背伸びして背伸びして
 オフィスに新しくアルバイトにやってきた新卒の子。有為の若者がいくら大志のためだからといってコンビニでバイトなんてしているものではない、とう社長の、後輩ということで、ちょうど空いてしまって人を探していたデータ処理の仕事をしてもらうことに。

 きくとコンピュータは初心者レベル。PCを持ってはいるが、ソフトとしてはWordを使うくらいで、あとはInternetとEmailするくらい。男の子にしてはいまどき珍しいというか、文系出身だから、Excelすらも使ったことないらしい。こりゃ、まいったな、と思いながらも、一応トップの国立大学でているんだから、理解力と記憶力はそれなりにあるだろうと楽観。まあ、仕事を憶えれば自分のホームページくらい作れるようになるし、知っておいて今後損はない技術だろうから、と教え始めた。

 Windowsの基本的な使い方に慣れていないことが、結構なストレスになるらしい。教えるほうも勝手がつかめずびっくりする。

 話をしていると、ときどきナイーブにも幼っぽい自己顕示欲を示す、自恃と不安のない交ぜになった目をして。大志を抱き、努力している若者は、まだ社会に認められる結果を出してはいない。認められたい、尊敬されたいというなまな欲望が、自らの背伸びした行為を喧伝するという行為につながるのでしょう。

 そういうのを見ていると、まちがいなく馬鹿で生意気であった、昔の自分を思い出す。ベクトルは彼とまったく逆だったなあ・・・。

  きっと、ひとは背伸びするくらいでないと上にのぼれはしない。背伸びしつつ努力をすることは尊い。わざわざいらぬ台の上にたって他人を見下そうとする必要はないけどね。


2004.05.30
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