ネクストとディソーダー OK

 デュランダル。
フライトナーズが直属する組織『カラード』最高峰の戦力である。
その姿はACやノーマルではなく新世代型アーマード・コアとしてカラード最上部の一握りの人物しか知りえない存在である。
そして、その機体郡は、ある海上施設にて試験的に配備された物でもある。
機動力に於いては、新型推進圧縮期間を小型化し、通常型とのハイブリット方式を開発した。
その一つに、高出力プラズマ爆発を極限迄圧縮する事で可能とした瞬間的超高出力噴射による一時的な加速。
これは通常のACと同様に搭載されているオーバードを除く、メイン、バック、サイドの三種類のブースターによる直線的ながら複雑な動きを実現した。
それに伴い、莫大な情報処理量が発生。
これを解決する為に開発されたのが、リンクス技術である。
 だがリンクス技術は、その異常性と違法性に伴い最高極秘情報とする必要があった。
 ある日、ラインアークで緊急事態が発生した。
デュランダルは、ラインアークの攻撃部隊と共に、これの対処をカラードに命じられたのであった。

 大陸より遥か西に位置する、もう一方の大陸とを繋ぐ特殊秘蔵海上施設がある。
名をラインアーク。
その全体は打ち捨てられたアームズフォードの武装を企業連合が回収し、秘密裏に防衛用として配備した兵器で埋め尽くされている。
空中に浮かぶ自立警戒兵器『アサルト・セル』。
特殊な光学迷彩用ガスと自身が持つ同様の機能を持った装甲を使用し、大気を吸って、出してを繰り返す過程で生み出される微量な電力を使って、完全な自給自足エネルギー機関を構築している。
その特性故、光学カメラによるユニット認識は勿論、熱源探知による発見も難しく、極めて厄介な存在である。
又、浮遊も同過程に於ける大気排出を利用した物としている。
攻撃はボウガンのみ。
原始的構造故に消費が小さく済むからだ。
そして、『見つけられない』以上回避する必要もなければ『攻撃を防ぐ為の装甲』を搭載する必要さえない。
 アサルト・セルと旧型アームズフォートの武装によって護られるラインアーク。
過剰戦力とさえ言える、その規模は大陸側の企業社会の政府と言えるコロニーを建造し、これを大きくする事で一見しただけではラインアークの存在が掴みにくい物としていた。
 では、ラインアークで何が行われているか、と言えば次世代型ACの開発である。
特に瞬間的高出力噴射、コードネーム【クイックブースト】は爆発的な可能性を秘めていた。
無論、それ故に高度な姿勢制御演算能力が必要となる。
その為、今はまだ量子コンピュータに光ファイバー有線を接続しての制御しか出来ておらず、圧倒的高付加によりパイロットは既存のレイヴン、もっと言えば『人間では』制御不能の域に達していた。
 高度な演算能力の要求と、超高速機動に於ける機体性能を引き出す事の出来るリンクスシステムは、凄まじい負荷を脳に与えてしまう。
だが、リンクスになれば、その問題を解決できる。
それがラインアークの答えだった。
企業連合は、これを断固否定した。
「狂気の技術は禁断の兵器となる」と。
そして、企業連合以下、各社も同様の反応であった。
エムロードは、リンクスシステムの開発と、蓄積されたデータの即刻破棄を求めた。
ジオ社はリンクスシステムの総合的破棄を武力威圧で止めようとした。
 答えはあらず。
次第に企業連合はラインアークとの溝を深めていく事となった。


 突然、それは起こった。
「状況知らせ!」
「防衛機構中枢部『ビックボックス』、システムダウン34%突破!
防衛機構損失率64%!!」

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まろやか投稿小説 Ver1.50