COSMOS ; そこから変わったかもしれない、そのぐらいの映画でしたね。
ちょっとでも空き時間があると、たいてい映画館の椅子に座っているというおふたり。かなり、通なオハナシになりそうな予感。。。
kibana(以下 k) ; それでは、花水木さんをお迎えして、映画のお話などを。。。
COSMOS(以下 C) ; ようこそ、お忙しい中、ありがとうございました
花水木(以下 花 ) ; はい、ありがとうございます
C ; (花水木さんは)いつごろから映画を観はじめられました?
花; はい、さかのぼってみると、子供のころで記憶に残っているのは「メリーポピンズ」とかー
もっと昔、たぶん親に連れられてかなって思ったけど、あの当時ね、そんなに親子で映画に行くことってなかっただろうから。
あの白黒の「二十四の瞳」とか観た気はするし。で、ああ、学校で連れてってくれたのかーって
C ; 映画館にね
花; たしか、小学校でした、あとはやっぱり、あれ「サウンドオブミュージック」小学校、高学年くらいかな
C ; しっかり年がわかりますね〜
花; わたしーリバイバルだったかもー(笑)
C ; 私は「サウンド〜」は高校のときでしたね。
花; お友達がすぐレコードを買っちゃって。。レコードです!貸してもらって聴いて。
だからあのジャケットはなつかしくて。今は自分でも買って持ってます。それかな、記憶に残っているのは。
で、あとすごく見るようになったのは、やっぱり大学のあとくらい?でも、今の方が見ます。
C ; 今すごくみるようになったきっかけは?
花; うーん、なんだろう、たまたま周りに映画が好きな人がいたことかな。
でも、誰かと一緒に行くよりは一人で行く方ががいいなって、基本的には思っているんですけど。
でも、ただお茶飲みするよりは、手ごろな所で、映画行こうかーって、そういうのが始まりかなー
ちょっとこう子育ても一段落して。。だから80年代のとかは全然観てないの。
90年代前半からじゃないかな、
C ; この10年くらい?
花; 10年くらい、そうですね。
C ; 私もそうかなー
k ; あのぉ、私は映画を見ないので、お忙しいお二人が、行き帰りも含めたら3時間以上?
その時間をよくもったいなくないのかなって、すごくフシギなんですけど。。。
花; もったいないーって思ったことは一度もない
C ; 私も一度もない、もったいないと思ったらしません!
花; 失敗したって思うこともあんまりないかな、いやだったなーとかこれヘンとかね、そういうのはあるけど
とりあえず、最後までみて。。
C ; 時間が無駄だったと思ったことはほとんどないねー
C ; 映画の強烈な印象って言えば、
若い頃、学校でーキリスト教の学校だったから、
年に二回くらい、「十戒」とか「エルシド」とか、キリスト教のお話の映画をみたのね。
「サウンドオブミュージック」は学校でやっぱり観に行って。
それとね、「奇跡のひと」あれも学校で観に行って、大泣きしたの。もう声出すくらい泣いたら、周りの友達がびっくりしてね。
私はそんな風に泣く人には全然思われてなくって、感情を出さない、大人しい、よくいえば落ち着いているけど、
悪く言えばつまんない人で、感情の起伏があるように見えてなかったのね。で、映画で大泣きしたらみんながびっくりして。
C ; その頃は泣くのをガマンして、無意識のうちにためてて。
でも、あれはもう、泣かずにいられなくて泣いちゃって。
わたし、卒業式でも大泣きしてびっくりされたのね。当時はそういう人だったんですよ、ほとんど泣かない。
k; へえー。
C ;
私はね実はね映画にコンプレックスがありまして。
結婚する前の年くらいに、ちょっとだけつきあってた人が、映画評とかも書いちゃってる人だったの。
k; ほお。
C ; で、しょっちゅうマニアな映画評書くような人で。ちょっとマニアな人だったのね。
で、しょっちゅう招待券をくれて、それで私には珍しく映画をばたばたっと見に行くことがあって。
で、だんなと知り合って、ちょっと映画を見てるみたいな話を、うっかりしちゃったのね。
そしたら、だんなは映画に、とってもうるさいひとでージャズと映画にはうるさいのー
「じゃあ、あれは?」とか言われて全然観てなくて(笑)すっかりそれでばかにされて(笑)
「ああ、じゃ、観てるって言うのはーなんていわれたんだっけな、くやしいーとか思ったんだけどな、
「あ、そういう意味ね観てるって」とか、そういう感じで言われてー
花; 話題になってるのはみてる、とかね、
C ; そうそう、なんか映画を知ってるとかいうから、どんなすごいやつかとおもったら、あっそう、とか言われて(笑)
花; 単館上映はみなくちゃいけない、みたいなー
C ; 最初はそんな感じだったかな。だから、うちは夫婦でね、子育て中は、あれ、みてよかったよ、って言って、
だんなが子供を、赤ん坊の時ね、みててくれて観に行っといでーっていうような、そういうのはいくつかありますね。
うちの夫婦でね、これはもう。この映画を見なかったら今の私たちはないっていうぐらいの映画があってね、
それが「クレイマークレイマー」
花; ああ。。
k; へえ〜〜
C; とにかくあの頃、上の子ががまだ赤ちゃんで、私は家事も育児もきらいなのに、なんで私が一日中、
子守をしてなくちゃならないの、っていつも言っててね。で、うちのだんなは、家のこともちゃんとするし、ご主人のこともたててー
という家庭にお育ちになったモンですから、私の言ってる意味がわかんなかったらしいのね。
だって普通の人はみんなしてるじゃないーみたいな。。。
花; ああ、うん
C ; :それが、「クレイマークレイマー」を観て、あ、どっちが先に観たんだっけなー私かな。
で、だんなが、観終わってから、30分とか言ってたけど、30分はおおげさだけど、5分か10分席を立てなかったんだって、ショックで。
あれは、夫婦が離婚して、奥さんがだんなさんの方に子供を置いて行っちゃうのね、で、その裁判の話なんだけど、
あの時初めて、うちの嫁さんはこうやって子供置いて出て行くかもしれない、って。。。
花; 危機感を。。
C ; 育児は、当然、母親の分野で、そりゃ自分ももちろん手伝うけど、根本的には母親のものだって思ってたけど、
ひょっとしたら、うちの嫁さんは、離婚ちゅうことになったら、子供を置いていくかもしれない、そこで初めて、
そうか育児って、たしかに子供はは自分の子供だし、もしかしたらこういう状況になることもあるかもしれないことなんだって思って、
ってそこではじめて、私が毎晩のように泣いていたことがわかった、そこから変わったかもしれない、そのぐらいの映画でしたね。
花; そうですね。
C ; そこから、ただ手伝うじゃないくて、全部引き受けることになるかもしれない、って思って関わるようになった。
k; まこっちさんの対談の続きみたいですね〜
C ; そうかもしれない
k; ある時から。。。
C ; そう、そのきっかけはすごく大きい
映画のチカラ恐るべし。COSMOS家の事情から、今度は花水木さんの方へと話題は転じます。
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