活動目標

 D-pcaから生み出される「育ち合う人間関係」を提供することにあります。 同時にそれらのあり方を研究する場でもあります。

 ここで、「育つ」ということですが、それは、「一致」にあります。自分の中の情動(特に気持ち)とそれに気づくこと、さらに、それを表現することが一致することです。また、私達には思考する働きがありますが、自己を探求し、本来の自己を知るということが大事になります。私達は他者からの権威に動かされ自分を見失う傾向がありますが、それに気づき、本来の自己に気づき、自分自身の力によって動いていくということです。 何も固定した自分というものがないことに気づいていくことになるかと思います。「自由」になっていくということです。これを「育つ」と呼ぶことにします。

 次に、私達にはこれに留まらず、さらに、自分自身を深く知りたいという欲求があります。魂の渇きを感じ、それを深く探求したいということです。これに答えてくれるものは様々にあると思いますが、ここでは、仏法が極めて端的に根本的にその問いに答えてくれると思います。これは教法として与えられています。 そして、「仏道」としてその道が指し示されています。ここでは、もっとも力のない者、凡夫に指し示された道として真宗があると思います。その心を尋ね合って行くことです。

 さて、ここでおもしろいことがあるのですが、これは、どうにもならないものではなく、ある一定の人間関係が続くことによって促進することが出来るということがわかってきています。また、それを提供する人も相互作用として育たされていきます。これを「育ち合う人間関係」と呼んでいます。「仏法を基底にした人間中心のアプローチ:D-pca」ということになります。

 このような「育ち合う人間関係」が満たされる場を提供することに私達の目標があります。
 

 


 

「育ち合う人間関係」

 これは西光義敞先生の言葉です。一つは「人間中心のアプローチ(PCA)」との交流から生まれてきたものです。その場に、「純粋性(ありのまま)」、「無条件の肯定的配慮(受容)」、「共感的理解」という言葉であらわされる心理的風土が醸し出されているときそこが育ち合う場になっていきます。その「育ち」は「援助者」−「被援助者」というように一方的に固定されるものではなく、お互いの中に起きていきます。とはいえ、当面は「世話人」と呼ばれる人からこれは提供される必要はあります。

 さらに、これはPCAとの交流からのみ生まれてきたものでもなく、仏教(仏法)との交流の中から深く醸し出されてきているものでもあります。仏教(仏法)は、深い人間理解の智慧を持っています。その深い智慧を尋ね合って行くところからも育ち合う人間関係は生まれてきます。皆が等しく仏から願われている存在なのですから。

 どこか真摯で、どこか暖かい、安心してくつろげる。そのような雰囲気なのではないかと思います。

<参考図書>
西光義敞『暮らしの中のカウンセリング−育ち合う人間関係』 有斐閣選書
西光義敞『育ち合う人間関係−真宗とカウンセリングの出会いと交流』 本願寺出版社

 

 


 
活動の三本柱

我々の活動は、大きく3つの柱から成り立っています。

1. 育ち合う場の提供(共談援助など)
 個人、家族、小グループを対象にした「育ち合う場」の提供、場作りの為に必要な心理的風土を学習する場の提供をします。 これは、宗教、思想、信条の相違を問わず、関心のある方ならどなたでもご利用できます。仏教を知らせるために行う場でもありません。そして、当センター独自の使命として仏法を鏡として究極の自己を知る場の提供も行っていきます。ここでいう「育ち合う場」は、カウンセリングやエンカウンターグループに近いものですがそれらとはまた一味違ったものをめざしています。いずれも体験的な学びや交流の場です。

2.研究活動
 D-pcaについて探求を行っていきます。仏教そのものの探求、パーソンセンタード・アプローチの探求、そして、それらの交流から生まれる新しいアプローチのあり方について実践を通した研究を行っていきます。

3.国際交流
 交通手段の発達はもとより情報技術の発達により地球が村のようになっていく時代です。 仏教も世界的な広がりを見せています。D-pcaセンターにはパーソンセンタード ・アプローチと仏教を共通項とした国際的な人のつながりがあります。

 

育ち合う人間関係の提供

・.家族、小グループの共談援助

 *共談援助
 *不登校、摂食障害、発達障害等成長過程の問題解
   決のためのカウンセリング 
・「育ち合う人間関係」を体験する集い
 *ワイガヤ・リトリートグループ
 *ワンデイ(1日)
 *宿泊
・D-pcaの集い
・研修活動

 *面接研修コース
 *援助専門職のための「育ち合う人間関係」を学ぶ集
   い
  *スーパービジョン
研究活動

・D-pca研究会
・輪読会



 


国際交流

・CSP: Center for Studies of the Person (La Jolla, California)共催。
・海外のPCA との交流
  ADPCA: The Association for the Development of the Person Centered Approach
 PMP: Play Mountain Place ( Los Angeles にあるHumanistic Alternative School)

国際的なコミュニティを作りたいと思っています。


 

基本アプローチ

 様々なアプローチにオープンでありたいと思っていますが、ここでは「人間中心のアプローチ(パーソン・センタード・アプローチ)」、「心理社会療法」、そして 「仏教(真宗)」との交流から生まれるつつある「仏法を基底にした人間中心のアプローチ(D-pca)」を基本アプローチとしています。 英語名は、"Dharma-based person-centered approach (D-pca)" です。

 「心とからだ」、「人と環境(社会関係)とその相互作用」、「自由」というような言葉で表される「人間の全体性」に焦点を当て、さらに、「転迷開悟」、「抜苦与楽」という根源的な自分自身への目ざめをも扱える広く深いアプローチであります。