電源回路に関する基本的なこと


電源の流れ
日本のコンセントの電源は100Vの交流。電気製品の回路は直流。
まず、レクチファイア (Rectifier) という回路で、交流を直流に変換しています。
これを「整流」といい、「レクチファイア=整流回路」という事になります。

簡単に書くと、ブリッジ・ダイオードで山あり谷ありの電気(=交流)の山の部分だけを抜粋し、
抜け落ちた谷の部分を電解コンデンサで補い、あたかも平坦な電気(=直流)を得てるかの様にする回路です。

しかし、レクチファイア回路は、交流を直流に変換しただけであり、
その直流は、電圧も電流も不安定な情況になっています。
それを、各電子基盤に適した、安定した電圧状態で送り出す役目をするのが、レギュレーター回路です。
ここで整えられた電気が、各回路に渡される…という事です。

この事を知っておくと、他の電気製品の故障でも、応用できそうですね。

以下は、各資料からの寄せ集め引用です。

ダイオード (Diode)
ダイオードとは、半導体素子の一種で、単一の方向にしか電流を流さない性質を持った素子のことである。

ダイオードは、p型半導体とn型半導体が接合されて構成されている。
それぞれの側から1本づつ電極が伸びており、
p型半導体から伸びている電極はアノード、同じくn型半導体から伸びている電極はカソードと呼ばれている。
電流はアノードからカソードの方向にしか流れない。
この性質を利用して、ダイオードは整流回路などに用いられている。

電圧を加えることによって発光する仕組みを持ったダイオードは、特に発光ダイオード(LED)と呼ばれている。
発光ダイオードは、電球などに比べても省エネルギーかつ長寿命であり、
光源としてさまざまなシーンで利用される例が増えている。
電解コンデンサ
単に電解コンデンサ、またはケミコン(ケミカルコンデンサ)ともいう。
大容量が得られ、電源回路の平滑用・時定数回路用に使用される。
誘電体としては、アルミニウム電極(通常はアルミ箔)表面に形成した酸化被膜を用いる。
誘電体層が非常に薄いため、大きな容量を得ることが出来る。

コンデンサは、「交流は通すが直流は通さない」という特性を持っている。
また、電気を蓄えて、必要な時に素早く放出する。

実際の回路では、低周波用にアルミ電解コンデンサを、高周波用にセラミックコンデンサを、
両方並列に接続する癖をつけるとよいとされている。
こうすると、電源電圧の変動の低周波成分ではアルミ電解コンデンサが主要な役割を果たし、
高周波成分ではセラミックコンデンサが主要な役割を果たすようになり、
広い周波数帯域に渡って電源電圧の変動を防ぐことができる。

◆電解コンデンサ不具合のケースはコチラ「 不良電解コンデンサ問題」で実際の写真付で参照できます。
3端子レギュレータ (Regulator)
3端子レギュレータとは、半導体の一種で、入力する電圧を変換して出力端子側に必要な電圧を発生させる部品のことである。

3端子レギュレータは、IN(入力端子)、OUT(出力端子)、GND(グランド)の3つの端子から構成される。
入力電圧には、出力端子に必要な電圧よりも高い電圧が必要で、
一般的な3端子レギュレータでは、入力する電圧は出力する電圧よりも3V〜4V程度高い必要がある。
出力される電圧は目的とする電圧に近いものの、安定しないため、コンデンサなどで電圧を調整する必要がある。

3端子レギュレーターは、コンデンサ、ダイオードと並んで、電気回路においてよく使用される部品である。