旧企業地下大規模プラント争奪戦争 OK

地形で無効になるが、上に発射する分には問題ない。
 二つのロックサイトに敵ACを捉え、FCSによるロックオンを待つ。
ロックオン完了次第、両操縦桿の兵装使用ボタンを入力、発射する。
太い白煙を後方に伸ばしながらコンテナが風を切る。
 放たれたコンテナに反応し、オーバードブーストで真横を通過しようとする逆関節型だが、その間は近い方のコンテナへガトリングガンを掃射していた。
一つが撃破され、大爆発が起こる。
もう一発は目標を見失い辺りに滅茶苦茶にミサイルを乱射し、上擦りに旋回して地下都市の天井へ激突、やはり大爆発した。
 擦れ違い様にレーザーブレードを振る逆関節型と、それを左腕の大型エネルギーシールドで防ぎつつ、バズーカの砲口を敵へ向けようとする重量二脚型。
結局、二回目のコンテナミサイルを使用した重量二脚AC。
放たれたコンテナの内一つはミサイルを発射し始めた頃にガトリング掃射で破壊されるが、もう一つは爆炎の中をミサイルを撃ちながら突き進む。
迎撃が間に合わないと判断し、レーザーブレードを振ってコンテナを破壊するも、装甲の大部分が吹き飛び、レーザーブレード腕部は使用不能な程に、明らかに外装が消し飛んでおり、コアも黒焦げて、特徴的な丸いフォルムの一部が大きく抉れていた。
 制御を失いながらも、稼働し続けているのはロックオン出来るのが証拠だ。
止めを刺す為、両背部の兵装を破棄する。
一次破棄で上の装置が、続く二次破棄で射出装置とコアを繋ぐ接続が解除される。
 背面の二つあるハッチが開き、プラズマ粒子を溜め込んで光と軽い電撃を放ち始める。
直後に始まるエネルギー爆発と、それを後方に放つ装置の働きによって重量級ACが凄まじい勢いで進み始める。
そのまま跳躍して何度か壁蹴りをして高度を稼ぎながらバズーカを発射する。
5発中全弾が命中し空中で爆散した重量逆関節型ACの残骸が周囲のビルや自動車を叩き潰す。
 そのまま公園の滑り台が設置された丘の地面を抉りながらブースターで減速し、池に入って動きを止める。
 周囲に敵反応がない事を確かめ、歩いて池から出るAC(因みにACは10メートル程ある為、池に入っても精々足が濡れる程度なので水没はしない)だが、不意にブーストダッシュしてビルの陰に隠れる。
企業のノーマル部隊だ。
敵は市街地戦に特化した警備隊。
その目的故、索敵能力は通常のACより遥かに高く、速度はAC程出ないが、中量二脚のノーマルは、非常に厄介な機動性を持つ。
それ以上にパイロットが街の構造を頭に叩き込んでいるのは当然だろう。
その場合、マップで確認する以上に感が物を云う領域だ。
各地を転々とするレイヴンも作戦会議時に構造図を覚えるが、長年同じ所を警備していれば、その精度は別格だろう。
 非常に拙い。
レイヴンの背に寒い物が走る。
 幸運なのは、『企業の警備部隊』である点だ。
無論、装備の質は落ちるが、質が悪いのは『街に住むメンバーで構成された警備部隊』だ。
警備するだけでなく、実際に住んでいれば大きなノーマルからのカメラを介した視界で確認出来る以上の確認が容易だ。
そんな警備部隊は、敵ACを追う際、狭い路地を積極的に利用するそうだ。
様々な武装組織から腕の良さで英雄と称えられるレイヴンは、この時代では、その手のノーマル警備部隊に呆気なく倒されているのが大半だ。
そんな連中を相手に逃げるのは嫌なのは誰でも同じ事だ。
 だが、『企業の警備部隊』でも、メンバーが企業の職員とは限らない。
例え、そうでも出身が此処では結局、危険度が跳ね上がるのだから。
どの道、油断す
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まろやか投稿小説 Ver1.50