連載小説
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14.「始まり 上」
半年後・・・・・・

俺は流離狼中尉とアイン中佐の過酷な訓練に耐えてきた、その中で俺は生きる為のりとあらゆる術を身に付けていった。
斥候、奇襲、強襲、狙撃、格闘術、機械技巧、AC操作術、工作技術。
中でも格闘術とAC操作術は成績が良かった。
教える側がアレなのもあるが。
 アイン・フロス。AC特務師団MOME大隊においてCQC(Close Quarters Combat 近接格闘)において右に出る者は居ないとされ、中佐の階級を与えられるほどの素質を持ち合わせる。
流離狼。同文においてAC操作術に長けており中尉の階級を与えられる。
戦略シュミレーションのスペシャリストであり総合訓練教官も受け持つ。この2人にみっちり指導されては流石に腕が劣るはずが無かった。

「今日はここまででいいわ・・おつかれさま、大分成長したみたいね。」

訓練を終えアインがアナザーの側によって来る。
アナザーはアインのその言葉で毎回恒例の『お楽しみ』をやる事にした。

「・・・・・・・中佐の胸は半年前から成長してませんね。・・牛乳飲んでますか?」

するとアインの顏が真っ赤になり、ムスっとした表情で

「なっ!・・・の、飲んでるわよ・・・・良いから早く着替えなさい・・・」

「へいへい・・・」

最近思った事だ、アイン中佐は胸の事を弄ると普段の無表情とはかけ離れた、
見せない表情をする。これがクールデレというものか、この表情のアイン中佐は歳相応の少女チックな感じがして可愛くも見える。
そしてアインはかならずあの行動にでる、アナザーのもっとも見たいメインディッシュの時間が始まる
「中尉・・・ちょっと来なさい」

そう・・『お待ちかねの時間』である

「なんですか?中佐・・・って、なんで後ろに回り込んでるんですか・・・?じ、自分は何も言ってませんよ!」

中尉は次第に自分が何をされるか理解し始めた。
そう、アインによる八つ当たりである。

「今は・・・じゃないのかしらぁ・・ふふふ・・・さあ、たっぷりとお仕置きしてあげるわ・・」

中尉の耳元でアインは囁くと不意を突かれた中尉は案の定アインの見事な絞め技を食らってしまった。

「ちょ!やめて!ストップ!・・・あああああ!無理に先端当ててこないで!余計に絞まる!絞まるぅぅぅぅ・・・・・う!」

「お・・大きくなったと言いなさいよ・・この馬鹿・・・」

アナザーはこの光景を毎回眺めながら思う

「・・・2人とも仲良いよな。尻に敷かれてる夫婦のようだ」
その流離狼中尉とアイン中佐の光景は
他の部隊メンバーから見てもそのようにしか見えなかったのであった。

「くす・・中々どうして貴方は面白い。彼女にあんな少女のような顏をさせるとは・・興味が尽きませんね」


背中にゾクっとくる感覚、アナザーは振り返るとそこにフェンリル大尉が居た。
気配を殺してきたのか?。まったく気づかなかった。

「な。なんのようだよ」

「おやおや・・まだそのような口が聞けるとは・・。まあいいでしょう、アイン中佐はあのアリ様ですし、私から直接言いましょう。ムラクモミレニアムがキサラギと何やら研究を行っていると情報がありました。貴方も知っての通り、ムラクモはスーパースター少佐を拉致し、『何かの実験体にした』その企業がキサラギと手を組んで何かをするという事は・・お分かりですね?」

少佐が拉致られて何かの実験にされていたのは『あの時の資料』で知っていた。その企業とキサラギ、大型の作業用運搬機から生物兵器(昆虫から動物類における)を開発している企業だ。その企業と手を組むという事は間違いなく、『後者絡み』であろう。

「アナザー。貴方は私と一緒にそこの偵察、情報収集です。・・・大佐もなかなか乙な事をしますね、お互い・・精々頑張りましょう」


そうアナザーはこの男、フェンリル大尉と任務を行う事になった。
任務内容はムラクモ・キサラギの施設における内部調査・情報収集。過度の接触は禁止。発見された場合速やかに離脱せよとの事。
そう、アナザーの最初の任務である。
それがアナザーにとって最大の・・・・。


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12/06/07 21:00更新 / PF大佐
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まろやか投稿小説 Ver1.50