充満する硝煙の臭い OK

 芝刈り機の様な唸りを上げながら大量の弾丸を吐き出すガトリングガン。
吐き出された弾はMTの装甲を弾き飛ばし、その内部を食らう。
しかしMTのグレネードランチャーの火力は安い物では無い。
一撃を以てして複数のノーマルやMTを吹き飛ばすのである。
『今ので何人やられた!?』
『数える暇もねェ!!』
 正面に敵MT。
『ローラーを付けてるのか!?』
ノーマル3機が両手に持っマシンガンで掃射するも、ローラーの運動性を前に、攻撃が当たりそうにない。
 当たる距離に入る前に敵はビルの奥へ隠れてしまった。
対してノーマル達は反対側から攻めるのだろうと、逆に相手が一機なのを良い事に三機で逆挟撃を考案、実行する。
最初は正面のノーマルが当たり、次に右に移動したノーマルが到達するであろう事から、正面のノーマルのパイロットは固唾を呑んでいた。
 「来た!!」
距離を維持しつつマシンガンで兎に角武器を使わせない様にする。
MTに攻撃が当たった事を示すヒットサインが表示される事にも気づかず必死だ。
 敵MTの脚部が破損、一気に減速。
右腕部が損傷、グレネードランチャーが地面に叩き付けられて火花を散らす。
胴体部分破損、動きが急激に鈍くなる。
グレネードランチャーに被弾、大爆発してロックオンが強制解除された。
「た、倒したのか?」
ブースターペダルから足を離して、速度計が0になるのを確認する。
爆炎が晴れて見えたのは、大火災ながらも立っている人型MTだった。
 (倒したんじゃない、爆発で熱源ロックが過剰反応しただけだ!!)
 右腕は完全に姿を消している。
 辛うじて機能する左手で残骸を拾い、走り出す。
「うや、うあああああああああああああ!!!!!」
余りの恐怖に絶叫するパイロット。
 マシンガン掃射により呆気なく爆散はしたが、それに気付く迄若干時間を要した。
 『あれ、たおし――』
合流した味方機が、突如掃射されたガトリングガンによって掻き消される。
「な、何が…!?」
 『はあい、企業の皆さ〜ん』
荒々しい着地をする、見た事もない桃色一色のパワードスーツから通信が入る。
オープンチャンネルだ。
 丸っこい形だが、背中の巨大なコンテナが目線を集める。
 突如、コンテナが開き、中からコンテナの大きさを明らかに超える量の武器が現れる。
『君達は、取り敢えず殲滅するね〜』
 気の抜ける台詞だが、女の声の言葉の内容は過激に過ぎた。
 『お、応援、至急おうえ――』
味方機が言葉半ばで膝蹴りされ、ビルに深々と突っ込まれる。
 其処へ、もう一機が遅れてマシンガンを掃射しながら近づいて来る。
『5番機!
お前は逃げろ、逃げながら応援要請しろ!
足止めは俺がやるから、とっとと補給済ませちまえ!!』
「け、けどお前――」
『行けつってんだ、とっとと行っちまえ!!』
「…畜生が。
死んだら誰を殴りゃ良いんだか!!」
 追おうとするパワードスーツへマシンガンを撃ちながら叫ぶパイロット。
「てめえの相手は俺だ、見えねぇのか!!」
ありったけの怒鳴り声を外部スピーカーから叩き出す。
 『………気が変わった』
パワードスーツがノーマルへ向き直る。
その声音は凍り付く様だった。
『お前殺す』
構えもなく、コンテナから顔を出したミサイル系武器から、様々な種類のミサイルが大量に発射され、片方だけで8車線もある道路の大半を硝煙で埋め尽くす。
 「インポート開始!!
インターフェイズ、レベル9をロード!!」
バックブースター全開にしながらコンソールを操作し、OSを別の物へ変更する。
一瞬動きが止まった間に狂っ
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まろやか投稿小説 Ver1.50