突然の強襲 OK

 ――物凄い勢いで二機のACが駆け抜ける。
「っ、この先は外に出られるぞ」
『分かっている』
彼らが追っているのは2機の戦闘機である。
それもホバリング機能を持った最新鋭機である。
 二人の仕事は、これの破壊だ。
だが、予想以上の機動力なので、見つけた後は今の様に逃げ回られる。
 不意にレーダーに前方からの反応が表示される。
『ミサイル!?』
『何て数だ』
散会した二機を追い、ミサイルが壁を破壊する。
 『地下で、こうも撃てるとは』
『恐らく何かしら中継地点を介している筈だ。
そうでなければ、入り組んだトンネル内を誘導の一切受けず、ミサイルが来れる筈ない』
 まずはリコン探しから、と云う事だ。
只、それならリコンを辿れば戦闘機の所へ行ける筈だ。
二機は、その考えを元に足を進めた。


 『今回の仕事は、最近AC活動が盛んになってる、この地化区域の見回りよ。
企業のACが居たら即刻撃破して』
「了解。
それにしても随分過激だな。
企業のACじゃなかったら如何するんだ?
それに、どっちに雇われた傭兵かが分らないんじゃ、手の付けようがない」
『専属ACは一応確認されてるわ。
それ以外なら対処は考えないと』
サイドディスプレイにACの情報が出る。
『警戒すべきはGAグループのレイヴン。
特に、この機体』
大きく映し出されたのはクォースィオアと言う機体だった。
防弾性に於いて尋常ならざる防御力を持つ機体だ。
エネルギー兵器に対しての防御力――耐熱性も同様だ。
防弾性程驚異的な硬さではないが、それでも並みのエネルギー火器ではブレード位しか通りそうな物が無い。
化学エネルギー弾に対する対爆性こそ一般的な重量級の平均数値だ。
皮肉ではあるが、それでもグレネード類で攻撃した方がよさそうだ。
「偉い防御力の高い機体だな。
何だ?
特殊装置だと?」
『エネルギーの幕を張ってシールド、ブレード両方として使えるらしいわ』
ブレードの威力こそ、低いがシールドのカット率が高すぎる。
しかも左腕に、そんな物を装備しておきながら肩の側面に装備するインサイドと肩の接続部の後ろにある背面装備部分すら両方にエネルギーシールド装置が装備されている。
 数値を見る限り、重量級ならざるエネルギー性能を持っているが、エネルギー効率が良い訳でもないらしく、シールドの一括起動だけの為に高性能化した様な数値だ。
右腕には巨大な三連プラズマブレードが装備されている。
オーバードブーストの発生熱量や、その他の性能がかなり高い様なので、硬さに任せた特攻紛いの一撃を食らわせるつもりらしい。
それに、地味に両腰に予備火器と思われるパルスライフルが装備されているとも情報にある。
地上戦なら的だが、場所の限られた地下なら、全くの桁外れな力を見せつけてくるだろう。
 幸い、今回の作戦区域は地上都市への出入り口が張り巡らされているので外に誘き寄せられない事はない。
だが、その殆どが企業区域や、その近くなので非常に厄介だ。
それでも、このトンネルは大陸の殆どのプラントに繋がっている。
モンスター犇めく地上を移動するより遥かに安全なので、レジスタンスで無くても、此処を制圧する価値は非常に高く、極めて重要な交通網なのである。
 今回の仕事が出て来たのは、企業がトンネル制圧に乗り出したのか、MT部隊を数多く投入し出したからであり企業間での武力衝突が激しく、かつそれに乗じて暴走し出すレジスタンス勢力も多くなって来たからである。
 自分達も、そうかは自分では分からないが、それでも比較的落ち着いていた地区の制圧を開始し、既に数か所
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まろやか投稿小説 Ver1.50