サンドペーパーを切る 


 私の場合、サンドペーパーは、八分の一のサイズに切って使う事が多い。平面を仕上げる場合は、当てブロック(サンドペーパーを巻き付けて使う木片)を使うが、そのブロックも八分の一のサイズに合わせて作ってある。曲面の仕上げに使う場合は、八分の一のサイズを三つ折りにし、指先にからめて使う。その他、柔軟性のあるゴム板を、当てブロックの代わりに使うこともある。

 サンドペーパーを所定の大きさに切断するにはどのようにしたら良いか。まさかハサミで切る人はいないだろう。シリコン・カーバイドの粉末が付いたものをハサミで切れば、たちどころに切れ味は消滅してしまい、ハサミとしての役目は終わってしまう。

 木工の勉強を始めた当初、繰り返し折り曲げ、その折り目に沿って裂く方法を教わった。この方法も悪くは無い。しかしその後、もっと手早く切断する方法を、ある先輩木工家から聞いた。

 それに使う道具が、画像のもの。四角い板の一辺に、金ノコの刃を取りつけただけのものである。板に穴が開いているが、これは関係ない。たまたま間違えて穴を開けた板があったので、それを使っただけのこと。

 板には、金ノコの刃に並行して、1/2、1/4、1/8と書かれた線が記されている。この線にペーパーの縁を合わせて裂く。元々のサイズのペーパーを、1/2の線に合わせて切れば、1/2の大きさのものが二枚できる。それを1/4の線に合わせて切れば、1/4が二枚になる。同様にして1/8までサイズを落とす。

 この道具を使えば、とても能率が良い。しかも、ピシッと切れて、輪郭がシャープである。金ノコの刃の切れ味が落ちることもない。一つの刃を十年使って以上使い続けても、問題無い。切れ味が気になったら、交換すれば良い。金ノコの刃は、もともと消耗品であるから、これも全く問題無い。

 この道具でペーパーを1/8のサイズに切り、番手ごとに分けて揃えておく。制作する家具の種類によっては、サンド・ペーパーを大量に使う局面がある。それを切り分けるのに、僅かな時間でも惜しい時がある。そんな時、この道具の有り難さを感じるのである。



(Copy Right OTAKE 2010.3.30)