ガチのホラーと厄介な追手 OK

 MT――マッスル・トランサー。
モンスターのが何時来るか分からない中で作業する為の重機やパワードスーツを合体させたのが始まりだった。
以降、戦闘用MT開発は特に防衛力の乏しいレジスタンスコロニーに於ける開発の最重要改題となった。
それに対抗し企業が開発したMTは純戦闘用。
コロニー側が更に対抗し―――。
 そんな繰り返しの中で開発されたのがアーマード・コア。
通称AC。
コアを中心とする頭部、腕部、脚部を基本に、肩の後ろにある接続機構、及び其処に搭載する物を背部、背部装備とし、バックパック等を背面装備、腕に直接装備するシールドや兵器、或いは手に直接持つ物を腕部装備とする。
コア正面左右に装備するバックブースター、肩部稼働機構保護装甲内部に装備する両肩にあるサイドブースター、背中のメインブースターとオーバードブースト機構。
最新鋭のプラズマ装置による熱膨張を利用したエネルギー・ブースターはACの機動力の源となった。
 装甲は何層にも渡って弾種別の対応を見せる新型防御スクリーン装甲。
10メートルもある装甲戦闘兵器に持たせられる防御力は非常に限定的だからである。
一番守るべき場所は、コクピット周辺である。
大抵のコアはジェネレーターや冷却器を前に押し出して、コクピット正面の胸部を出来るだけ分厚い装甲で覆う様にする。
当然ながら、被弾率が一番高いからだ。
逆に背中はコアだけでなくMT等も同じく、そもそも装甲がない場合が多い。
被弾しない所を守っても意味がないからである。
 いざ、戦闘となると大半は正面からの攻撃となる。
無論横や後ろに回り込む事こそ戦闘の基本と言えるのだが、だからと言って回り込めるかと言えば、相手も自分の横や後ろに回り込もうとするので、必然的に戦闘開始直後は正面からの撃ち合いになる。
その場合、スナイパーライフル等の遠距離用武器は射程こそ長いが、反面大きさが災いして扱い辛く、故に一撃の貫通性を重視している。
マシンガンは射程が短いが目にも止まらぬ勢いで次弾発射が行える上非常にコンパクトなので振り回し易い。
火器の一長一短は、それぞれ特色が強い傾向がある。
又火器は敵機の、特に胸部装甲に確実に傷を与えられる必要があり、武器の特性上、遠くから発射する事が多いからだ。
幾らエネルギー弾より威力減衰が小さいからと言って減衰はする物だ。
貫通力を上げる傾向にあるのは当然だ。
 他にも後ろから喰らおう物なら本当に一撃、所謂『瞬殺』される等、被弾箇所によって大きく発揮される威力が変動するので、武器の性質を見極める必要がある。
 多いが、そもそも背後を取られる事が少ないので、割合としては少ない。
しかし、それは真正面から戦えばの話で、結局の所弾の節約には背後から撃つのが一番なのだ。
 では、どうすれば背後をとれるか、だが簡単だ。
隠れれば良い。
背後からの奇襲、強襲とは、そう云う事だ。
無論、それを警戒したコアも多いが、軽量級ではまず有り得ない装甲配置だろう。
 装甲が薄い時に、奇襲を警戒する方法もある。
リコンを使ったり、ビルを蹴って無意味に時々動き回ったりして標準を引っ掻き回せばいい。
そうして、その最中敵を見つけられれば最上だ。
 今、エグのACが仕上がった所だ。
今回は護衛任務なのでMT部隊には索敵系を充実して貰い、数機だけ狙撃型にして貰った。
自分が乗るのはACなので、それに合わせたパーツを組み合わせる。
所謂アセンブルである。
通るのは旧ジオ・マトリクス社運営住居ドーム。
此処は嘗て栄えた企業都市であり、一部分だが地上の再生化が進むに連れ
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まろやか投稿小説 Ver1.50