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 月に一回、カミさんが通帳のチェックをする。先日、11月の分を行なったのだが、身に覚えがない支出があった。カード会社のS社の名義で、2200円が支出されていた。

 カミさんは、私がネット通販で何かを買って、支払った金だろうと言った。思い当る物は無かったが、忘れているかも知れないから、一応調べてみた。領収書をはもとより、その時分の日記、ブログ、メールなどを調べた。そういうもので思い出せたケースが、過去にはあった。しかし今回は、何処を調べても、心当たりは無かった。

 通帳と睨めっこをしていたら、ある事に気が付いた。支払金額の欄に「自払」と記されていたのである。何かを買って支払ったのだったら、「振込」となっているはずだ。「自払」とは何か、ネットで調べたら、自動引き落としのことだった。公共料金やクレジットカード代金などを、毎月決まった日に自分の口座から自動で引き落として、サービス提供会社に支払う方法である。しかし私は、S社とはそのような契約をしていない。これはなりすまし詐欺ではあるまいか。

 そんな事を考えながらも、いつも通り仕事をしていたら、しばらくしてカミさんがやってきて、「あらごめんなさい、わたしだったわ」と言った。10年ほど前に、S社の系列の地元のスーパーでカードを作り、引き落とし先をくだんの通帳の口座にしたと言うのである。作ったものの、ほとんど使わなかったカードなので、カミさんも忘れていたとのこと。それで、S社のサイトを調べてみたら、昨年6月から、一年間利用がない場合は、サービス手数料を取るようになった。それが自払で引き落とされていたのである。

 カミさんは早速、ネットでカードの解約手続きをし、念のためS社に電話をして確認をした。その際に、サービス手数料の事についてもクレームをしたそうな。そんな話は聞いていないと。すると相手は、メールで通知をしたと答え、メールは送信済みになっているから、届いているはずだと。カミさんは、何年も前に登録したメールで、今は使っていない。そういう重要な事は、書面で送るべきではないかと食い下がった。そうしたら、しばらく待たされた後、「例外的に、払い戻しします」との回答を得、決着を見た。

 世間的に名の知れたカード会社だが、ずいぶんいい加減なものだと思う。まず、本人の承諾を得ずに、料金を引き落とす。ありえない事だ。また、メールを一方的に送り付けただけで、連絡がついたと見做す。これも早計だ。

 社会のIT化はどんどん進行しているが、このような手抜きが横行するようになると、困ったものである。