連載小説
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12.「正義のあり方」
 1人でも多くを救う為、無数の人々を殺した

  そうして---正義で世界は救えないと理解した。

 百を生かす為に、十を殺し

 千を生かす為に、百を殺し

 万を生かす為に--千を殺した

 誰よりも正しくあろうとした、その道が--正しかったと、信じている。ならば何故この身はあの刻のまま落日の丘に、縫い止められているのか。もしも、願いが叶うなら、信じた正義を、歩んだ過去を、当然の栄光を、不遇の結末を、逃れえぬ縛鎖を、堕落の揺籃を、汚泥の契を、最果ての夢を、狂騒と快楽を、虚栄の羨望を、深奥の撒を、断罪と愉悦を、無耀の回答を、闇夜の無名を、聖杯に祈りを、あの日描いた夢と---果たせなかった理想を何を信じ、何を失い、何を望み、何を得るのか、求めた答えが此処に在る。終わらぬ連鎖を終わらせる、其れを果たし得るのが聖杯だ、世界の改変、ヒトの魂の変革を、奇跡を以って成し遂げるそのために、たとえこの世全ての悪を担うことになろうとも--構わないさ、それで世界が救えるなら、僕は喜んで引き受ける平等に全てを愛し、分け隔てなく全てを殺 す、これが貴方の望んだ世界・・・・・・・・・・ 『フロス家当主による願望』

・・

「貴方が何故負けたか解るかしら?・・・それは貴方の『慢心』が原因よ・・・以後気を付ける事ね」

彼女の言ってる事は正しい、あの結果は己自信の油断から出た隙だ。
実力では彼等に勝っていた、経験でも彼等に勝っていた。
ならば何故『あんな奴等』に私は負けた?
そう、私を・・あの殺人狂と恐れられていた私を倒した『あの男の妹』は『慢心』という一言でまとめて見せた。
 違いない、事実あの男の時も私の方が遥かに上回ってる物だと思っていたのだから・・・。アア・・これだから此処は面白い。面白すぎて顏に出てしまうよ。


・・・・・・・・・・
アイン執務室

「まさか・・とは思ってたけど・・・本当に大佐の言うとおり、ハンデがあるとはいえ大尉を倒すなんてね・・」

アナザーを含むUF5、メビウスはアインの部屋に着いた。
そして開口1番のセルフがそれだった。

「・・で何かようなのか?、まあ無いと呼ばないよな」

するとアインはアナザーの目の前に立つとアナザーの顏を思いっきり掴んだ

「口の聞き方には気を付けなさい・・ここでは私は貴方の上官なのだから」

「っぐ・・ああ!」

「まあいいわ・・以後気を付ける事ね・・死にたくないなら」

「・・ハイ・・」

アインは椅子に座ると机から鍵とカードを取り出しそれぞれに配った。
アナザー達はそれを受け取るとアインはそれの説明を始める

「ACの起動キーとIDカードよ・・その2つが無いとACは動かない・・・無くさないようにね・・ACが乗れて初めて使えるようになるんだから、期待を裏切らないで頂戴・・・あとさっきは御免なさい、いつもの癖なのよ・・」


癖?あのアイアンクローが!?

するとコンコン!とノックの音が後ろから聞こえてきた。
入って来たのは流離狼中尉である、だが何故かヨロヨロな状態で処どころ痣らしき物も見られる。

「失礼します、中佐何か御用で?」

「あら・・中尉。さっきのさっきで良く来れたわね?・・お仕置き・・足らなかったかしら」

アインは口が綻んだような顏をして流離狼に言った。

「いいえ!その様な事は無いでありますサー!」

「・・足らなくなったら言ってね・・『何時でも』してあげるから・・・フフ」


「イエス!サー!」

アインは流離狼中尉のその表情を見てそれを楽しんでるかのようだった。

アナザー(ドS?)
UF5(ドS!?)
メビウス(ドS?)


「・・・中尉、この3名。アナザー・UF5・メビウスを貴方に預けます。使えるようにしなさい。・・・」

「本題はそっちですか。了解しました。明日からみっちり扱きます」

「『私が貴方をアレした時』の様に・・・お願いね・・・」

「りょ・・了解です・・・TT」

なんか顔文字がついたくらい中尉は涙ぐんでいた。

「何したんだ?この人」

アナザーはここの部隊の個性的な人々に愉悦すら感じていた。
(まあツマラナイよりかいいけど)

「以上よ・・もういいわ。アナザー以外は下がりなさい」

UF5達が部屋を出ると、アインはアナザーに1つ問いを投げた。

「貴方、ここに来る前『お前たちの行動に興味がある』そう言ったわね?それは今も変わらないのかしら?・・・・・」


アインの目から察するに真剣に聞いている、さっきの表情とは別物だ。
そうあのポーカーフェイス大佐の目を思い出させる。

「変わってないな・・・・であります」

「2人の時は敬語はいいわよ・・そのほうが貴方も楽でしょ?・・」


「はあ・・」

「でも他の人が居る時は気を付けなさい・・部下に示しがつかなくなると大変なのよ・・」

「たしか中佐だったよな?・・・最初に会った時と随分雰囲気が違うんで驚いたよ。あんな顏できる人が中佐で、あの殺人を趣味にしてそうな奴の上官なんてよ」

「・・・・それは褒め言葉として受け取っても良いのかしら?任務だから仕方ないのよ・・」

「あの顏は大抵の男ならドキッっとするぞ?。ナンパとかされたりしないのか?」

「・・・・・・・・・・」

アインは少し間を置き顏を赤らめて

「・・・ちょっとだけ・・あるわ・・・」


アナザーは思った。軍という枠から外れていたら、この女性はきっと幸せな日々を過ごせていたのだろうと。それくらい彼女の表情は安らぎを与えさせた。

「へえ〜やっぱり女の子なんだな。」

アナザーはアインの顏をまじまじと見て言う

「・・・・・貴方もあの人と同じ事言うのね・・」

あの人?俺の他にもこの顏を見た奴が居るという事か

「誰か聞いても良いか?」

アインは一拍おいて言った

「・・・・・・・・兄さん」

兄が居たのか、こいつの兄だと相当顏の整った奴なんだろうな


「この部隊に居るのか?そいつ」

「・・ええ居るわよ・・貴方もよく知ってる」


「俺が知ってるとなると・・あの殺人・・」

「違うわよ。何?・・・私そんなに人を殺すような目をしているのかしら?・・」

目をぎらつかせ、アナザーを見るアイン。

「中尉とかのやり取り見てるとそうとしか取れん!」

「まあいいわ・・教えてあげる。私の兄は・・・・・・・・・・ポーカーフェイス大佐、あの人よ」


アナザーは今納得した、あの男と同じ目をした彼女。間違いない、ポーカーフェイスの妹だという証拠だ。

「私の本名はアイン・フロス、フロス家として『代々受け継がれる能力』を継承する者。それが私と大佐」

「代々受け継がれる・・・?フロス家」

「・・・貴方が見つけた少女、あの子は大佐の最愛の人であり、その能力を継承する権利を持ち合わせる者だったのよ。これで理由が解ったかしら?」


今までの出来事が嘘みたいに今1本に繋がった。
何故被害を最小に抑え騒動を穏便にさせて居たのか、何故ムラクモの施設にあの少女が居てアイン達がそれを奪いに来たのか、ムラクモが少女の特性を利用して何かしら研究をしていたのか。歯車が気持ち悪いほど一致する。

「そしてあの子もMOMEの部隊に所属しているわ。名前は『スーパースター・フロス少佐。元人民解放軍衛星軍曹』彼女もこっち側の人間よ・・」


彼女も傭兵!?あんな華奢な子が!?アインもそうだがこの部隊イカレテル。

「あんた達は一体なんの為に戦うんだ?大尉や他の連中があんた達に付いていく理由はなんだ?あんたの兄は何をしようとしているんだ?」

するとアインは自分専用の装備コルトパイソン4インチを構え、クルクルと指で回しホルスターにしまうと、こう言い放ったった。



「・・・・・・世界平和の為」




12/06/04 15:57更新 / PF大佐
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■作者メッセージ
喋りばっかだああああああ同じ部屋だから描写がむずいい。

痣ができるようなプレイとか・・・
ありがとうございます!全日本ドM協会より

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まろやか投稿小説 Ver1.50