地下トンネル内調査後編 OK

するが、それだけではなかった。
少なくとも、彼ら、彼女らはそれしか出来ない能無しではない。
 「…事の事態は把握したわ」
色々と困った、とエレンは雰囲気に出した。
「正体不明機は、多分何らかの形でエグ達の侵入を感知した企業が差し向けた適正勢力の排除機ね。
施設のドアを開けた時に、警報が鳴ったんでしょ?」
『ああ。
だが、途中から迎撃部隊が居なかったのが気になる』
「それは…警備部隊や迎撃部隊が居たら研究の邪魔になるから、かしら。
でも、それなら工夫すればいいし。
多分、余程秘密にしたかったのかも知れないわね」
『あれは全部無人機だと思うが…』
少し言い辛そうな声にエレンは、「あれ?」と表情を変えた。
「動きが機械っぽかった?」
『と言うより結構単調だった。
戦車もいたけど、何か単調だったな。
MTだって左右に動くだけとか、距離を詰めてくるのも一定の法則があったり』
 全てAIなら、相当危険な類かも知れない。
或いは計画を知られても良い人物が余りにも少なく、故に機械化が進んだのか。
だが、エグの話だと相当大規模な施設だ。
建設から何から機械化は出来ないだろうし、方法的には大丈夫でも、書類から経歴が浮かびそうな物だ。
それこそ、上層部が箝口令を出しても、噂迄圧力は掛けられるかも疑問だ。
(スパイを送り込んだ方が良いかも知れないわね……)
今後の事態の複雑化を想像すると、肩に酒樽でも背負っているのか、と言わん具合に重みを感じる。
疲れとも言える、それは兎に角重く、碌に良い勘が働かず、嫌な事や面倒な事ばかりが起きる気がして来た。
 それでも最近は、モンスターが少なくなって来たので(相対的にレアなモンスターの出現率が上がっており、実際には出現率自体が上がっている気もするが)ともあれ、良い事は当分先送りだろう、とエレンは心の構えをする事にしたのだった。
13/03/07 12:48更新 /
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まろやか投稿小説 Ver1.50