ジェンダー・戸籍・本当の自分
 性同一性障害という「病気」があって、それの患者さんが、日本ではじめて戸籍の性別記載の変更が家庭裁判所で認められたそうだ。

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 性同一性障害を抱える沖縄県内の人が、男性から女性への戸籍の性別変更を求めた審判で、那覇家裁は二十九日までに変更を認めた。性同一性障害者の団体「gid・jp」によると、戸籍変更を認める性同一性障害特例法が十六日に施行されて以降、今回のケース以外に変更が認められたとの連絡はないといい、全国で初の審判例とみられる。
 那覇家裁の審判は二十八日。訴えていたのは二十代の人で、医学的に性同一性障害との確定的な診断を受けており、社会的にも女性としての自我を取得しつつあるとして、戸籍変更を認めるのが相当と判断した。 幼少時より男性である自分に違和感を覚えつつ育ち、海外留学をきっかけに女性として生きていく意思を固め、昨年、性転換手術を受けているという。 「gid・jp」の山本蘭代表は「こんなに早く認められる例が出るとは思っていなかった。今後は、海外で手術するなどして診断書が十分そろっていないケースでどう判断されていくのか、考えていかなくてはならない」と話している。(産経新聞)
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 家庭裁判所が決めるものなの?といったギモンもさることながら、私は今ひとつこの「病気」になじめない。頭の性と身体の性があって、それが一致しないのは健康ではなく、病気で、だから、身体のほうを手術で変更しちゃいましょうという。病気といわれているものが実はが社会的なものであることをこれほど如実に示すものもないのではないかしら?

 患者さんが苦痛を覚えるのは、生物学的性別にまつわるジェンダー。男らしさ・女らしさの規範と自己像との乖離に苦しむ、という話をよくきく。でも、単に性転換手術をすればいいというものではないらしい。住民票や戸籍に記載された性別と、ジェンダーに規定される外観が不一致の場合、いろいろと生活に支障をきたすそうだ。

 でもでは、戸籍を書き換えれば問題は解決するのかしら?そうではないと思うけど・・・。

 

2004.07.29
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