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山の端 yamanohana
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更新:2004年 10月17日
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表題 : 出窓
『でまど』 台所の前方に、外に飛び出た窓
茶碗、皿、湯飲みなどの他に調味料を保管していた
そこには砂糖があった
半透明の容器で、蓋が黄色く
子どもでも簡単に開けられる
いつも指をつっこんで砂糖を舐めていた
今のように甘いお菓子がなかった頃
正確には、我が家になかった頃
あったのは、お正月、風邪引き子どもの冬布団の端
風邪をひいたらお菓子が食べられる
金平糖、煎餅、おかき お餅
それにバナナ、林檎
あっと、それから夏の草刈りの山ごもりシーズン
出窓は明るい
光の取り入れ口だったのだ
台所の調理台の上に椅子を使って上がり、
幾度と無く舐めた白い砂糖
そう、出窓はお菓子の世界への扉でもあったのだ
今、住んでいる家には、残念ながら出窓はない
まだ あの出窓は健在だろうか
30数年経った現在は、見知らぬ人が住んでいる
里帰りしても、訪れることのできない
小さなすみか
あの池の小島はまだあるかな
カエルは元気に飛び跳ねているんだろうか
あの出窓からもう一度眺めてみたい
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