序章 おまじない
俺の名前は國見匡輔。
黒崎学園の3年生だ。学園祭も無事成功してクラスの仲の良い連中8人と妹の柚菜の9人で学園祭の余韻に浸っていた。
「ねぇ、大丈夫かな?こんなに遅くまで残ってて……。」
心配そうに聞いてくるのは神原千尋。クラスの委員長で大の占い好き。それと怪談も……。
「大丈夫だって、センセにもバレてないし。な、カヲル!」
「……うん、そうみたいだね。」
大丈夫と笑っているのは風間翔。
不良ではあるが根は優しく、剣道の腕もたつ。
それと、正反対に静かな彼は橘馨。
皆はカヲルと呼んでいる。口より行動派で皆に頼られがち。
カヲルは風間に肩を強引に組まれながら
「……匡輔君もいるなら、大丈夫だよね?」
笑顔を見せながらカヲルはこちらを振り向いた。
「おう、もちろんだ。」
俺はグッドサインをカヲルにビシッと決めた。
「いいな、いいな!モモチにも少しは優しくして欲しいな〜。」
その腕にしがみつくように出てきたのは百千涼子。
苗字が珍しいので皆からモモチと呼び親しまれている。俺らのムードメーカー的存在。……良くも悪くも。
「ま、また、お前か!?いい加減離れろ!」
「あれ〜?匡輔、顔が赤くなってますよ〜?」
意地悪そうにモモチが下から顔を覗き込んでくる。
「フッ、國見君には少しが強すぎたようですわね?」
と高飛車な声。それを挑発するかのように
「18にもなってキスもしたことがないお嬢様がよく言えたな。」
冷静に毒を吐いた。
「なんですって?!」
この高飛車なお嬢様は四條秋葉。実際にすごいとこのお嬢様で少々世間知らず。こちらのいつも冷静で口を開けば毒を吐く子は逢坂凛。
四條家に負けず劣らずのお偉いさんで、もちろんお嬢様。
様々な分野に精通し博識。
「まぁまぁ、二人ともせっかくの学園祭の後なんですからぁ〜。」
場を静める気が有るのか無いのかいつもマイペースなのは、望月のぞみ。
こちらもお嬢様なのだが着飾ったとこがなく接しやすい。
「相変わらず賑やかだね、お兄ちゃん。」
「ははっ、だろ?」
「うん!」
そして、俺の隣にいるのは妹の柚菜。國見柚菜だ。
少なくとも俺よりはしっかりしている。ダメな兄貴をみると下と言うものは変わるらしい。
その時、手をパンパンと鳴らして聞きなれた声が聞こえた。
「はいはい、注目!」
皆が神原を見つめた。
「ん?どうしたんだよ、神原?」
「何か重大発表でもあるのん?」
風間とモモチが首をかしげ問うた。
「ふふっ…、今から怪談大会をしまーす!」
「「「「「「「「怪談大会?!?!」」」」」」」」
全員で突っ込んだ。
怪談?嘘だろ?
「階段?」
すかさずモモチがボケる。
「その階段じゃありません!実は今日のために飛び切り怖いの用意したんだ!」
神原の顔はいつにも増して生き生きしているのは気のせいであって欲しい。
「よし、んじゃ電気消して始めようぜ。ん?匡輔、お前も聞くんだよ。」
知らず後退りしていたらしい。
「え?あ、あぁ。」
風間に肩を掴まれ逃げれなかった。
「お兄ちゃん、怖いの?」
不思議そうに見つめてくる妹の前で逃げるわけには……。
「こ、怖くなんてないからな。」
「さすがお兄ちゃんだね!」
この時激しく後悔した。
「まぁ、仕方ないか……。」
渋々聞くことにした。
「……その幽霊は今も廃校舎をぐるぐるさ迷っているの。……おしまい。」
神原が話終わって皆の緊張が解けた。
「ふぅ。」
「それ、後味悪すぎ〜。」
皆が思い思いに感想を述べている。
「怖かったね〜、お兄ちゃん。」
「あ、あぁ。そうだな。」
俺は最初からビビってた。
その時神原が言った。
「でね、この話は本当の話だから、ちゃんとおまじないしないと駄目なの。」
「おまじない?」
俺は思わず聞いた。
「そ、『御魂よ、御身にお還りください』って人数分心の中で唱えるの。えと、9人だから9回だよ。」
それはこの学園に伝わる7不思議のひとつでもある話だ。
「ま、面倒だがやるか。カヲルもやるだろ?」
風間が頭を掻きながらカヲルを見る。
「…もちろん、やるよ。」
「私も、私も。」
「私たちもやりましてよ。」
モモチや四條たちも遅れて来た。
「よし、んじゃ皆手を繋いで輪になって。」
なかなか大きい輪ができた。
「私がはいって言ったら、目を瞑って唱えてね?せーの……はいっ。」
俺は目を瞑って9回唱え終えた。
「はい、おまじない完了!みん……。」
その時大きい地震がきた。とても立っていられなかった。
「うわぁーーーー!」
「きゃぁーーーー!」
その時、天井に大きな黒い孔が開いた。
「なんだよ、あれ?!」
そして一気に吸い込まれた。
「うわぁーー?!?!」
風間やカヲル、神原たちが孔へと吸い込まれていく。
「お兄ちゃん?!」
「柚菜ーー!?」
妹の手を握った感覚だけ残って俺たちも孔へと吸い込まれた。
黒崎学園の3年生だ。学園祭も無事成功してクラスの仲の良い連中8人と妹の柚菜の9人で学園祭の余韻に浸っていた。
「ねぇ、大丈夫かな?こんなに遅くまで残ってて……。」
心配そうに聞いてくるのは神原千尋。クラスの委員長で大の占い好き。それと怪談も……。
「大丈夫だって、センセにもバレてないし。な、カヲル!」
「……うん、そうみたいだね。」
大丈夫と笑っているのは風間翔。
不良ではあるが根は優しく、剣道の腕もたつ。
それと、正反対に静かな彼は橘馨。
皆はカヲルと呼んでいる。口より行動派で皆に頼られがち。
カヲルは風間に肩を強引に組まれながら
「……匡輔君もいるなら、大丈夫だよね?」
笑顔を見せながらカヲルはこちらを振り向いた。
「おう、もちろんだ。」
俺はグッドサインをカヲルにビシッと決めた。
「いいな、いいな!モモチにも少しは優しくして欲しいな〜。」
その腕にしがみつくように出てきたのは百千涼子。
苗字が珍しいので皆からモモチと呼び親しまれている。俺らのムードメーカー的存在。……良くも悪くも。
「ま、また、お前か!?いい加減離れろ!」
「あれ〜?匡輔、顔が赤くなってますよ〜?」
意地悪そうにモモチが下から顔を覗き込んでくる。
「フッ、國見君には少しが強すぎたようですわね?」
と高飛車な声。それを挑発するかのように
「18にもなってキスもしたことがないお嬢様がよく言えたな。」
冷静に毒を吐いた。
「なんですって?!」
この高飛車なお嬢様は四條秋葉。実際にすごいとこのお嬢様で少々世間知らず。こちらのいつも冷静で口を開けば毒を吐く子は逢坂凛。
四條家に負けず劣らずのお偉いさんで、もちろんお嬢様。
様々な分野に精通し博識。
「まぁまぁ、二人ともせっかくの学園祭の後なんですからぁ〜。」
場を静める気が有るのか無いのかいつもマイペースなのは、望月のぞみ。
こちらもお嬢様なのだが着飾ったとこがなく接しやすい。
「相変わらず賑やかだね、お兄ちゃん。」
「ははっ、だろ?」
「うん!」
そして、俺の隣にいるのは妹の柚菜。國見柚菜だ。
少なくとも俺よりはしっかりしている。ダメな兄貴をみると下と言うものは変わるらしい。
その時、手をパンパンと鳴らして聞きなれた声が聞こえた。
「はいはい、注目!」
皆が神原を見つめた。
「ん?どうしたんだよ、神原?」
「何か重大発表でもあるのん?」
風間とモモチが首をかしげ問うた。
「ふふっ…、今から怪談大会をしまーす!」
「「「「「「「「怪談大会?!?!」」」」」」」」
全員で突っ込んだ。
怪談?嘘だろ?
「階段?」
すかさずモモチがボケる。
「その階段じゃありません!実は今日のために飛び切り怖いの用意したんだ!」
神原の顔はいつにも増して生き生きしているのは気のせいであって欲しい。
「よし、んじゃ電気消して始めようぜ。ん?匡輔、お前も聞くんだよ。」
知らず後退りしていたらしい。
「え?あ、あぁ。」
風間に肩を掴まれ逃げれなかった。
「お兄ちゃん、怖いの?」
不思議そうに見つめてくる妹の前で逃げるわけには……。
「こ、怖くなんてないからな。」
「さすがお兄ちゃんだね!」
この時激しく後悔した。
「まぁ、仕方ないか……。」
渋々聞くことにした。
「……その幽霊は今も廃校舎をぐるぐるさ迷っているの。……おしまい。」
神原が話終わって皆の緊張が解けた。
「ふぅ。」
「それ、後味悪すぎ〜。」
皆が思い思いに感想を述べている。
「怖かったね〜、お兄ちゃん。」
「あ、あぁ。そうだな。」
俺は最初からビビってた。
その時神原が言った。
「でね、この話は本当の話だから、ちゃんとおまじないしないと駄目なの。」
「おまじない?」
俺は思わず聞いた。
「そ、『御魂よ、御身にお還りください』って人数分心の中で唱えるの。えと、9人だから9回だよ。」
それはこの学園に伝わる7不思議のひとつでもある話だ。
「ま、面倒だがやるか。カヲルもやるだろ?」
風間が頭を掻きながらカヲルを見る。
「…もちろん、やるよ。」
「私も、私も。」
「私たちもやりましてよ。」
モモチや四條たちも遅れて来た。
「よし、んじゃ皆手を繋いで輪になって。」
なかなか大きい輪ができた。
「私がはいって言ったら、目を瞑って唱えてね?せーの……はいっ。」
俺は目を瞑って9回唱え終えた。
「はい、おまじない完了!みん……。」
その時大きい地震がきた。とても立っていられなかった。
「うわぁーーーー!」
「きゃぁーーーー!」
その時、天井に大きな黒い孔が開いた。
「なんだよ、あれ?!」
そして一気に吸い込まれた。
「うわぁーー?!?!」
風間やカヲル、神原たちが孔へと吸い込まれていく。
「お兄ちゃん?!」
「柚菜ーー!?」
妹の手を握った感覚だけ残って俺たちも孔へと吸い込まれた。
12/10/06 19:44更新 / N-BYk