旧企業地下大規模プラント争奪戦争 OK

の、廊下の床迄大きく傾いたので壁を掴んだ為だ。
 もう片方の手も其処に掛け、体を持ち上げる。
「うん…しょっっ…っと!」
壁と床の間に体を置いて一息つく。
「はあ、はあ。
駄目だ、内側から降りないと危ないよ…、はあ」

 ――激しい銃撃戦。
だが、それは『只の銃撃戦』ではない。
両者共に激しく動き回る。
AC対ACのレイヴン同士の戦闘である。
一機は赤黒い丸みのある重量二脚の重装甲型。
もう一機は重逆関節の左腕がガトリングガン、右腕が大型レーザーブレードの所謂『武器腕』のAC。
右背部は上に突き出したユニットに乗っている皿状の回転し続ける装置。
これ全体は即ちレーダーである。
 反対側にはミサイルがある。
それを重量級へ3発発射する。
重量級は両肩の装甲のハッチを開き、小型ミサイルを大量に放って、敵ミサイル3発を撃破する。
 残ったミサイルは逆関節型へ向かうが、逆関節側もブーストダッシュで後退しながらガトリングガンで、ある程度のミサイルを叩き落とす。
それでも残った一発はレーザーブレードのモード変更による光波射出で薙ぎ払う。
 小型ミサイルを破壊された重量級はオーバードブーストでビルの向こう側へ逃げ込む逆関節を追う為、やはりオーバードブーストを使用する。
左へ80度程急旋回する必要があるので、最初は右操縦桿を左操縦桿より前に倒して、左サイドブーストペダルを踏みながら、右足でサイドブースターの出力調整ペダルを軽く自分側へ倒れる様に踏み、結果として重量級ACは右足を前に出して左肩のブースターの低出力噴射で機体を右側に寄せて、ビルに当たらない様、旋回半径を少し広げた。
 その後、反対側のサイドブースターで軸を調整し、オーバードブーストに加えてメインブースターによるブーストダッシュで加速する。
一瞬でコンデサ内の電力が干上がるが、莫大な推力故に浮き上がった機体を振り向かせるには数秒で事足りる。
 自分より明らかに重いであろう機体に、さも当然の様に追い抜かされた逆関節ACのレイヴンは当然驚き、当然の反応としてオーバードブーストを停止しバックブースターで減速する。
しかし、そのまま後退するのでは減速から加速に移り変わる間に攻撃されるので、右側へメインブースターと脚部に内蔵されたブースターの推力を活かして飛び上がり、ビルを蹴って更に上昇する。
 その直前に放たれた砲弾がビルの抉れた部分をさらに破壊する。
 逆関節型に対して、発射されたのは、重量級が右手に持つ、正面から見ると右腕部その物を隠してしまう程の大きさのバズーカである。
 外した、と重量級側のレイヴンが舌打ちする。
即座に両操縦桿の使用装備変更ボタンを押し、使用兵器を変更する。
メインモニターに表示されていたロックサイトが一瞬姿を晦まし、直後にもう少し大きなロックサイトになってメインモニターの視界に現れる。
 逆関節型が上からガトリングガンを撃ち下す。
それに対し、操縦桿を左に、同方向のサイドブースターを蹴りつける様に踏んで直後に機体を右直角方向へ旋回させてメインブースターのブーストペダルを踏み込む。
ビルの窓ガラスがプラズマの電磁波と熱、圧倒的な風圧に負けて、沢山のガラスが一斉に割れる。
 広くなったロックサイトに敵を入れ、ロックオンを待つ。
背部(肩の後ろにある接続部の名称)、その両方には大型のマルチコンテナ射出装置が装備されている。
通常はミサイルを発射するが、この装備は推進機能搭載型ミサイルコンテナを射出するので、三次元的広範囲にミサイルが広がる。
その結果として地上で使うと、下に発射される分が
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まろやか投稿小説 Ver1.50