第2話 ゴーレム発表の障壁 OK

ラプターが一発ミサイルを発射、対空ミサイルの為至近距離で爆発する。
 爆発の衝撃で一瞬機能不全に陥った黒鋼は、建御雷のミサイルの一番近いミサイルをロックオン、バレルライフルを連続発射して弾幕を形成する。
 しかし此処で黒鋼にとっての予想外が発生する。
ミサイルの外装が破棄され、別のミサイルが中から三発放たれたのだ。
三方向からのミサイルと本体。
まずは上方から来るミサイルを回避、爆発を観測。
次ぐに右下から来たミサイルをショットガンで叩き潰す。
 この時点で、もう一発のミサイルが既に三発のミサイルを撃っている。
建御雷はミサイルの後に続いて急接近中だ。
 ショットガンとバレルライフルを乱射して内部ミサイル二発を撃破、残り一発をクルビット機動による急速後退で回避し、正面から来る本体ミサイルと右から来る本体ミサイルへ、それぞれバレルライフルとショットガンの一撃を放つ。
 ショットガンの方は命中し、右の方は直撃でこそなかったが、航行システムに障害が発生したらしく、後から来る本体ミサイルを巻き込んでの大規模爆発が発生した。
 フレアとチャフを射出して爆炎に対して90度下方向へ30メートル降下、そのまま建御雷の機首に腹を見せる形で上昇旋回、バレルライフルとショットガンを数発撃つ。
 が、ラプターに機銃で邪魔をされ被弾、撃った割には攻撃出来なかった。
しかし建御雷の方も左ノズルが破損、上手く推力を安定させられなくなっていた。
(あのラプター、きっちり攻撃する気もねぇのか…。
やっぱ大国だけあって見下してんのな!?)
そう思うと腹が立って来る。
黒鋼をロックオン、フルミサイルオープン攻撃を開始。
要は装備中の全ミサイルを発射する攻撃でロボット風に言うとバースト攻撃に近い方法である。
只、本来別の兵装は有効射程距離が違い、同じFCSでも複数の兵装を同時使用するのは想定外だ。
何分、それぞれ有効射程距離が違うのでロックオン距離も合わせているのだ。
違う数値が一挙に押し寄せるので演算装置やFCSに多大な負担が掛かる。
 整備班泣かせの攻撃方法の最大のメリットは攻撃力より弾幕の密度にある。
戦闘機やユグラドライヴは、目に見えて装甲が薄い。
防御魔法が展開出来るユグラドライヴも、パイロットが全てに対応出来る訳ではないので、実際防げる確率が低く、故に回避を優先している。
元々機動力が高い兵器なので、それ自体は苦にもならず、結果として回避補助機構が幾つも開発される事となった。
これは低コストで大量生産する強みを、より強くする方法でもあり国力状況にも繋がる。
 最も日本の場合軍事力が国力に直結するかは疑問と問題が多いが。
 高密度の弾幕であれば一発の威力が低くてもカバー出来るし、何より攻撃範囲が相対的に広がる。
内側へ回避しようものなら、あっと言う間に連続被弾だ。
しかし外側に避けるとなると、回避に必要な距離が長くなる。
だから攻撃事態の範囲は勿論、その効果範囲も相対的に上がる訳だ。
 これを通常攻撃で行う場合は、複数機による編隊飛行による緩和攻撃だ。
それを考慮すると一機で緩和攻撃に匹敵する効率が得られるので、場合によっては許可される。
 しかし下は市内だ。
下手な撃ち落とし方をすれば、残骸で被害が出る。
 だが彼の頭にそんな事は欠片もなかった。
「フォックス5!!」
レーザー砲起動、充填開始。
冷却パイプ接続状態;異常なし
目標確認。
FCS、攻撃目標との機体飛行軸合わせ。
充填完了。
ロックオン、三次元相対的機動誤差修正プログラム起動完了。
発射。
 ―――命中。
爆炎
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