第183回国会 本会議 第22号
平成二十五年五月二十四日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二十二号
  平成二十五年五月二十四日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十三
  年度決算の概要について)
 第二 健康保険法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第三 気象業務法及び国土交通省設置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 地方公共団体情報システム機構法案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第五 森林の間伐等の実施の促進に関する特別
  措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第六 行政手続における特定の個人を識別する
  ための番号の利用等に関する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第七 行政手続における特定の個人を識別する
  ための番号の利用等に関する法律の施行に伴
  う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第八 内閣法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第九 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保
  存に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第一〇 特定外来生物による生態系等に係る被
  害の防止に関する法律の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 第一一 エネルギーの使用の合理化に関する法
  律の一部を改正する等の法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 以下 議事日程のとおり
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○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第五十五番、比例代表選出議員、尾辻かな子君。
   〔尾辻かな子君起立、拍手〕
○議長(平田健二君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、尾辻かな子君を文教科学委員に指名いたします。
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十三年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品増減及び現在額総報告につきまして、その概要を御説明させていただきます。
 まず、平成二十三年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は百九兆九千七百九十五億円余、歳出の決算額百兆七千百五十四億円余であり、差引き九兆二千六百四十一億円余の剰余を生じております。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成二十四年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、平成二十三年度における財政法第六条の純剰余金は一兆九千七百九十億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較をいたしますと、歳入につきましては、予算額百七兆五千百四億円余に比べて二兆四千六百九十億円余の増加となります。この増加額には、前年度剰余金受入れが予算額に比べて増加した額三兆二千百十五億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純減少額は七千四百二十五億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額百七兆五千百四億円余に、平成二十二年度からの繰越額三兆二千百三十億円余を加えました歳出予算現額百十兆七千二百三十五億円余に対し、支出済歳出額は百兆七千百五十四億円余であり、その差額は十兆八十一億円余となります。このうち平成二十四年度への繰越額は七兆五百六十八億円余であり、不用額は二兆九千五百十二億円余となっております。
 なお、歳出のうち、東日本大震災復旧・復興予備費につきましては、その予算額は五千六百五十六億円余であり、その使用額は四千九百九億円余であります。
 また、予備費につきましては、その予算額は三千五百億円であり、その使用額は七百四十八億円余であります。
 次に、平成二十三年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十七であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、平成二十三年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は五十二兆三千三百五十七億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は五十一兆六千六十六億円余であります。
 次に、平成二十三年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十三年度末における国の債権の総額は二百五十一兆七千八百五十五億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十三年度末における物品の総額は十一兆六千三百六十二億円余であります。
 以上が、平成二十三年度の一般会計の歳入歳出決算等の概要であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
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○議長(平田健二君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。風間直樹君。
   〔風間直樹君登壇、拍手〕
○風間直樹君 民主党・新緑風会の風間直樹です。
 会派を代表して、平成二十三年度決算について質問いたします。
 さて、冒頭、昨日の東京株式市場における株価暴落は、アベノミクスが実体経済の成長を伴っていないバブルであることが露見したのだと思います。通告はしておりませんが、総理の認識を伺います。
 それでは、決算について、まず、国会による財政統制を揺るがしかねない事案について伺います。
 我が国では、国会が承認した使い道以外での予算使用は認められません。憲法第八十三条「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」がその根拠です。国民が選挙した国会議員が、国民の代弁者として予算を審査し、認めた使途に限り予算の執行が許されます。
 ただし、財政法などは、会計年度独立の例外として、年度内に支出が終わらなかった歳出予算について、国会の議決を経て翌年度に繰り越すことができる制度、明許繰越しを認めています。
 しかし、二十三年度決算報告では、各府省において繰越しの承認を受けた内容と違う事業に予算を充てた事態が指摘され、その件数、金額は、百七事項、百三十四億円にも上っています。さらに、繰越予算による事業が継続中にもかかわらず、繰越しの申請書類を廃棄した例も多数見られました。
 繰越予算の執行が事前承認の内容と異なることは、国会の議決外、すなわち国民が承認していない予算の執行を許すことになりかねません。
 麻生財務大臣は、本院予算委員会において、平成二十一年以降繰越しに係る事務手続が簡素化されている旨、答弁をされましたが、事務手続を簡素化したとはいえ、承認された内容と異なる事業に繰越予算を充てることは、予算執行過程の透明性確保が求められる中、断じて許されません。また、執行中の繰越予算に係る申請書類は、検証のため一定期間保存されなければなりません。
 このように、国会による財政統制を揺るがしかねない事態が生じていることについて、総理のお考えを伺います。
 また、明許繰越しの趣旨に沿った事前審査や承認の在り方、さらに、繰越予算の執行状況検証の方策や再発防止策等について、麻生財務大臣に伺います。
 次に、三菱電機などによる防衛装備品等の過大請求、つまり、提供したもの以上の金額を国に請求し、三菱電機などが領収したという問題です。
 平成二十四年九月、本院が会計検査院に対し、この事案について検査を要請、同年十月、その結果が報告をされました。これにより、防衛装備品の調達に関して各受注会社が工数の付け替えや水増しなどを行い、長年過大請求を行っていたことが明らかになりました。過払い金額は三百億円超という巨額です。
 また、同様のことが、人工衛星や情報収集衛星などの開発、研究等を行う内閣官房、総務省、独立行政法人宇宙航空研究開発機構など、国の各機関でも行われていたことは、驚きと怒りを禁じ得ません。
 更に許し難いのは、防衛省、総務省などが、過大請求を行った各会社に対し、入札の指名停止措置を講じたにもかかわらず、指名停止中にこれらの会社と繰り返し契約を締結していたことです。検査院によれば、停止中の契約件数及び金額は、計二百三十八件、千百六十六億円という信じられないものでした。その上、防衛省などが受注会社に対して調査や監査を実施する場合、事前に日程や調査内容などを相手方に連絡する等、役所と企業の癒着体質も明らかになりました。
 安倍総理は、各役所と一部企業が血税の重みをないがしろにしている現状をどうお感じになりますか、お答えください。
 防衛装備品などにおける過大請求は過去にも発生し、その都度、再発防止策を講じたと弁明してきたことを忘れてはなりません。本件はそうした中で発生した問題です。今回こそは再発防止を徹底したのか、関係者に対する厳正な処分を行ったのか、防衛大臣にお伺いします。
 さて、二十三年度決算検査報告では、数多くの不適切な会計処理が指摘されています。例えば、農林水産省の委託事業で、受託した社団法人が実際の支出額より多い実績報告書を作成していたため、人件費が多く支払われた事態、独立行政法人雇用・能力開発機構で不適正な仮払金の経理事務が行われ、内部のチェック体制が機能せず、支払事実が確認できないまま、使途不明のまま現金を喪失している事態など、枚挙にいとまがありません。
 これらは税金を不当に使用した言語道断の行為です。なぜこうした行為が起きたのかを調査し、再発防止を徹底しなくてはなりません。所管大臣に対し、各事例に関する調査結果と再発防止策の詳細を伺います。
 最後に、日銀の異次元金融緩和がもたらす来年度予算への影響について伺います。
 黒田総裁の就任以降、日銀は大胆な金融緩和を行っています。その主たる手段は、政府が発行する国債の一部を市中金融機関を通して日銀が買い取る、いわゆる長期国債買入れです。政府発行の短期国債を除く国債は年間およそ百二十兆円。従来、その約三割を日銀が買い取ってきましたが、今後はそれを七割強、年間九十兆円に増やす方針です。百二十兆円のうちの九十兆円です。
 しかし、この大量購入は国債利回りの乱高下を招き、機関投資家が国債を適切なタイミングで売買できないリスクが高まっています。国債購入の原資である預金をいつ解約されるか分からない民間金融機関にとり、このリスクは巨大です。そのため、市場参加者の中には更なる国債購入をためらい、保有する国債を売り急ぐ、また、先物売りによりヘッジ比率を上げる動きが出ています。
 異次元緩和がもたらしたこのいわゆる流動性の喪失リスクをどう認識されるのか、総理に伺います。
 また、機関投資家が国債保有を減らす圧力にさらされる一方で、売却された国債は誰が買うのでしょうか。民間金融機関にとり国債が安定性を欠く保有し難い商品になれば、いずれ日銀が国債保有のほぼ全額を肩代わりすることになりませんか。併せてお答えください。
 従来、日銀は、新規発行された国債が市場で本格的に流通してから買い取ってきました。しかし、最近では、財務省が国債を入札に掛けた翌日に日銀が買い上げるケースが増え、市場を驚かせています。
 これは、財政法で禁じられた日銀による国債引受けとどう違うのでしょうか。事実上、日銀による国債引受けが始まっているのではないでしょうか、お尋ねをいたします。
 このように、国債市場が、流動性が小さく活気のない場となり、多少の材料で乱高下が生じやすくなる兆候が生じています。国債市場の機能が破壊されれば、政府債務の安定性を脅かし、長期金利の急上昇と財政負担の増大が生じます。それは通貨価値の下落、インフレを招き、年金・医療制度をも揺るがして、国民生活を圧迫するでしょう。この懸念を払拭するため、政府はどのような方策を取るお考えか、お尋ねいたします。
 既に円安で燃料費は大きく上がり、住宅ローン金利も上昇、アベノミクスの副作用が暮らしに現れています。総理、真摯にお答えをお願いいたします。
 日本経済の潜在成長力が高まらなければ、今回の政策は資産価値をゆがめるだけに終わるおそれがあります。それゆえ、アベノミクスの三本目の矢、成長戦略が重要です。その中身が来年度予算にどう反映されるか、マーケットは注視しています。
 ところが、昨年度補正予算と今年度予算を合わせた公共事業関係費は、昨年度当初予算比で一・七倍にも達しています。このような自民党の旧来型予算が続けば、日銀による国債大量購入は政府財政支出を裏支えする行為とみなされ、国債売りを誘発しかねません。つまり、異次元緩和を始めた以上、従来型予算の踏襲は許されず、市場は予算から各種既得権益を除くことを自民党政権に求めます。低成長分野の支持基盤には予算を減らすべしという要求です。
 このように、アベノミクスを完結させるためには、自民党が選挙上よって立つ基盤を見直し、代替することが避けられません。総理、それをやり遂げることができますか。
 この問いを最後に、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 風間直樹議員にお答えをいたします。
 質問通告にはございませんでしたが、質問の冒頭、昨日の株価の動きについてのお尋ねがございました。
 株価についてはお答えできません。
 繰越予算の執行についてのお尋ねがありました。
 繰り越された予算については、国会で承認を受けた内容から逸脱することがないように執行が行われることは当然のことであり、会計検査院の平成二十三年度決算検査報告において、繰越しの承認内容と異なる事業に繰越予算が充てられたり、検証のための書類の保存がなされていない事例が指摘されたことは真摯に受け止める必要があると考えています。
 今後、このようなことが起きないよう、各執行官庁において会計検査院の指摘を踏まえた適切な繰越予算の執行を行うとともに、財務省において事後的な検証を行う仕組みを検討することとしております。
 三菱電機等による過大請求事案についてお尋ねがありました。
 三菱電機等による防衛装備品等にかかわる過大請求事案については、極めて遺憾であります。政府としては、過大請求を確認した場合には直ちに指名停止の措置をとり、その後の契約については、代替調達の手段がない場合など、例外的な場合に厳格に限定しています。また、企業に対する抜き打ち調査、監査の実施や違約金の引上げなど、再発防止策の徹底を図っております。
 今後とも、適切な調達を実施できるよう、その在り方について不断の見直しを行い、必要な改善策を講じてまいります。
 日銀の国債買入れの国債市場への影響についてお尋ねがありました。
 四月四日の金融政策決定会合後、国債価格が大きく変動する場面が見られることは承知しておりますが、金利は経済財政の状況や海外の市場動向等の様々な要因を背景に市場において決まるものであり、その動向についてコメントすることは、市場に無用の混乱を生じさせかねないことから差し控えさせていただきます。
 国債は流通市場において多様な主体によって売買されており、金利が変動する中にあっても、保有国債を売却する主体がある一方で、国債を購入する主体もあります。このような流通市場において、日本銀行が多額の国債買入れを行うことにより国債市場に影響が生じ得ることから、市場参加者との間で、金融市場調節や市場取引全般に関し、これまで以上に密接な意見交換を行う場を設けることとしているものと承知しており、市場との対話を通じて日本銀行が適切に対応されることを期待しております。
 政府としては、国債市場の動向を注視し、市場との密接な対話を行いながら国債管理政策を進めていくこととしています。同時に、政府と日本銀行との共同声明にあるとおり、持続可能な財政構造を確保するための取組を着実に推進し、市場の信認を確保してまいります。
 日銀による国債買入れについてのお尋ねがありました。
 日本銀行は、量的・質的金融緩和の導入に当たり、原則として全ての国債を買入れ対象とした結果、従来対象としていなかった発行直後の国債も対象となったものと承知しております。具体的な金融政策の手段は日本銀行に委ねていますが、日銀の国債買入れは全てマーケットで流通しているものを対象に実施しているものであり、財政法第五条で禁じられている日銀引受けには当たりません。
 国債市場の機能が経済等に与え得る影響を踏まえた政府の対応についてお尋ねがありました。
 仮に、国債市場の機能が低下すること等により長期金利の急激な上昇が起こることとなれば、経済、財政、国民生活に大きな影響が及ぶおそれがあります。日本銀行は、市場参加者との間で、金融市場調節や市場取引全般に関し、これまで以上に密接な意見交換を行う場を設けることとしているものと承知しており、適切に対応されることを期待しています。
 政府としては、先ほど申し上げたように、国債管理政策に適切に取り組むと同時に、持続可能な財政構造を確保するための取組を着実に推進しています。
 今後の予算配分の在り方についてのお尋ねがありました。
 安倍政権は、昨年末の総選挙による国民の審判を経て国政を担っており、御指摘のようないわゆる既得権益のためではなく、国家国民全体の利益のため、政策を前に進めております。
 平成二十四年度補正予算及び平成二十五年度予算においては、復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化の三分野に重点化した幅広い施策を計上しました。この中で、公共事業については、インフラ老朽化対策や公共施設のバリアフリー化など、従来型ではなく、時代やニーズの変化に対応した事業を盛り込むなど、国民の安心や経済活性化などに必要な予算をしっかりと配分しております。
 引き続き三本の矢を一体的かつ強力に実行することで、日本経済の再生を目指してまいります。
 なお、政府が、発行した国債の買取りを日本銀行に強いるようなことはなく、財政ファイナンスを行うことはありません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 明許繰越しの事前審査や繰越予算の執行状況の検証などについての御質問をいただきました。
 明許繰越しの手続につきましては、執行官庁の負担軽減の観点から、事前審査や承認事務の簡素化を進めてきたところであります。繰り越された予算の執行に当たっては、国会において承認を受けた内容から逸脱することなく、適切に執行されるべきものであると認識をいたしております。
 平成二十三年度決算検査報告において、繰越承認を受けた事項の内容と異なる内容の事業に繰越予算を充てていた事案に対する会計検査院からの指摘があっております。既に財務省から各省庁に対し、繰り越された予算の執行が繰越制度の趣旨に沿ったものとなるよう要請を行ったところでもあります。
 今後も引き続き、関係書類の保存状況も含めた繰越し後の予算の執行状況について事後的に検証を行うことなどを含め、適切な予算執行が行われますよう努めてまいりたく存じます。(拍手)
   〔国務大臣小野寺五典君登壇、拍手〕
○国務大臣(小野寺五典君) 風間議員にお答えします。
 三菱電機等による防衛装備品等の過大請求事案に対する再発防止策を徹底したのか、また、関係者に対する厳正な処分を行ったのかについてお尋ねがありました。
 平成二十四年一月に判明した三菱電機の過大請求事案を始め、防衛装備品等の調達に関する事案については、誠に遺憾であります。
 防衛省では、昨年十二月に、三菱電機の過大請求事案について、会計検査院の検査結果も踏まえ、抜き打ち調査、監査の導入、過大請求会社に対する違約金の引上げ等を柱として再発防止策を策定し、公表しております。再発防止策のうち、抜き打ち調査等の導入や違約金の引上げ等の措置につきましては、関係企業に周知徹底し、本年四月以降に締結する契約から適用することにしております。
 処分につきましては、三菱電機に対し、過払い額約二百四十八億円、延滞金約五十億円、違約金約百九十八億円の合計四百九十五億円を二月十三日に国庫へ納入させております。
 三菱電機等による過大請求事案が発覚したことを重く受け止め、左藤章大臣政務官を委員長とした過大請求事案調査・検討委員会を二月二十七日に設置をしたところであり、引き続き、このような事案を撲滅するため、防衛省全体で取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
○国務大臣(林芳正君) 風間議員の御質問にお答えいたします。
 農林水産省の委託事業についてのお尋ねでありますが、本件については、平成十六年度から二十年度にかけて、一般社団法人地域環境資源センターの前身の社団法人農村環境整備センターに対し、農林水産省から委託を行った調査等の人件費について、実際に支払った以上の人件費を同センターに対して支出していたことが会計検査院の検査により確認されたものであり、極めて遺憾であります。
 平成二十二年度において、農林水産省として人件費算定のルールを明確化したところであり、また、現在、同センターにおいては過大に支払われた額を返還する手続を進めているところであります。
 今後、このような過大な支払が二度と行われることのないよう、人件費算定のルールを周知徹底するとともに、事業の完了検査等のチェックを更に厳格に行うよう徹底してまいります。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
○国務大臣(田村憲久君) 風間議員からは、独立行政法人雇用・能力開発機構の不適正な経理処理についてお尋ねをいただきました。
 御指摘の事案は、旧雇用・能力開発機構が運営していた関西起業・新分野展開支援センターにおきまして、不適正な経理処理による約四百八十六万円の使途不明金が判明したものでございます。
 厚生労働省といたしましては、旧機構及びその業務を承継した高齢・障害・求職者雇用支援機構に対し、調査の徹底、厳正な対応及び再発防止の徹底を指示してまいりました。
 機構においては、使途不明金の返金、関係者の処分を行い、さらに、外部の第三者による調査を実施し、電子承認による振り込みシステムを導入するなど、再発防止策の徹底を行ったところでございます。
 今後、このような事案が二度と生じないよう、機構への監督指導を徹底してまいります。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) 岸宏一君。
   〔岸宏一君登壇、拍手〕
○岸宏一君 自由民主党の岸宏一です。
 ただいま議題となりました平成二十三年度決算について、安倍総理に質問いたします。
 平成二十三年度予算は、成立直前の平成二十三年三月十一日に東日本大震災が発生するという悲劇に見舞われ、その後、四次にわたる補正を経るという、非常事態の中で執行された予算でありました。今回、改めてこの決算資料に目を通すとき、当時のことがありありと脳裏に浮かび、胸が痛む思いがいたします。
 ここで改めて、震災で亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。
 最初の質問といたしまして、総理に、震災復興の現状と今後に向けた決意をお伺いいたしたいと思います。
 さて、二十三年度予算は民主党政権時代に編成されました。大震災対応で大変だったこの御苦労と御努力には敬意を払うものでありますが、震災による補正を除いても、公債金収入が税収を上回ったこと、子ども手当などによる歳出のばらまきに歯止めが掛からなかったことなど、多くの問題を抱えた予算でありました。
 さらに、震災による補正を経て、最終的な決算額としては、新規国債発行額が五十四兆円と戦後最大になり、プライマリーバランスは三十四・四兆円と過去最大の赤字額になりました。公債依存度も五三・七%と、過去最悪の数値となっています。私は、この決算は、民主党マニフェストの破綻、そして民主党政権自体の破綻の端緒となったものだと考えます。
 安倍総理は、平成二十三年度の予算、決算をどのように評価されるでしょうか、御見解をお聞かせください。
 この決算で注目すべき点の一つは、同年度末で国の債務が一千兆円を超えたことです。債務残高は増加の一途をたどっており、将来世代にとって重い負担となっています。
 さらに、将来の話だけではなく、今の話として、国債の暴落や金利の急上昇といった可能性を指摘する意見もありましたが、昨日は長期金利が急上昇しました。不安を感じるという声も聞きます。総理はどのような御見解でしょうか、お聞かせください。
 次に、本決算に関する会計検査院の指摘事項について伺います。
 会計検査院に対し本院が検査を要請した事項として、公共土木施設等における地震・津波対策の実施状況と公共建築物における耐震化対策等についてがありました。検査の結果は、それらに対する対策の遅れが明らかになりました。
 会計検査院の指摘も踏まえて、今後、政府として優先的にそれらの対策を行っていく必要があるのではないかと思いますが、今後の整備方針はいかがでしょうか。
 この件も含め、本決算に対しては、会計検査院による指摘事項が五百十三件あり、指摘金額は過去二番目に多い五千二百九十六億円となっております。
 近年、政府の無駄遣いに対する国民の目が厳しくなるにつれて、会計検査院の指摘金額も増加傾向にあります。さらに、会計的な指摘だけでなく、政策の有効性や効率性に踏み込んだ、政策評価の機能も求められるようになっています。
 こうした時代の要請を踏まえ、会計検査院の一層の機能強化と、総務省の政策評価機能の更なる拡充が必要であると考えますが、米国のように会計検査院を国会に置くなどという、いろいろな意見もあります。
 これらは今後大いに議論すべき課題だと思いますが、総理の御見解はいかがでしょうか。
 さて、本日、二十三年度決算の本会議質疑が行われているわけですが、本来、この質疑は昨年内に行うべきものでありました。
 我々は、民主党政権時代にも繰り返し決算審査の早期議了に向けて日程確保を訴えてまいりましたが、実際には決算審査は遅れる一方でありました。決算審査を予算編成にしっかりと反映できるよう、まずは決算審査の早期化を図る必要があります。
 また、将来的には、各院、とりわけ決算重視をうたっている我が参議院の立場から見ても、決算審査が次の予算編成に対して何らかの拘束力を持つような制度改正も必要だと考えます。
 この点についてどうお考えでおられるか、総理の御見解をお伺いいたします。
 さて、総理、今から六十六年前の今日、昭和二十二年五月二十四日は、第一次吉田内閣が退陣して片山内閣が成立した日だそうです。第一次吉田内閣は三百六十八日という短期政権でありました。しかし、吉田総理はその後再登板し、戦後復興を見事に成し遂げ、その大きな功績は後世に語り継がれてまいりました。
 総理、あなたも再登板されました。就任以来五か月間、長かったデフレの解消、そして日本の再生という大命題に向けて昼夜を分かたずとも言うべき大車輪の仕事ぶりは、多くの国民の理解と共感、そして熱い支持を得ていることでございます。
 どうぞお体には十分御留意をいただいて、国民生活の安定、日本の再生という目標に向かって一層の御奮闘をお願いを申し上げ、もって、我が国が世界の国々から平和国家として尊敬され、かつ、毅然たる有徳な国日本として尊敬される、そのような国柄を国民皆様と力を合わせてつくり上げていかれるよう、総理の強く、賢く、そして温かいリーダーシップに御期待を申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岸宏一議員にお答えをいたします。
 東日本大震災からの復興の現状と今後の決意についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復旧・復興は、内閣の最重要課題の一つです。総理就任以来、毎月被災地を訪問し、被災地の声に耳を傾ける中で、住宅の再建や福島における被災者の帰還の見通しを付けることなど、復興の加速化の重要性を痛感してまいりました。
 このため、住宅再建に関する事業の工程表を明示しつつ、事業実施における課題に一つ一つ対応しており、また、福島の避難区域について、区域の再編を進めるとともに、住民の帰還促進のための事業を創設するなど、政府一丸となって施策を講じてきたところであります。
 現在、被災地においては、例えば高台での宅地造成や土地のかさ上げ工事も徐々に進んでおりますが、今後とも、現場主義を徹底し、三年目となる次の冬は希望を持って迎えていただけるよう、被災地の復興と福島の再生に全力で取り組んでまいります。
 平成二十三年度予算と決算に対する評価についてお尋ねがありました。
 平成二十三年度の当初予算については、当時の民主党マニフェストを実現するため、子ども手当などの施策が盛り込まれており、当時野党であった自民党は反対をしたところであります。
 その後、補正予算において、東日本大震災の復興財源を確保するため、子ども手当と高速道路無料化に係る予算は減額されましたが、復旧・復興等のための歳出も追加されたことから、平成二十三年度決算を全体として見れば、御指摘のような財政規律の観点からは厳しい決算になっているものと考えています。
 債務残高の増加についてお尋ねがありました。
 御指摘のように、日本の財政は極めて厳しい状況にあり、仮に財政の持続可能性への信頼が失われるなどの理由により、国債価格が急速に下落し、金利が高騰するようなことがあれば、経済、財政、国民生活に重大な影響が及ぶものと考えられます。
 政府としては、そのような事態を決して招くことがないよう、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進し、市場の信認を確保してまいります。
 今後、経済財政諮問会議において、財政健全化と経済再生との双方を実現するための道筋について検討を進め、骨太方針において、経済再生の道筋と併せ、各歳出分野の取組など、財政健全化の基本的方向を示してまいります。
 公共土木施設における地震・津波対策などについてのお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、国民の命と暮らしを守るため、公共土木施設等における地震・津波対策や、公共建築物における耐震化対策等に優先的に取り組む必要があると考えております。
 このため、平成二十四年度補正予算や平成二十五年度予算において、既存のインフラの地震・津波対策や建築物の耐震化などに重点化しているところであります。会計検査院の指摘も踏まえながら、これらの予算により必要な対策を着実に進めてまいります。
 会計検査院の機能強化と総務省の政策評価機能の更なる拡充についてお尋ねがありました。
 政府としては、会計検査院の機能の重要性について十分認識しており、検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分発揮できるよう、今後も引き続き配慮していきたいと考えております。
 また、各省が行う政策評価と行政事業レビューの連携強化などを進めるとともに、各省横断的な課題や時代の要請に応じた課題について、総務省が行う政策評価において重点的、計画的に取り組むことにより、政策評価の充実に努めてまいります。
 会計検査院の地位については、高度な立法政策にかかわることであり、慎重な対応が必要と思われますが、今後とも、会計検査院が国会と緊密な連携、連絡、協調を保ち、更に有効に機能することを期待しております。
 決算審査の早期化と予算への反映についてお尋ねがありました。
 国会における決算の審査は、執行をされた予算が所期の目的を果たしているかなどについて審査、審議、検討をいただき、予算へと反映させていくものであり、極めて重要なものと認識しております。
 このため、政府としては、決算書の国会提出について、作業の効率化、迅速化に努め、平成十五年度決算からは原則としてその会計年度の翌年の十一月下旬ごろに提出してきたところです。
 予算については、内閣の責任において編成するものですが、従来より、国会における決算審査等も踏まえて予算編成を行ってきたところであり、引き続き適切に反映していきたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) 魚住裕一郎君。
   〔魚住裕一郎君登壇、拍手〕
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度決算について、安倍総理並びに関係大臣に質問いたします。
 二十三年度の一般会計のプライマリーバランスは三十四・四兆円の赤字、公債依存度は五三・七%と、いずれも過去最悪となりました。その背景に、二十三年三月に東日本大震災が発生した影響もあります。四次にわたって補正予算が組まれ、復旧・復興予算として大規模な追加支出が求められたことはやむを得ません。しかし、菅内閣が編成した二十三年度予算は、既に当初予算からプライマリーバランスが二十二・七兆円の赤字、公債依存度は四七・九%に達していました。大震災という不測の事態がなくとも、大幅な赤字の財政運営であったことは否めません。
 民主党政権下の放漫な財政運営により財政支出が膨らみ、債務残高も急増しました。今後、支出を抑制し、適正な予算規模に戻すためにも歳出削減改革が避けられないと考えますが、総理の御見解をお伺いします。
 また、プライマリーバランスの赤字を二〇一五年度に半減するとの財政健全化目標は、実現が困難との見方もあります。中長期の財政健全化に向け、どのように取り組んでいくのか、総理にお尋ねいたします。
 この点、参議院決算委員会は、決算審査が遅れる中でも、決算審議の実効性を保つために努力してまいりました。昨年八月には、初めて審査の中途段階で措置要求決議を行い、七項目の不適切な事態等を指摘し、内閣に是正改善を促したところです。これらの指摘は、二十五年度予算の編成、執行にどのように反映されたのでしょうか、財務大臣にお尋ねします。
 医療費の不当事項についてお尋ねします。
 この数十年間、医療費に係る国の負担が不当と認められるものが掲記され続けています。その内容は、国民健康保険等による医療費の公的負担について、保険者である市町村等が医療機関に過大に支払っていたと認定されたものであり、毎年度、数億円が指摘されています。平成元年以降の検査報告では、累計六百三十三万件、三百三十九億円にも上り、国の負担額百八十四億円が不当とされています。
 この問題の原因は、医療機関からの不適正な医療費の請求について、レセプト等の審査点検が不十分なため、本来負担する必要のない医療費が支払われていることにあります。医療費請求の審査点検体制が一向に改善されないため、無駄な公的支出が垂れ流されているのです。
 会計検査院から毎年度指摘されている不適正な事態が改善されずに放置されていることについてどのようにお考えか、総理の御認識を伺います。
 そして、医療費の審査点検体制の改善措置が有効に機能していないようにも思われます。今後、抜本的な対策として、例えばレセプトのオンライン請求など、医療費の電子化によって事態打開が望めるのでしょうか、厚生労働大臣にお尋ねいたします。
 また、今回の検査報告では、過年度の類似業務に係る指摘を対岸の火事と考えていたため、無駄な支出が生じていたという事態が指摘されました。
 先ほど取り上げた健康保険制度下の過大請求が発覚した医療機関については、労災保険制度の下でも同様に医療費を過大請求しているのではないかと推測できるはずです。にもかかわらず、厚生労働省の地方厚生局は、省内の労働局と情報を共有していなかったため、労災診療費が過大に支払われていたまま放置していました。
 この指摘は、縦割り行政に対し横串の会計検査が効果的に機能した好事例であり、会計検査院にはこのような検査に力を注いでもらいたく思います。一方で、指摘を受けた厚生労働省は、連携不足のため無駄な支出を見逃していたことになります。本件に関し、どのような処置を講じたのか、今後同様の指摘があったときはどのように対処していくのか、厚生労働大臣にお尋ねします。
 ただいま例に挙げてきた事態は、厚生労働省のみに当てはまる問題ではありません。事態の是正改善には、もちろん指摘を受けた省庁が真摯に受け止め、適切な処置を講ずるのが一番ですが、会計検査院によるフォローアップ検査も非常に重要であると考えます。指摘された事態等が是正改善されたか事後評価する作業は、無駄の根絶につながるからであります。
 会計検査院の指摘事項をフォローアップし、不当事項の是正措置の状況、処置済事項の改善処置の履行状況、意見表示・処置要求事項に対して講じられた処置の状況について、検査の結果を検査報告に掲記する体制が必要であり、そのための法整備が必要と考えます。
 国会としても検査報告に基づいて是正改善の状況をフォローアップすべきであり、そのためには会計検査院のフォローアップ検査に法的裏付けを与えて義務化すべきと考えます。法整備の必要性について、自民党総裁としてのお立場も含めて、総理の御見解を伺います。
 続いて、現下の課題に関し、質問いたします。
 まず、予防接種について伺います。
 予防接種は、国民の生命を守る観点から極めて重要です。しかし、我が国は、他の先進国に比べて公的に接種できるワクチンが少なく、ワクチン後進国と評されてきました。公明党がこのような状況に危機感を覚え、改善を強く働きかけた結果、この度、予防接種法の改正により、子宮頸がん、インフルエンザ菌b型(Hib)、小児用肺炎球菌の三ワクチンが新たに定期予防接種の対象とされました。
 そこで、厚生労働大臣にお尋ねします。
 今後も予防接種法の対象疾病を積極的に追加していくべきであり、例えば、WHOが推奨している水ぼうそう、おたふく風邪、B型肝炎、成人用肺炎球菌等についても定期接種化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、昨今、子宮頸がんワクチン予防接種により副反応が出たとの報道もあります。厚生労働省は、安全性に重大な懸念はない旨、コメントしていますが、これまでに承認されたワクチン接種の有効性とリスクについて、正確な情報の提供と周知を是非お願いしたい。お伺いいたします。
 さらに、万一、健康被害が出た場合の救済策についても御説明ください。
 また、今年に入り風疹と診断された者が急増し、過去の予防接種行政の負の遺産とも言われております。既に予防接種費用の公費負担を始めている自治体もありますが、国としても、個人の判断に任せずに、予防接種が広く行われるようあらゆる手だてを尽くすべきと考えますが、厚生労働大臣の見解を伺いたい。
 次に、女性の人権に関連してお伺いをします。
 まず、先般、女性の人格と人権を踏みにじる野党党首の発言があり、憂慮するとともに、断固抗議するものであります。
 そして、昨今のストーカー事件であります。早急に対処すべきであります。
 我が党は、昨年六月にストーカー規制法等改正検討プロジェクトを立ち上げ、現場の調査も含め、精力的に議論してまいりました。
 電子メールを規制対象に加えるとともに、警告や禁止命令等が警察の判断に全て委ねられている実態を改め、被害者の申出制度を創設することが必要です。また、緊急性が高いケースにおいて速やかに被害者を保護できる新たな仕組みについても早急に検討すべきです。与党内において協議させていただいておりますが、関係省庁並びに被害者団体等を構成メンバーとする検討会を立ち上げるべきと考えますが、総理のお考えを伺います。
 最後に、これから始まる決算審査に臨みまして、一言申し上げます。
 二十三年度決算の審議入りがこれほど大幅に遅れたことは、誠に遺憾です。この三年間、民主党政権下で軽んじられてきた決算の早期審査を取り戻すため、与党の一員として、また参議院の一員として責任を果たすことをお約束して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 魚住裕一郎議員にお答えをいたします。
 今後の歳出削減と財政健全化についてのお尋ねがありました。
 歳出削減に向けた取組については、平成二十五年度予算において、歳出の必要性等について内容を十分に精査することで、四年ぶりに税収が公債金を上回る状態を回復しました。今後とも、無駄の撲滅など、歳出の効率化に不断に取り組んでまいります。
 また、財政健全化目標については、その実現に向け、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を目指し、経済再生と財政健全化の双方の実現を図っていくことが重要です。
 長期的に持続可能な財政の実現を図るため、今後、経済財政諮問会議において検討を進め、骨太方針において、経済再生の道筋と併せ、各歳出分野の取組など、財政健全化の基本的方向を示してまいります。
 医療機関等からの不適正な医療費請求についてのお尋ねがありました。
 診療報酬の適正な請求は、医療保険制度に対する国民の信頼を確保する上で重要であると考えております。これまでもレセプトの電子化による審査の効率化等を図ってきたところでありますが、依然として御指摘のような不適正な請求があることは遺憾です。
 このような事態に厳正に対応するため、保険者や審査支払機関によるレセプトの審査、点検の充実や保険医療機関等に対する指導の徹底を図っているところであり、より一層の保険診療の適正化に努めてまいります。
 会計検査院によるフォローアップ検査等に係る法整備についてのお尋ねがありました。
 会計検査院から指摘を受けた事態を是正改善していくことは大変重要であると考えております。
 会計検査院においては、指摘事項のフォローアップについて自ら積極的に取り組んでいると承知しています。不当事項に係る是正措置の状況等については、現在、検査報告に掲記されていると承知しております。
 議員御指摘のフォローアップ検査や検査報告への掲記に係る法整備については、議員立法として、平成二十一年以来、御党と自由民主党が提出をしてきた経緯は承知しており、政党間において引き続きよく連携して検討すべき課題と認識しております。
 いずれにしても、政府としては、引き続き、より一層の予算執行の適正化等に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 ストーカー規制法についてお尋ねがありました。
 ストーカー規制法について、公明党において御議論をいただいていることは大変有り難いと思います。同法は議員立法により制定された法律であることから、まさに御指摘のようなストーカーをめぐる情勢を踏まえ、被害者の申出制度も含め、国会における御議論を深めていただくことが必要であると考えています。
 政府としても、ストーカー被害者保護のための取組について、様々な観点からの御意見を伺いながら、不断に検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十二年度決算に関する審査措置要求決議の平成二十五年度予算への反映状況についての御質問があっております。
 昨年八月、参議院決算委員会において決議された平成二十二年度決算に関する審査措置要求決議の内容は、いずれも重要な御指摘と考えております。
 政府に対していただいた決議を踏まえ、例えば東日本大震災復旧・復興関係経費につきましては、平成二十五年度予算において、被災自治体の復旧・復興状況や被災地の要望等を踏まえ、必要額と使途を見直すとともに、復興交付金五千九百十八億円や復興加速化・福島再生予備費六千億円の確保など十分な手当てを行ったところでもあります。
 また、エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定の周辺地域準備金につきましては、平成二十五年度予算において六十七億円を取り崩し、資金残高の削減を図るなど、予算の編成や執行に活用いたしているところであります。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
○国務大臣(田村憲久君) 魚住議員からは、三問ほど御質問をいただきました。
 まず、医療費請求の審査点検体制についてのお尋ねでございますが、審査点検体制の充実は、不適正な医療費の請求を防止する観点からも重要なことであることは認識をいたしております。
 このため、審査支払機関においては、レセプトの電子化に伴い、コンピューターチェックが可能となるなど審査の効率化を図ってきたほか、コンピューターチェックの項目の拡充、同一患者のレセプトを複数月にわたり照合する縦覧点検や、医科レセプトと調剤レセプトを患者単位で照合する突合点検、突き合わせ点検の実施などの取組を行ってきたところであります。
 今後、コンピューターチェック項目を更に拡充し、審査の質の向上を図ることとしており、引き続き審査点検体制の充実強化に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、労災診療費の過大請求についてのお尋ねがございました。
 御指摘の事案につきましては、昨年十月、会計検査院長から、都道府県労働局が地方厚生局等の保有する診療報酬返還情報等を活用して、労災診療費の支払を適切かつ効果的に行うよう、改善の処置が求められたものでございます。
 この御指摘を受け、厚生労働省といたしましても、都道府県労働局及び地方厚生局等に対して、指導結果等情報の提供及び活用を指示してきたところであります。今後は、同様の指摘を受けることがないよう努めてまいります。
 なお、会計検査院から御指摘を受けた過大支払額につきましては、鋭意回収の手続を進めております。
 続きまして、予防接種施策について四点ほどお尋ねをいただきました。
 本年三月の予防接種法の改正によってHibワクチンなど三ワクチンを定期接種に位置付けましたが、我が国は依然としてワクチンギャップの状況にあり、この解消のため、御指摘の四ワクチンを定期接種に位置付けることについて検討を行うとともに、予防接種基本計画の策定を着実に推進をしてまいります。
 また、予防接種の副反応については情報収集、評価をしっかり行い、予防接種を受けられる方がワクチンの有効性やリスクを理解した上で接種を判断できるよう、引き続き積極的な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
 予防接種法に基づく接種により、万一健康被害が生じた場合には、法律に基づき、健康被害救済を実施してまいります。
 風疹対策につきましては、先天性風疹症候群に対する予防対策が重要と認識しており、妊娠を希望する女性やその夫などを主な対象とした普及啓発を関係者の協力を得ながら進めてまいります。
 以上でございます。(拍手)
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○議長(平田健二君) 柴田巧君。
   〔柴田巧君登壇、拍手〕
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度決算に関連し、安倍総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 平成二十三年度決算は、民主党政権で予算が編成され、そして執行された結果であります。民主党は、税金の無駄遣いや天下りを根絶することを国民に約束して政権を獲得しましたが、平成二十三年度決算を見ると、約五千二百九十六億円という過去二番目に多い金額が会計検査院から指摘されています。
 事業仕分で歳出抑制を強調した民主党政権ではありましたが、政府関係機関の事業の無駄や不正は依然変わりはありません。このことは、民主党政権の行財政改革の取組の不十分さを示すものであり、改めて民主党政権の失政を厳しく指弾しなければなりません。
 しかし、この平成二十三年度決算で浮かび上がった問題の多くは、長く政権にあった自民党、公明党時代に惹起し、解決できなかった課題であるのも事実です。
 そのうちの一つが独立行政法人をめぐる問題です。
 会計検査院が全独法の保有財産の現況や不要財産の認定状況等について検査したところ、事業用の土地、建物、宿舎等が有効活用されていない事態が判明しました。また、平成二十三年度までに独法が国庫納付したものは約八千六百八十五億円ですが、その大半は政府の指摘によるものであり、各法人が独自に認定した不要財産は約五十七億円にとどまっています。
 そこで、独法には、有効に利用されていない土地、建物及び宿舎に関し、将来にわたり必要がないと認められる場合、速やかに不要財産と認定するなどして処分したり、幅広い資産を対象にした見直しを自主的、積極的に行うことが求められますが、どのように進めていくのか、稲田行政改革担当大臣にお伺いをいたします。
 さて、独法の改革をめぐっては、現在、行政改革推進会議、独立行政法人改革に関する有識者懇談会で議論されていますが、一部報道によると、政府は、民主党政権が決めた独法の統合再編案を取りやめ、独法制度を維持するとのことであります。しかし、天下りの受皿となり、無駄と非効率の温床である独法は廃止、民営化すべきではありませんか。総理の御見解とともに、独法改革の今後のスケジュールをお伺いをいたします。
 次に、特別会計についてお尋ねをします。
 十七ある特会の平成二十三年度決算処理後の積立金の合計は約百六十八兆円となっていますが、かねてから巨額に上るこの積立金が問題視されています。
 平成十八年に会計検査院が参議院に提出した報告書の中で、積立金については、ほとんどの資金でその具体的な基準を定めていない、このため、積立金等の残高が適正な水準であるかどうかを判断できず、財政統制が機能しにくい状況となっていると指摘し、その是正を政府に求めました。
 こうした指摘を踏まえ、当時の尾身財務大臣は、平成十九年常会で特会法案の審議の際、その必要性、必要な水準等を特別会計予算書に添付された積立金明細表で明らかにすると答弁をし、平成十九年度特会予算から、その必要性や根拠が各特会の積立金明細表に記載されるようになったわけであります。
 しかしながら、あの特会改革から六年を経過した現在でも、大半の特会は、積立金明細表は必要な金額を積み立てるとの記載があるのみで、具体的な数字や適正な水準が明示されていないのが実態です。
 そこで、積立金明細表で明らかにするとした特会改革時の財務大臣の約束が果たされていない以上、特会法を改正して、積立金の適正水準を明らかにし、それを上回る金額を一般会計に繰り入れることを義務付ける必要があると考えますが、麻生財務大臣の御見解をお伺いをいたします。
 とにかく、特会改革は待ったなしです。
 安倍内閣においては、民主党政権下で一旦は取りまとめられた特会改革法案を凍結をしましたが、それに代わる改革案を示してはいません。本年二月に、行政改革推進会議の初会合で、特会の事務事業についてなど、三つの視点が示されましたが、これまでさんざん指摘されてきた点ばかりであり、新味がありません。
 そこで、どのような考えに立って特会改革を進めるのか、またいつまでに改革案をまとめるのか、総理にお伺いをいたします。
 次に、政府調達についてお聞きをします。
 政府調達は、縦割り行政の弊害、公務員制度、天下りの問題、予算の単年度主義、使い切り主義、会計制度等、現在の我が国行財政の根源的な問題と複雑にかかわるため、その改革がなかなか進みません。しかし、コピー用紙から庁舎、戦闘機まで、省庁や独法等政府機関が当事者となる契約だけで毎年十兆円を超えており、政府調達の見直しは必至です。
 そのためにも、まず情報通信技術を活用をして国の調達業務を最適化することが必要です。
 調達業務の最適化については、府省共通の電子調達システムの開発が総務省を主体に進められているところです。調達業務がシステム化されれば、企業の利便性が向上するとともに、国の物品、役務等の調達にかかわる内部手続が原則電子化され、行政の簡素効率化が進むことが期待されます。
 そこで、府省共通の電子調達システムの開発による経費削減は政府全体でどれだけできると見込んでいるのか、運用に向けた今後のスケジュールとともに新藤総務大臣にお伺いをいたします。
 さて、我が国の場合、府省それぞれに調達計画はあるものの、調達に関する政府全体の基本方針や統一戦略がなく、結局、各府省それぞれに物品等を購入しているのが現状です。このため、同様の物品購入においても、調達する府省により購入価格が何割も違ったり、あるいは民間企業より割高に購入している事例が生じています。こういう状態を是正するためにも、府省間の情報の共有化や優れた実践例の普及に努めるべきであります。
 そこで、各府省が保有する調達に関する有用な情報や調達改善のノウハウ等の共有化、標準化を図り、その有効活用を行うことにより政府調達のコスト改善を目指すべきでありますが、今後の取組を行政改革担当大臣にお伺いをいたします。
 最後に、公務員制度改革についてお聞きをします。
 第一次安倍政権では、総理の言葉を借りるならば、あの渡辺喜美を思い切って行政改革担当大臣に任命するなど、国家公務員制度改革を進めようとする強い意思が感じられました。しかし、現政権では、ここ数年の取組の検討、検証の連続で、公務員制度改革を断行しようとする本気度が伝わってきません。
 私たちみんなの党は、当時野党であった自民党と、平成二十二年の第百七十六国会に幹部国家公務員法案を共同で提出をいたしました。この法案は、幹部公務員人事の一元化や幹部職の公募制の導入等を規定したもので、まさに国家公務員制度改革の一丁目一番地でありました。
 ところが、安倍内閣が発足して五か月たちましたが、この幹部国家公務員法案はいまだに閣法として提出をされません。まさか野党としての気楽さから法案を提出したわけではないと思いますが、自民党が政権に就いた今、すぐにでも実行に移すべきであります。
 そこで、自民党が野党時代に我が党と共同で提出した幹部国家公務員法案を今度は閣法として一日も早く今国会に提出すべきでありますが、どこに具体的な問題があって遅れているのか、総理にお伺いをいたします。
 ところで、国家公務員制度改革基本法によれば、公務員制度改革を総合的かつ集中的に推進する改革推進本部の設置期限は本年七月十日までとなっていますが、同基本法に基づく関連法案等は成立をしていません。しかし、期限が来れば本部がなくなり、改革を進めていくことは不可能であります。このため、改革推進本部の期限を延長してでも改革は断固やり抜くべきであり、政府は期限を延長する法案を出すべきであります。もし政府が期限延長法案を提出しないのなら、私たちみんなの党が法案を国会に提出する用意があることを申し上げておきます。
 そこで、国家公務員制度改革を断行するため、改革推進本部の期限を延長する法案を提出すべきでありますが、総理の御見解をお伺いをして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柴田巧議員にお答えをいたします。
 独立行政法人の廃止、民営化と今後のスケジュールについてお尋ねがありました。
 独立行政法人改革については、行政改革推進会議の重点分野の一つとして、これまでの取組を総括、点検し、現在検討を進めているところであります。改革に当たっては、制度本来の趣旨にのっとって見直しを行うことが必要であると考えております。
 個別法人の組織見直しについては、民でできることは民でという基本的な考え方の下、各法人の事務事業の性格や実態を踏まえ、検証を行っていくこととしております。早期に改革の方向性を取りまとめられるよう検討を進めてまいります。
 特別会計改革についてのお尋ねがありました。
 特別会計改革については、第一次安倍内閣において、平成十九年に制定した特別会計法などに基づき、会計の統廃合などの改革、剰余金などの活用、歳出の見直しが着実に進展しており、第二次安倍内閣においても、引き続き検討し、改革に取り組んでいく考えであります。
 現在、行政改革推進会議において、前政権時代の検討経緯も踏まえつつ、国の財政の一層の効率化、透明化といった観点から議論を進めており、今後、与党とも連携しつつ、できる限り速やかに改革を実施できるよう取り組んでまいります。
 国家公務員制度改革についてのお尋ねがありました。
 国家公務員制度改革については、これまでの経緯の総括、検証を進めてきたところですが、今後は、稲田大臣の下で、平成二十一年に政府が提出した法案について、この五年間の日本を取り巻く状況や環境の変化も踏まえながら精査を行うこととし、おおむね一か月後に国家公務員制度改革推進本部において改革の全体像を決定することを目指します。
 また、国家公務員制度改革推進本部については、本年七月に設置期限を迎えますが、設置期限後も政府は国家公務員制度改革基本法に基づき改革を行う責務を有しており、責任を持って総合的かつ速やかに取り組んでまいります。推進本部についての設置期限を延長する必要はないと考えておりますが、今後の推進体制については早急に明らかにしたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 特別会計の積立金についての御質問があっております。
 特別会計の積立金の必要性やその水準の考え方などにつきましては、御指摘の積立金明細表への記載を含めまして、できる限り適切な情報開示に努めているところであります。
 ただし、特別会計の積立金の中には、急激な景気の悪化や大規模災害による多額の支払に備えるためのものなど、どの程度の水準が適正かというのを定量的に示すことにはなじまないものがあります。
 また、例えば、労使から納めていただいております保険料を積み立てている積立金、これも一般会計に組み入れて、本来の目的以外の財源として活用するというのは適当ではないというものもあります。
 こうしたことから、現在検討を進めております特別会計改革におきまして、議員御指摘のような制度そのものの改正を行うということは考えておりません。(拍手)
   〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
○国務大臣(稲田朋美君) 独立行政法人の不要財産の見直しについてのお尋ねがありました。
 不要財産については、独立行政法人通則法により、法人自ら処分することを義務付けており、また、各法人の中期目標期間終了時の組織、業務全般の見直しにおいて、所管府省や総務省に置かれた評価委員会が不要財産についても点検を行う仕組みとなっています。
 これに加え、独立行政法人の保有する不要な土地、建物や職員宿舎については、これまでの閣議決定等を踏まえ、国庫納付の取組を進めてきたところです。今後も、財政への貢献等の観点から、引き続き各法人において適切に財産の国庫納付が行われるよう、各法人、各所管大臣が取り組むべきものと考えます。
 なお、独立行政法人改革については、行政改革推進会議の重点分野の一つとして、無駄の排除や業務運営の適正化が必ずしも自律的に行われてこなかった点を是正する観点も含め、これまでの取組の総括、点検を進めているところであり、改革の集大成となる方針を取りまとめてまいります。
 また、調達改善の取組についてお尋ねがありました。
 調達改善については、政策の遂行に必要な財・サービスの調達を費用対効果において優れたものとするものであり、無駄撲滅の取組において重要な分野と認識をしています。
 この調達改善の取組を推進していくためには、御指摘のとおり、各府省が有する調達改善のノウハウ等を共有し、政府全体として有効に活用することが重要です。このため、本年四月に行政改革推進本部で「調達改善の取組の推進について」を決定し、今後、行政改革推進会議において各府省の調達改善計画に基づく取組状況を年二回点検し、各府省の創意工夫による調達改善のノウハウ等を抽出して、政府全体として共有化、標準化を図ることといたしております。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
○国務大臣(新藤義孝君) 柴田巧議員から、府省共通の電子調達システム導入による経費削減効果と今後のスケジュールについてのお尋ねがございました。
 全府省庁等において本システムの導入が完了することにより、政府全体で年間約七億円の経費削減と計算しております。
 また、本システムは、今後平成二十五年度末から本格運用を開始し、各府省等は平成二十七年度末までに順次導入をする計画でございます。(拍手)
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○議長(平田健二君) 谷亮子君。
   〔谷亮子君登壇、拍手〕
○谷亮子君 生活の党、谷亮子です。
 ただいま麻生財務大臣より報告がございました平成二十三年度決算につきまして、生活の党を代表いたしまして質問申し上げます。
 先日の五月二十日に、アメリカのオクラホマシティーの近郊ムーアで巨大竜巻が発生し、地域住民の方々に甚大な被害をもたらしました。毎年竜巻の多発する地域ですので、竜巻に対する備えはあったと思いますが、竜巻最大クラスのEF5に相当する竜巻で被害が想像を超え、今も現地は大変な状況であります。心よりお見舞いを申し上げます。
 自然災害は予想が付きにくく、その脅威は計り知れません。自然災害に対する備えはこの日本でもしっかりやっておく必要があると思います。
 その観点から国の予算の公共事業関係費を見ますと、平成二十一年度予算は七兆七百一億円から平成二十二年度、平成二十三年度と減少し、平成二十四年度予算も復興特別会計予算を除くと四兆五千七百三十四億円と減少し続けております。平成二十五年度予算においては、やっと五兆二千八百五十三億円と一五・六%の回復を見せていますが、いつ起こるか分からない自然災害から身を守り、安心、安全に生活していくためのインフラの整備は必要不可欠のことだと思っております。
 そして、この度、安倍晋三総理大臣を本部長とする国土強靱化推進本部を設置され、五月二十日に防災・減災等に資する国土強靱化基本法案を衆議院に提出されました。
 政府が国民の迅速な避難や人命救助のための体制を確保し、いつ起こるか分からない災害に対し対応されることは、国民の皆様が望んでおられることと思いますし、私も大変歓迎いたしております。が、総額二百兆円もの国費を投入されるのであれば、どのような社会資本整備を行おうとしておられるのか、また、国土強靱化策の基本計画についてどのように取り組んでいかれるのか、安倍総理にお聞かせいただきたいと思います。
 次に、科学技術決算についてお伺いいたします。
 この夏には、国産新型ロケットのイプシロンロケット試験機が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げの予定になっております。こうした国産技術の革新や発展が、国の科学技術政策によって総合的かつ計画的に進められております。
 平成七年に制定されました科学技術基本法に基づき、政府が五年ごとに策定する基本計画は既に四期目を迎えておりますが、平成二十三年度における予算額は四兆六千九百五十九億円となっております。平成二十五年度の政府全体の科学技術関係の当初予算は約三兆五千七百五十二億円となっており、予算額の増額が求められているところです。
 個別の施策について見ましても、宇宙開発予算総額は、各省庁の予算を合わせても三千三百九十億円と、十分とは言えないのが現状です。我が国の宇宙開発技術は世界的にも高水準であり、宇宙ビジネスへの大きな期待を抱かせるものであると思われます。下村文部科学大臣は、今後、我が国の宇宙空間開発等につきましてどのような御所見、御期待を掛けておられますでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
 そうした中、安倍総理も五月十七日の講演で、医療、食文化、宇宙など、日本が生み出した優れたシステム、技術を世界に展開し、現在十兆円のセールスを二〇二〇年までに三十兆円に拡大し、世界の技術、人材、資金を日本の成長に取り組むため、投資しやすい環境づくりを行うと表明されております。
 平成二十四年には、京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞に関する研究においてノーベル生理学・医学賞を受賞されるなどして、我が国の科学技術力というものを広く世界が知ることになりました。我が国には科学技術イノベーションがあるから経済成長ができるのだと思います。多岐にわたる経済成長の要と言える科学技術を保護、育成、成長、イノベーションへと導き、日本の経済成長を図ることによって日本の未来の展望が開くものと考えられます。
 科学技術イノベーションについて根本的な対策も必要と思われますが、今後どうあるべきか、また、短期的視野から基幹技術強化のイノベーションについてどのように取り組んでいかれるのか、山本一太科学技術政策担当大臣に未来ある御所見をお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 谷亮子議員にお答えをいたします。
 社会資本整備及び国土強靱化についてお尋ねがありました。
 社会資本整備については、今後、老朽化対策や防災・減災対策といった国民の命を守る事業などに重点化した上で、真に必要な社会資本の整備を着実に進めてまいります。
 国土強靱化については、我が国が直面するリスクに対する脆弱性の評価を行い、重点化、優先順位付けを行った上で、ハード事業のみならず、ソフト施策や民間資金も積極的に活用して、必要な取組を計画的に進めてまいります。
 なお、総額二百兆円の国費の投入を決定した事実はありません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 谷亮子議員から、今後の我が国の宇宙空間開発等についての御質問がございました。
 我が国の高い宇宙開発技術の例といたしまして、基幹ロケットの打ち上げが十九機連続で成功しており、世界トップクラスの成功率が九六%を達成したこと、世界で初めて月以外の天体からの試料回収に「はやぶさ」が成功したことなど、我が国の宇宙開発技術は世界においても高水準となっております。
 また、このような高度な技術基盤を背景に、官民を挙げた宇宙インフラの海外展開に努めたところでございまして、平成二十三年には国内メーカーがトルコ通信衛星二機を受注するなど、宇宙ビジネスにおいても成果が出てきているところでございます。
 文部科学省としましては、本年一月に策定された宇宙基本計画を踏まえ、研究開発により宇宙のフロンティアを開くとともに、宇宙利用の基盤となる技術の強化や人材育成に取り組みます。これにより、自律性のある持続的な宇宙開発の基盤の強化や新たな可能性を育み、その成果を産業につなげるとともに、安全保障を含め、活力ある未来に向けた明日への投資として宇宙開発利用を促進してまいります。(拍手)
   〔国務大臣山本一太君登壇、拍手〕
○国務大臣(山本一太君) 谷亮子議員から、科学技術イノベーション政策の今後の在り方についてのお尋ねがありました。
 科学技術イノベーションは、日本経済再生の原動力であり、成長による富の創出を実現するための重要な柱であります。こうした認識の下、科学技術イノベーションを具体的にどのような経済社会の実現につなげていくのかという、言わば出口志向の問題解決型政策運営を行うべきであると考えております。
 また、科学技術イノベーションの芽をつくり、育て、事業化する、これも大変重要と考えておりまして、これに適した環境の創出も必要です。議員御指摘の基幹技術についても、イノベーションを生み出す基盤であり、計画的、効果的な整備に取り組んでいく必要があると考えております。
 加えて、これらの政策を強力に推進していくためには、総合科学技術会議の司令塔機能強化も重要であると考えております。
 こうした考え方の下、現在、総合科学技術会議において、科学技術イノベーション政策の包括的パッケージである科学技術イノベーション総合戦略の策定に取り組んでおります。この内容が成長戦略にも盛り込まれるように早急に取りまとめるとともに、総合科学技術会議がしっかりと司令塔機能を発揮しながら、政府全体で本総合戦略を実行し、日本経済の成長に貢献していきたいと考えています。
 谷議員の問題意識も踏まえて、一生懸命取り組ませていただきます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、二〇一一年度決算について質問いたします。
 二〇一一年は、三月十一日の東日本大震災と東京電力福島第一原発によって多大な犠牲者と被災者、そして避難者を生み、一刻も早い復興を成し遂げることが国民的課題でした。しかし、被災地では、生活や営業の再建のめどが立っていない地域が数多く残され、一方、復興予算が被災地復興とは無縁なところに使われていたことが明らかになり、国民の批判が広がりました。
 さきの参議院本会議では、二〇一〇年度決算に対する警告決議が全会一致でなされ、復旧・復興関係経費の一部が被災とは直接関係のない事務事業等に支出されていたことを指摘し、看過できないと内閣に対して警告、その是正措置を求めました。
 しかし、この流用を可能としたのが、二〇一一年六月、自民、民主、公明三党によって修正された復興基本法でした。復興の定義を拡大し、目的に日本の再生を加えるなど対象を広げ、直接関係なくても復興予算を使える余地を生み、各省庁が復興とは無縁な予算を滑り込ませました。このような修正を推進した自公民三党の責任は重大であり、この点での総理の答弁を求めます。
 復興予算の流用を厳しく正すことはもちろんですが、この基本理念の中心に、被災地の生活となりわいの再建が土台であることを改めて据え直すことが不可欠であると思います。総理の見解を明らかにしていただきたい。
 復興予算の流用がなされる一方、被災地では、今のような対策ではまともな復興ができないとの声があふれています。
 一つは、住まいの問題です。決算委員会で、私は福島県の帰還困難区域の住宅の賠償問題を取り上げ、総理は実態に沿った賠償を検討してまいりたいと答弁されました。
 どの被災地でも、住まいの問題は切実です。被災者は一日も早く仮設から出て自分の家に住みたいと願っており、生活再建支援法による支援額の増額は切実です。地方自治体が上乗せの対策を重ねている中で、せめて国は三百万円の枠を五百万円へと引き上げるとともに、対象を大幅に拡充すべきです。また、必要な災害公営住宅を建設することが急務となっています。この願いにこたえる総理の答弁を求めます。
 二つ目に、深刻な被災者の医療、介護問題です。
 医療、介護の窓口減免の国の十割負担が昨年九月をもって打ち切られました。仙台市の被災者を訪ねたとき、僅かな年金しかない中で、薬代などがかさみ、病院に行けないと不安が出されました。命にかかわる問題です。助かった命を大切に考えるならば、国の全額負担による減免制度を復活させるべきです。総理の答弁を求めます。
 三つ目に、事業再建の問題です。
 中小企業グループ補助金は被災地では歓迎されていますが、グループを組めない小零細事業者が置き去りにされています。小零細事業者、農漁業者などの新たな直接助成制度の創設を求めます。総理、明確な答弁を求めます。
 原発事故による放射能汚染、とりわけ影響を受けやすい子供の健康問題が心配です。
 福島では十八歳以下の医療費の無料化が始まっていますが、国の制度として無料にすることを求めています。この点では、超党派の議員立法である原発事故子ども・被災者支援法の国による一刻も早い基本方針の策定が必要です。総理、いつ基本方針を策定するのか、明らかにしていただきたい。
 最後に、総理、あなたのTPP交渉参加への表明がどれほど多くの人々に失望を与えているか、とりわけ懸命に立ち上がろうとしている被災者の人々に冷水を浴びせることになるのか、真剣に考えたことがあるのでしょうか。守るべきは守ると言いながら、国民の食料の安全を含め、大事なことを守れる何の保証もないことが明らかになりました。日本と国民にとって百害あって一利なしのTPPは即刻撤退すべきです。
 このことを強く申し上げ、総理の見解を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 紙智子議員にお答えをいたします。
 復興予算の流用と復興の基本理念の在り方についてお尋ねがありました。
 復興関連予算については、御指摘された批判やこれまでの国会等での御議論を真摯に受け止め、被災地域の復旧・復興に直接資する施策のみを復興特別会計に計上することを基本としています。現在、被災地向け予算は全て復興庁に一括計上することとし、執行段階でも復興庁において内容を確認した上で予算配分を行うこととしています。また、被災者の生活となりわいを再建することは復旧・復興の目的そのものであり、今後とも、常に施策の点検を怠らず、大震災からの復興、福島再生の促進に全力を挙げて取り組んでまいります。
 被災者生活再建支援制度の拡充と災害公営住宅の建設についてお尋ねがありました。
 住宅や生活の再建については、被災者生活再建支援金による支援を講じています。この制度の拡充については、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して慎重に検討すべきものと考えます。災害公営住宅の建設については、自治体が被災者の要望を踏まえ進めているものと理解しており、政府としては、災害公営住宅の工程表を公表した上で、その実現及び加速化を全力で支援しているところです。
 医療、介護の減免措置についてお尋ねがありました。
 東京電力福島第一原発事故に伴う国による避難指示等が行われていない特定被災区域における国民健康保険、介護保険等の窓口負担及び保険料の減免措置については、昨年九月まで国による全額の財政支援措置を講じていました。これは、前年所得に基づく窓口負担等について被災による所得の減少を反映したものとなる時期まで講じていたものであります。ただし、平成二十四年十月以降も、制度上、保険者の判断による減免措置が可能であり、財政負担が著しい場合には減免額の十分の八以内を国が支援する措置を講じております。
 中小企業グループ補助金と農漁業者の再建についてお尋ねがありました。
 中小企業グループ補助金は、東日本大震災による被害が我が国の歴史上、類を見ないほど広範囲かつ甚大であり、グループを形成し、力を合わせて復興を図ることが必要であったこと等に鑑み、極めて特別なケースとして創設したものであります。このため、採択に当たっては、グループとして具体的な共同事業を行い、地域経済や雇用に貢献することを採択要件としております。新たにグループを組むのが難しい事業者については、既に採択されたグループに構成員として加わることも可能としております。
 また、被災地の農業者や漁業者の経営再建のため、東日本大震災生産対策交付金や水産業共同利用施設復旧整備事業等により必要な支援を行っているところです。五月二十一日に設置した農林水産業・地域の活力創造本部では、被災地のニーズ等を踏まえ、更に必要な政策についても検討を進めてまいります。
 引き続き、これらの制度を活用して、被災事業者の復旧を加速してまいりたいと考えています。
 子ども・被災者支援法の基本方針についてのお尋ねがありました。
 子ども・被災者支援法の基本方針については、専門的、科学的、技術的な検討が行われているところですが、できるだけ早く策定できるよう努めてまいります。
 なお、放射線による健康への影響に関する施策といった個々の施策についても、政府全体で検討し、具体化してまいります。
 TPPについてお尋ねがありました。
 TPPは、我が国経済に全体としてはプラスの効果をもたらすと見込んでおりますが、一方で、東日本大震災からの復興への配慮は欠けません。被災地において今を懸命に生きる人たちに、復興を加速することでこたえてまいります。解決すべき課題は地域ごとに異なりますが、現場主義を徹底し、課題を具体的に整理して、一つ一つ解決してまいります。
 食の安全、安心の基準を守るなど、J―ファイルで掲げた聖域なき関税撤廃以外の五項目については、交渉の中で必ず守らなければならないものとして念頭に入れておくべきものであり、交渉の中において実現をしなければなりません。
 TPP交渉においては、被災地で復興に取り組んでいる人たちの不安や懸念をしっかり心に刻んで、国益にかなう最善の結果を追求してまいります。(拍手)
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第二 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長武内則男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔武内則男君登壇、拍手〕
○武内則男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、医療保険制度の安定的運営を図るため、平成二十五年度及び平成二十六年度について、平成二十二年度から平成二十四年度までと同様に、協会けんぽに対する国庫補助率を一六・四%とするとともに、被用者保険等の保険者が負担する後期高齢者支援金の額について、その三分の一を標準報酬総額に応じたものとする等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院において、施行期日を公布の日に改める修正が行われております。
 委員会におきましては、今後の医療保険制度改革の見通し、平成二十七年度以降の協会けんぽに対する財政支援策、高齢者医療制度に係る支援金等の費用負担の在り方、健康保険と労災保険の適用関係等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して田村智子委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数            二百  
  賛成            百九十一  
  反対               九  
 よって、本案は可決されました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第三 気象業務法及び国土交通省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長石井準一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔石井準一君登壇、拍手〕
○石井準一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国民の安全の確保を図るため、気象庁が、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に特別警報を行うこととするとともに、気象観測、予報等を行う体制強化に資するよう、海洋気象台を管区気象台等に統合する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、特別警報の発表基準の策定手順、気象庁が発出する警報等と市町村長による避難指示等との関係、地方公共団体の防災にかかわる職員の能力向上に係る気象庁の支援等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数            二百  
  賛成              二百  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第四 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長松あきら君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔松あきら君登壇、拍手〕
○松あきら君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方公共団体が共同して運営する組織として、住民基本台帳法、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による事務並びにその他の地方公共団体の情報システムに関する事務を地方公共団体に代わって行うこと等を目的とする地方公共団体情報システム機構を設立することとし、その組織、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、システム機構を地方共同法人にする理由、システム機構のガバナンスと運営財源、システム機構における人材登用・活用についての考え方、番号制度に係るシステムにおけるサイバーセキュリティー対策等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、生活の党を代表して主濱了委員より反対、みどりの風を代表して亀井亜紀子委員より賛成、日本共産党を代表して山下芳生委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十九  
  賛成            百七十七  
  反対             二十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第五 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長中谷智司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔中谷智司君登壇、拍手〕
○中谷智司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、平成三十二年度までの間における森林の間伐等の実施を促進するため、市町村が新たに同年度までの間における特定間伐等促進計画を作成することができるようにするとともに、都道府県知事による特定増殖事業計画の認定について定め、当該認定を受けた者に対する林業・木材産業改善資金の償還期間等に関する特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、森林吸収源対策において現行法が果たしてきた役割の評価、造林用苗木生産の在り方、国産材の需要拡大策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百九十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第六 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案
 日程第七 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 日程第八 内閣法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長相原久美子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔相原久美子君登壇、拍手〕
○相原久美子君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案は、行政機関等の行政事務を処理する者が、個人番号及び法人番号の有する特定の個人及び法人等を識別する機能を活用し、並びに当該機能によって異なる分野に属する情報を照合し、同一の者に係るものであるかどうかを確認することができる情報システムを運用して、効率的な情報の管理及び利用等ができるようにするとともに、行政運営の効率化等を図り、かつ、申請等の手続の簡素化による負担の軽減等、国民が利便性の向上を得られるようにするために必要な事項を定めようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、目的規定及び基本理念への行政運営の効率化等を図ること等の明記、特定個人情報を提供することができる場合の追加等の修正が行われております。
 次に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の規定の整備等を行おうとするものであります。
 次に、内閣法等の一部を改正する法律案は、内閣官房における情報通信技術の活用に関する総合調整機能を強化するため、内閣官房に特別職の国家公務員として内閣情報通信政策監を置くとともに、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の本部員に加える等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、内閣情報通信政策監に対する事務の委任主体を高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長とすること等の修正が行われております。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、安倍内閣総理大臣の出席を求めるとともに、甘利国務大臣、山本国務大臣及び修正案提出者等に対して質疑を行いました。
 委員会における主な質疑の内容は、番号制度の意義、特定個人情報の保護、災害時における個人番号の活用、内閣情報通信政策監の権限等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、順次採決を行った結果、三法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案及び内閣法等の一部を改正する法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百七十六  
  反対             二十二  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(平田健二君) 日程第九 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第一〇 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長北川イッセイ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔北川イッセイ君登壇、拍手〕
○北川イッセイ君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存施策を推進するため、希少野生動植物種の個体等の譲渡し等に関する罰則を強化するとともに、希少野生動植物種の個体等の販売又は頒布をする目的での広告の禁止、国際希少野生動植物種の個体等の登録に関する事務手続の改善等、所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案は、特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための施策を強化するため、特定外来生物が交雑することにより生じた生物を規制の対象に追加するとともに、特定外来生物が付着し又は混入しているおそれがある輸入品の検査等、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、国内希少種について二〇二〇年までに三百種を追加指定すること等の確認、環境省のレッドリスト掲載種と国内希少種との関係、国内希少種等の選定に係る調査等を行うための専門家による常設の科学委員会を設置する必要性、特定外来生物との交雑種による被害の実態及び今後の対応方針、国内由来の外来種による被害の事例及び対策の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局いたしましたところ、まず、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会の西村理事より、附則の検討条項に、検討を加える対象として、国内希少野生動植物種の選定等の制度の在り方を追加することを内容とする修正案が、次いで、みどりの風の舟山委員より、国内希少野生動植物種等の指定等に関し、科学的知見に基づいて調査等を行う常設の委員会を新たに設置すること等を内容とする修正案が、それぞれ提出されました。
 なお、舟山委員提出の修正案は予算を伴うものでありますので、内閣の意見を聴取いたしましたところ、石原環境大臣より政府としては反対である旨の発言がありました。
 順次採決の結果、舟山委員提出の修正案は賛成少数をもって否決され、西村理事提出の修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 次に、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 まず、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百九十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(平田健二君) 次に、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百九十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(平田健二君) 日程第一一 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長増子輝彦君。
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   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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   〔増子輝彦君登壇、拍手〕
○増子輝彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、電力需給の早期安定化の観点から、工場等における電力ピーク対策を円滑化する措置を講ずるとともに、エネルギーの使用の合理化を一層推進するため、建築物における熱の損失を防止するための建築材料等について性能の向上に関する措置、いわゆるトップランナー制度を導入するほか、エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法を法の定める期限の到来に伴い廃止しようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、同臨時措置法の廃止に関する施行期日を平成二十五年三月三十一日から公布の日に改めること等を内容とする修正が行われております。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、これまで省エネ法が果たしてきた役割と今後の方針、事業者が行う電力ピーク対策への支援の在り方、トップランナー制度の更なる充実に向けた政府の取組、国際展開を視野に入れた省エネルギー政策の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百九十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(平田健二君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十四分散会