FOSTEX A8 復活修理&メンテナンス
再生時キャプスタンにピンチローラーが圧着しない

【原因として考えられる事項】
●メカ動作に関わる電磁石に十分な電流が流れていない可能性がある(電気系トラブル)
●経歴変化によるメカの動作の誤差の可能性がある(下図の方法を参照)
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動作について説明致します。
1&2は電磁石になっており、1は上に、2は右に引っ張る仕組みになっており、 1&2には共通の電源が来ています。
電磁石がそれぞれの方向にパーツを引っ張る事により、 1は5のパーツを上に引きリールブレーキ解除、 2はピンチローラー(7番)をキャプスタンに圧着させる動作を担当しています。
6はテコの原理を利用したリールブレーキ装置、 8のスプリングは、リールブレーキ・パーツのテンション具合を担当しています。
A8分解7-2.jpg
キャプスタン部のピンチローラーは、5のパーツがきちんと上にあがりきらないと(=リールブレーキが解除され各リールが回転出来る状態にならないと)、 7のピンチローラーが上がらない様になっています。
(これはテープ・トラブルを発生させない為の安全装置も兼ねているワケです)
お分かりの様に、経歴変化等から5のパーツが上がりきってない原因が考えられます。
3の場所の2つのネジ(=電磁石固定ネジ)を少し緩め、 1の電磁石の位置を、現在の位置より少し上の方にずらしてみて下さい。
極端に現状より位置をずらすのは、 メカに不必要なテンションを与える可能性もあるので、動作復帰するギリギリのレベルでの移動にした方が良いでしょう。2の位置をずらす事はお勧め出来ません。