レクイエム
メッツェンバウムタウン、自然保護区第4パート。
うっそうと生い茂る森林の中、数機のACが熾烈な銃撃戦を繰り広げていた。
そのうちの一機、青と銀のツートンに輝くACが、巨木の陰でマシンガンのマガジンをガシャリと交換する。
「ちっ、しぶとい奴らめ。しかしクレストめ、敵より追撃部隊の俺たちのほうが数が少ないってぇのは、納得いかないな。」
そのAC、”リヴェンジャー”のコクピットでそうぼやいたのは、カイゼル君だ。
「俺たちの腕を信用しているのさ。それともカイゼル、この程度の相手に、貴様は自信がないのか?」
AC”リヴェンジャー”から少し離れた位置で派手に薬莢を飛ばしている漆黒のACは、チューマー君のAC”メタスターシス”だ。
「馬鹿にするな。行くぞ、チューマー。」
「言われるまでもない。」
2機のACは、ブーストダッシュで猛烈な弾幕をかいくぐり、敵ACに接近する。
敵ACは3機だ。
AC”リヴェンジャー”は、エネルギー砲弾を紙一重でかわし、手前の敵四脚AC”FG5−PP”に肉薄する。
AC”リヴェンジャー”がAC”FG5−PP”にブレードを振りかざしたその刹那、AC”FG5−PP”の頭上を越えて振り出された2本のブレードが、それを弾き返した。急接近した両手ブレードの敵AC、”ムサシ”だ。
「チィッ!」
一瞬、後退するAC”リヴェンジャー”。
そこへ、AC”FG5−PP”の大口径エネルギーキャノンが発光する。
だが、回り込んだAC”メタスターシス”から放たれたマシンガン弾が、そのキャノンの砲身に命中した。
エネルギー充填中であったキャノンは吹き飛び、AC”FG5−PP”は爆発し、黒煙を上げて沈黙した。
「どうした、カイゼル!」
「うるさい!俺の獲物を横取りしやがって!」
そこへ、3機目の敵重量二脚AC、”サバーン”が突撃する。
AC”メタスターシス”のマシンガン弾をその厚い装甲で跳ね返し、バズーカを振り上げる。
「!?」
咄嗟に回避できない、AC”メタスターシス”。
が、どこからともなく飛来した無数のミサイルが、AC”サバーン”を後ろから直撃した。
突如の不意打ちにひとたまりもなく吹き飛ぶ、AC”サバーン”。
”…Requiem aeternam dana eis Domine…”
歌が聞こえる。
低い音だが、誰に耳にも聞き取れる旋律。
モーツアルトの”レクイエム”。
チューマー君は、素早く自らのACを立て直した。
AC”リヴェンジャー”も、突然のことに身動きが取れない。
「くそ…。よりによって、ここで出くわすとは。
”プロトタイプ”め…。」
臍をかむチューマー君の目には、その旋律の主である、黄色いタンク型ACが見えていた。
うっそうと生い茂る森林の中、数機のACが熾烈な銃撃戦を繰り広げていた。
そのうちの一機、青と銀のツートンに輝くACが、巨木の陰でマシンガンのマガジンをガシャリと交換する。
「ちっ、しぶとい奴らめ。しかしクレストめ、敵より追撃部隊の俺たちのほうが数が少ないってぇのは、納得いかないな。」
そのAC、”リヴェンジャー”のコクピットでそうぼやいたのは、カイゼル君だ。
「俺たちの腕を信用しているのさ。それともカイゼル、この程度の相手に、貴様は自信がないのか?」
AC”リヴェンジャー”から少し離れた位置で派手に薬莢を飛ばしている漆黒のACは、チューマー君のAC”メタスターシス”だ。
「馬鹿にするな。行くぞ、チューマー。」
「言われるまでもない。」
2機のACは、ブーストダッシュで猛烈な弾幕をかいくぐり、敵ACに接近する。
敵ACは3機だ。
AC”リヴェンジャー”は、エネルギー砲弾を紙一重でかわし、手前の敵四脚AC”FG5−PP”に肉薄する。
AC”リヴェンジャー”がAC”FG5−PP”にブレードを振りかざしたその刹那、AC”FG5−PP”の頭上を越えて振り出された2本のブレードが、それを弾き返した。急接近した両手ブレードの敵AC、”ムサシ”だ。
「チィッ!」
一瞬、後退するAC”リヴェンジャー”。
そこへ、AC”FG5−PP”の大口径エネルギーキャノンが発光する。
だが、回り込んだAC”メタスターシス”から放たれたマシンガン弾が、そのキャノンの砲身に命中した。
エネルギー充填中であったキャノンは吹き飛び、AC”FG5−PP”は爆発し、黒煙を上げて沈黙した。
「どうした、カイゼル!」
「うるさい!俺の獲物を横取りしやがって!」
そこへ、3機目の敵重量二脚AC、”サバーン”が突撃する。
AC”メタスターシス”のマシンガン弾をその厚い装甲で跳ね返し、バズーカを振り上げる。
「!?」
咄嗟に回避できない、AC”メタスターシス”。
が、どこからともなく飛来した無数のミサイルが、AC”サバーン”を後ろから直撃した。
突如の不意打ちにひとたまりもなく吹き飛ぶ、AC”サバーン”。
”…Requiem aeternam dana eis Domine…”
歌が聞こえる。
低い音だが、誰に耳にも聞き取れる旋律。
モーツアルトの”レクイエム”。
チューマー君は、素早く自らのACを立て直した。
AC”リヴェンジャー”も、突然のことに身動きが取れない。
「くそ…。よりによって、ここで出くわすとは。
”プロトタイプ”め…。」
臍をかむチューマー君の目には、その旋律の主である、黄色いタンク型ACが見えていた。
10/02/28 07:55更新 / YY