機械
 女性は子供を産む「機械」と言ったとかいう柳沢厚生労働大臣が進退の危機に追い込まれている。

28日朝日新聞の記事にはごく短い記事。

「集会に出席した複数の関係者によると、柳沢厚労相は年金や福祉、医療の展望について約30分間講演。その中で少子化問題についてふれた際、「機械と言って申し訳ないけど」「機械と言ってごめんなさいね」などの言葉を入れながら、「15〜50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと述べたという。」

 こういう新聞記事から波紋が広がってしまうのね。なんだか悪意のようなものを感じる。

 表現の好みはあるとしても、「機械」の比喩自体が悪いわけではないと思うが。

 ただ、女性だけを取り上げるからいけない。女性が生む機械なら、男性は産ませる機械なのであるわけで。産ませられない機械だって不良品といえる。

 こういった発言が騒動を巻き起こしてしまう原因としては、不妊を主に女性だけの責任にしがちな社会通念があるのだと思う。「産みたくても産めない女性」を悲劇的に捉えるのであれば、「産ませたくても、産ませられない男性」に関する擁護論がでてくるべきだ。実際に不妊の原因は男女半々だというし・・・(いや、むしろ男性の側の原因のほうが大きかったりする) 

 野党の政治家にしたって、千篇一律に女性蔑視だと糾弾するのにはうんざりする。言葉尻を捉えて対立する党を非難しているだけだ。政策論争になることがない。

 出産を女性のものだけにする通念から変えないと、少子化問題は決して解決しないだろう。

2007.01.31
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