ニンゲンの身体ってなんだか無駄が多い気がします。
他の動物の多くが年に1、2回程度であるのに、どうしてまた毎月なんでしょ?

毎月にすることで繁殖の可能性が高まるのかといえば、卵の寿命は24時間程度だし、妊娠期間が10ヶ月もあり、その後の子育てのことも考えると妊娠自体のリスクが大きい。ニンゲンのメスは卵を生産する割合には子供を産んでない気がする。(ニワトリはどうなんだ?)

卵の生産にともなって子宮内膜が肥厚したりはがれたり。どうせ殆どは使わないのに。血液と細胞組織とを無駄にしていない?

種の繁栄の戦略って、いくつかのステージが組み合わさって出来上がっているのでしょうが、---個体レベル、中間レベル(家族・部族など)、種全体レベル---各ステージ同士での整合性というのはあまりないのではないかしら?

性交時の快感の感じやすさに男女間で差があるのは、メス側の戦略だそうだ。種を撒く側からすれば数量で勝負!というのは納得しやすい。オスが自分の遺伝子をなるべく多く残そうとするなら、確かに多くのメスと関係をもてたほうが有利。妊娠と子育てがそれほど苦ではないのなら、メスも同じ行動原理にのっとるのだろうが、楽しむだけですまないのがメスだから、そもそも楽しみ少なく(あるいは感じにくく)できているというの?

子育てはものすごく大変な作業だから、なるべく稼ぎのいいオスを「協力者」としてキープしたほうがいい、という観点を持ち出すのはすこし近代のファミリーロマンスに漬かりすぎて、短絡していると思う。子育ての「協力者」は子供の生物学的父親であったりオスであったりする必然性は特にないように思うから。
いっぽyう、求愛の段階においては、貢物をたくさんできるオスがメスを獲得しやすいというのはあたりまえ。鳥や虫のレベルで既にそのような求愛行動をしている。食物の獲得能力が高いオスの遺伝子をもらったほうが生存能力の高い子孫を作れるから、種全体の生き残り戦略に合致する。でも、それと「家族」の形成とは直結はしていない。求愛行動のそもそもの目的は、子孫を残すところにある。

まあとにかく、ニンゲンというやつは、年がら年中求愛・繁殖行動が可能でありながら、一生懸命妊娠すまい/させまいという努力をしている変な生き物であることは間違いない。

2004.02.23
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