連載小説
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終劇
「しかし、その後、俺たちを待っていたのは過酷な運命だった。

ドンッ

という爆発音と共に、壁が崩れ始めたのだ。

”管理者により、自爆装置が起動しました。職員は、直ちに退避して下さい。繰り返します…”

機械的なアナウンスが流れる。
管理者とは、ケイのことだ。死んでいなかったのか、あるいは、あらかじめセットしていたのか。
壁の一角に赤ランプが灯り、そこが非常脱出口であることを示している。俺はコロンの手をとり、そこへ向かって走り始めた。
感傷に浸っている暇はない。

しかし、コロンは俺の手を振りほどいた。
そして、もと来た道へ駆け出していく。

『コロン!脱出はこっちだ!』

『先に行って!フォーラちゃんがいるの!!』

それが、俺が聞いた、コロンの最後のセリフだった。
俺とコロンの間に、大きな瓦礫が崩れ落ち、コロンの姿は消えた。
崩れ落ちる瓦礫で、もう何も見えない。
俺は脱出口を通り、生きながらえた。

そして、今、貴様の目の前にいる。」

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チューマーは、話を終えると、コップの水を飲み干しました。

「どうだ。こういうことだ。フェアレ。」

私は、胸の前で手を合わせました。

「ありがとう。チューマー。あなただけでも生きて、何があったのか教えてくれて。
私…。」

私の大切な人たちは、もうこの世にいない。
それなら、せめて、私やリン、生き残った人が、精一杯生きなければ。
私の頬を、涙が濡らすのがわかりました。
10/02/28 08:44更新 / YY
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まろやか投稿小説 Ver1.50