アームチェア CAT (クッション座)
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ナラ材  W590×H740×D500×SH400    価格 174,000円



レザーを張ったクッション座の椅子は、見た目に安っぽいとか、汗をかいてベタつくのではないか、などと否定的に見られることが多いようです。



それは、失礼な言い方かも知れませんが、良いレザーを知らないからだと思います。量産品の安物椅子、パチンコ屋、ラーメン屋の椅子などのイメージしか持っていないから、そのようなネガティブな決めつけ方をするのではないでしょうか。



ヨーロッパの著名な(高額な)椅子の中には、レザーを張ったものが沢山あります。その事実は、レザーという素材が決して低級なものではなく、逆に実用性、機能性にたいへん優れていることを物語っていると言えるでしょう。
上の写真は、レザーのカタログです。このメーカーだけでも、膨大な数の品物がありますが、安いものと高級なものでは、価格が3〜4倍違います。それだけ品質にも差があるということです。


比べてみると、見た目はもちろん、座り心地も大きく違うことが分かります。
ちなみに、冒頭の写真の椅子に張られている赤いレザーは、最高級の品質です。使用感は本物の革よりも良いと言われています。


このレザーの特徴は

1. 吸湿性、通気性に優れ、ムレない、汗をかかない

2. 伸縮性があり、お尻を優しくサポートする

3. 適度な摩擦があり、お尻が滑らない

4. 防菌、防カビ、防臭効果をもたせてある

5. 丈夫で永持ちする

などでしょうか。


椅子全体の価格に占めるレザーの金額など、大した割合ではありません。このように高品質のレザーを使うことが、良い椅子を作る必須条件だと思います。

クッション座の椅子は、椅子本体へのクッションの納まり具合が、見た目の印象を決定付けます。この椅子では、木でできた座枠にクッションがすっぽりとはまるように加工してあります。
上の画像は前脚の隅、下の画像は後脚の隅です。いずれもピッタリと納まっています。
言われて初めて気が付くようなことですが、こうするとしないとでは印象が大きく違います。

一見ささいなことに感じるかも知れませんが、こうすることで加工の手間のかかり方が大きく違ってきます。

価格が高いのは、こういう細かい品質追求の積み重ねによるものです。

クッションの中身は、曲面状の板に貼付けてあります。それをレザーで包み、座枠にはめ込み、裏から木ネジで固定してあります。
ちょっと視点を変えると、違った表情を見せます。実際に使ってみると、まるで生き物のように表情が豊かです。
全体に渡り、部材がエッジを形成することを極力避けて、なるべく丸みを帯びた曲面となるようにしました。それが生物的な雰囲気を醸し出しているのだと思います。


ことさらシャープさや緊張感を追求する現代のデザイン傾向とは違う、おっとりとしたたおやかなフォルムが、独特の個性を感じさせます。
レザーには様々な色や柄があります。品質を損なわないレベルで選ぶことが肝心ですが、お好みに合ったものを選べば、オリジナルな雰囲気を楽しむことができます。
ここにご紹介したモスグリーンのものは、お客様にレザーのカタログから選んでいただきました。お部屋の他の家具との調和をベースに選ばれたとのことでした。

レザーの他に、ファブリック(布地)を張ることもできます。


ファブリックも、色や柄に多くのバリエーションがあります。部屋の雰囲気に合わせて選べば、楽しいでしょう。


下の写真は、ファブリックの一例です。 

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