やまのはな   sorry Japanese only

                         更新:2007年2月17日

   表題 : 至近距離

  中学校では
  その昔
  昭和も40年代後半
  軟式テニスに取り組んでいた頃
  上手ではないので
  当然 ほ け つ
  ある時、会があり
  勝つテニスをするか
  楽しむテニスをするか
  さあどっち
  多数決
  全員が勝つテニス
  その日から
  レギュラー選手以外は三年生でも
  球拾い
  ほけつは
  コートの周辺に立って自ら盾となり
  ボールが遠くに転げていかないよう
  体で防ぐ
  とはいえ
  どんなボールが来るかというと
  スマッシュ
  うっかりよそ見をしたりぼおっとしたかと思うと
  コートの隅から直球が顔を目指して飛んでくる
  雨上がりはコートは水たまり
  サーブレシーブをして返ったボールを
  そのまま手渡したら
  ラケット二本分しか離れていないところから
  思いっきり自分めがけて打ってくる
  ほとんど百発百中
  きちんと拭いてから渡さなければならないのだ
  なにで拭くか
  今、身につけている体操服で
  体操服のおなかのあたりで
  ゴシゴシ拭いてきれいなボールだけ
  そっと
  最後には手で確かめて
  今度は至近距離から打たれまいか
  いつも冷や冷や
  気づいたらほかのほけつも同じところが汚れていた
  正選手は汚れていない
  一目でわかる正選手と補欠集団
  楽しい練習なんてあるはずがない
  高校を卒業してからは幸い会うことはないが
  今会っても絶対に笑顔では会えない
  年月が経っても思いは消えないのだ

   

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