地下トンネル内調査後編 OK


抑えられる訳がない。
全員が恐怖による汗を背中に感じ始めた。

 ――ズダダダダ!!!

等々に弾丸が、敵の背後から連射される。
敵はブースター側面に取り付けられた小型スラスターで旋回し、自分を攻撃した敵――エグが操る、彼の愛機、ナストロファージを見つける。
 外部スピーカーから放たれた怒声が轟く。
「余り、そいつらを虐めないで貰おうかァアッッッ!!!」
オーバードブーストを点火、高速で接近しつつ紙一重でプラズマビームを回避する。
 回避したナストロファージへ大量のミサイルが殺到する。
瞬時にオーバードブーストを停止し、ブースターで宙に浮く。
右肩のサイドブースターを吹かし、オーバードブーストペダルを緩く踏み続ける。
そして右手の寸前にミサイルが来た時に、ペダルを踏み込んで、再点火する。
 ――ジュアッ!!
レーザーブレードが、虚空を切る。
敵は既に背後。
凄まじいスピードで空中を爆走し、脚部ブースター全開で、その速度では考えられない小さな円で旋回する。
 (あれは無人だな)
機体を旋回させ、バックブースターで目前の先行から逃れるエグ。
熱膨張の爆炎の中をスラスターで人型形態に変形、向きを反転させながら敵が実刀ブレードを出して振り上げる。
(左腕か)
右にサイドブースターで回避、すれ違い様にトリガー入力するも、一瞬遅く、やはり切るのは虚空であった。
 空中にいる内にオーバードブーストで距離を取り、旋回する。
すると今度は七色の無駄にカラフルなレーザーを乱射して来たので、左へ移動しながら回避する。
「な、何だ!?
花火のつもりなのか!?」
 何処迄距離があろうと、レーザーは一瞬で到達する。
レーザーを避けるのは事実上不可能だが、事前に高速で動き回っていれば、照射軸は外れる物だ。
 敵が再び――今度は二刀流で切りかかろうと接近してくる。
その速度はACのオーバードブーストにも匹敵する。
(やれやれ、通常推力で、これだけ速いと苦労するな)
オーバードブーストで左側へ移動し、マシンガンを撃つ。
 敵は、くるっと回りながら旋回し、腕をクロスさせた状態で突っ込んでくる。
「あの速度で切り返せるのか」
ブースターを吹かし、両側への斬撃を躱すエグ。
マシンガンで攻撃すると、此方を見上げた敵のモノアイが突如、光を失った。
「ラッキーヒット…か?」
 距離を取って様子を窺うと、見当外れな方へエネルギー砲を乱射しているので、その様だ。
「全機切り上げ、切り上げだ!
奴への弾幕を絶やすな、撤退しろ!!」
好機と感じたエグが、此処ぞとばかりに通信回線をフルオープン状態にしながら叫ぶ。
「撤退だ、弾幕展開を忘れるな!!
軽装備、装甲の少ない奴は内側に、重装甲、高火力機は外側に密集しろ」
『了解!!』
一塊になったMT達が怒涛のレベルで弾幕を形成し、敵兵器へ集中砲火を浴びせる。
ナストロファージも塊から少し遅れて通路に入る。
『広場から距離を取れたら、入り口の所の天井を崩壊させるぞ。
俺達の所迄の道を塞げ』
『了解です』
 安全距離迄後少し。
 『隊長、高エネルギー反応です!!』
『止むを得ん、入り口付近へ集中砲火!!』
ミサイル、バルカン、ガトリングガン。
大量の火力が天井に集中し、次第に崩れ始める。
『そろそろ危ないな。
火力の低い機体は先に離脱してろ。
高火力、長射程型は、もう少し頑張るぞ』

 暫くして完全崩壊を後退しながら確認した彼らは、急いで先行組と合流し、地下トンネル中央部の遺跡研究施設入口の竪穴の下へ戻って来た。
 情報を収集するオペレーター達も、内容に困惑
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まろやか投稿小説 Ver1.50