地下トンネル内調査後編 OK

る。
人の目に見えないレーザーで地面を感知し、高度計の表示を精密にする。
 先に降りていた部隊が見えて来たのは高度−30メートル付近からだった。
ゆっくりと着地したナストロファージのブースト設定を元に戻し、MT達と一緒に奥へ進むエグ。
通信感度を表す数値は、かなり低下している。
『エグ、カメラ映像が見えなくなったわ』
「通信音声も、かなり雑音が多くなって来たな。
声も、余り大きくなくて聴き取り辛い事この上ない」
 『中は如何なってるの?』
「水が流れて居る所より、かなり明るい。
只、薄暗くて何となく怖いな。
この雰囲気、結構不安になる」
パイロットスーツに内蔵されている心拍数計測装置の表示は左手首部分に表示される。
かなり心拍数が上がっている。

 幾らか進むと、多数の熱源反応があった。
 通信しよう、とヘッドセットの音に耳を傾けるも、雑音すら聞こえないので、コンパターでエレンとの通信リンクを切り、味方部隊との通信専用回線に切り替える。

 ドアが開くなり、警報と同時に無数の弾丸が襲い掛かって来た。
開ける前にMT達を両端に移動させていたので、被弾しなかったが、一度顔を出せば酷い事になる事に違いはない。
 「ミサイル装備は居るか?」
エグが尋ねると、密室空間内での使用に特化した特殊ミサイルを持ったMTが3割程居た。
彼らを後方に移動させて、エグが再ハッキングしてドアを開く。
「今だ!!」
マシンガンだけを出して乱射しながらエグが叫ぶ。
一挙に放たれた大量のミサイルが部屋の中へ飛び込む。
連続する爆音。
 ミサイル持ちにも左右に移動する様に指示し、最後の一機が右側に移動しきる直前に、ロケット弾が一発だけ外に飛び出した。
後ろの曲がり角の壁に当たって爆発するロケット弾を尻目にエグが突入の指示を叫ぶ。
自分達へ襲い掛かる弾丸と、それを放つ発射元を潰し、奥へ進むエグ達。
 不意に左から3発のミサイルが接近する。
前方へブーストダッシュしていたナストロファージがメインブースターの噴射を停止させ、ノズルが下へ向く。
軽く跳躍した直後、機体が後ろに傾き、バックブースターが噴射し始めた。
 ナストロファージの周囲を旋回し続ける、しつこいミサイルを逆関節MTがバルカンで破壊する。
発射元は砲塔をミサイル発射装置に換装した大型戦車。
 何故、こんなに大きな戦車が地下にあるのか、と疑問にしか思えないが、それを感じた直後、重装甲な人型MTがブースターを吹かし、脚部の先端を車体にひっかけて持ち上げる、と言う荒業を見せつけたのだ。
しかも、そのまま重量級の重さを生かして、重量負荷と推力を以て、脚と壁で挟んで圧力で潰してしまったのだ。
最後は軽くジャンプした直後、その戦車を蹴って、後ろに下がったので、戦車の残骸は、磨り潰したゴマの様になってしまった。
 (えええええええ…!?
何それ、何だ、それ。
ありか、それ!?)
でっかいハンマーで叩き潰した方が真面な気がする、トンデモ破壊方法にエグは唖然としてしまった。

 最深部へ近付いたのか、それともまだまだか。
降下して5時間程進み続けているが、ある時から敵が居なくなったので、補給せずに、歩けて来た。
帰り道はマップを見れば分かるし、そもそも一本道が続いているので迷い様がない。
 それでも、進むに連れ、その姿が段々と見えて来た頃は、驚きの連続でリアクションも取れた物では無かったが。
『さっきから古代遺跡の格納庫ばかりですね…』
『どうなってるんだ、此処は…はあ』
 『隊長、この倉庫。
不思議なコンテナが一杯あります』
漸く最深部ら
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まろやか投稿小説 Ver1.50