように振った
二人の影が重なり、蒼白い光が走った
「・・・・・・」
『・・・・・・』
両者は動かなかったが先に口を開いたのはエアだった
「ふっ、この力本物だったか・・・なるほど確かに強い」
『・・・』
アッシュはあくまで無言だった
「その力、使い場所を見誤るなよ。約束通り力は与えた、後はお前の想いしだいだ。もっとも、今のお前には無理だがな」
アッシュの人間としての機能は既に失われつつあった
「後は任せたぞアッシュ、イシュタル・・・」
そしてエアとACは爆発と共に砕け散った
「エア・・・」
イシュタルの目から涙が一滴流れ落ちた
アッシュはゆっくり彼女の方を向いた
イシュタルは覚悟を決めて目を閉じその時を待った
その瞬間、アッシュは何かを訴えるようにイシュタルを見つめブーストを吹かし空高く飛び去った
そこには涙を流すイシュタルと多くのACの残骸が取り残されていた
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