イモータル設定のガイドライン ◇


イモータルを設定する上で、私が従っている決まりごとです。

※データ的な部分を考えるときは Wrath of the Immortals, WotI を参照しています。


はじめに \ パワーバランス \ ローとカオスの対立 \ ニュートラルの存在 \ 教義 \ 設定の逃げ道
はじめにTOP
以下の決まりごとを考える上で大事にしていることは、

「これはゲームをプレイするために必要な設定である」

ということです。

煩雑な宗教的哲学を盛り込んだ教義をもつイモータルは、そのクレリックのロールプレイングが非常に複雑なものとなりうるため、できるかぎりそうしないようにしています。
ソロまたは二人パーティを扱うシナリオやキャンペーンにおいては、やや込み入った哲学をもとにした高度なロールプレイングも必要になりますが、5〜6人パーティを想定している通常のシナリオではそれらは特に必要ではないでしょう。そのクレリックPCのプレイヤーの独壇場になってしまうか、他の参加者の理解を妨げる要因となるからです(彼一人によって占められる膨大な発言時間が、全員が共有しなければならない貴重なゲームプレイングのための時間を圧迫します)。

また、ローフル、ニュートラルのイモータルは、これらはプレイヤーによって選ばれる可能性があるためパワーバランスに特に注意しています。逆にケイオティックのイモータルは、原則NPCのためにあり、また、徒党を組んだローの勢力に立ちふさがる悪役となり、そして最期には彼らはローの勢力に打ち滅ぼされるために存在しています。従って、ケイオティックサイドのクレリックは単独でも十分PCたちを苦しめられるだけのパワー配分になります。
図式として最も多いのは、戦隊ヒーローもののように、複数人対一人です。PC側(ローサイド)はパーティを組み各々の能力を活かしそして悪のボスを倒すということです。悪役はとことんまでヒーローたちを苦しめなければならないため、簡単には倒されないだけの特殊な能力をもつ必要があるのです。

パワーバランスTOP
ローサイドの各イモータルには、次の三つの特殊な条件のうち、1つをもたせます;
  1. パラディンがいるのなら、その中に特殊なパラディンを設定する
  2. イモータル由来のメジャーアーティファクト(Unique Item のような)が存在する
  3. イモータルガーディアンもしくは Avatar 化身 を持つ
場合によっては二つもつこともあります。
(この順に従って、イモータルが支払うパワーポイントのコストが上がっていきます)

例:
  • フォー・ガネス・ディマンの特殊パラディン、『魔狩人』
  • ナイトアローンのメジャーアーティファクト、『銀のメイス』『銀のシールド』
  • ラウニィのイモータルガーディアン、『ラウニィの娘』

    また、ローサイドのイモータルのクレリックに与えられる呪文は、イモータル独自の特殊な呪文は少なく、DnDルールブックにできるかぎりそったリストが与えられます。具体的には、どのレベルの呪文数も、8〜10個の範囲に入るように調節します。8個を下回れば8個に届くようにそのレベルに釣り合った効果をもつイモータル独自呪文を追加したり、10個を越えるようであれば、教義に反する等の理由をつけて10個に収まるように既存の呪文をリストから外したりします。

    ニュートラリティのイモータルの場合は、彼らはパラディンをもてない代わりに、クレリック自身が通常のクレリッククラスの持つ能力のうちどれか1つを極端に特化させた状態に設定されます。

    例えば、使える呪文数が極端に少ない代わりに、クレリック自身の戦闘能力が高められているもの(ブライド)、白兵戦能力が制限される代わりに、キャスティングアビリティを強化されたもの(ユウエア:ドルイド寄り、ボルケン:MU寄り)、基本ルールブックのクレリッククラスとあまり違いがないもの(シェイルローム)、クレリッククラス以外のクラスの側面を強化されたもの(ペテン師:シーフ)がいます。

    以上に加え、ローサイドイモータル同様、彼らにも;
  • イモータル由来のメジャーアーティファクト
  • イモータルガーディアンの所持

  • の特権が与えられます(同時に二つを持たせることはパワーバランスの面から好ましくありません)

    ケイオティックサイドのイモータルは、上述の通り、単独で十分機能するだけの強力さを持たせています。
    例えば、イモータル独自呪文やリストそのものが増やされたにもかかわらず目だった弱体化がなかったり、白兵戦闘の側面が強調されているにもかかわらず通常のクレリックとほぼ同程度の呪文をもてたりします。

    さらに、ケイオティックサイドのイモータルは二つに分かれます。それは、エントロピィの領域にからんでいるかいないかという点です。
    一つ目は、メルビットやケ=ヴィシュに代表される "普通のケイオティック" のイモータルです。彼らにも明確な哲学や教義といったものが設定され、それなりに強力さと凶悪さがあり、PCたちのライバルとなってくれます。
    もう1つは、ギーシェ、ラカラカーンなどのわかりやすい邪悪です。彼らは完全にエントロピィの領域にあり、キャンペーンワールドの人々の目には "悪魔" と映っているような連中です(DnDワールドでは DaemonDevil という語は遣われないようです)。シナリオ中では、最期のボスからやられ役まで、様々な役柄をこなす汎用型の悪役です。そして最終的には、PCたちに打ち滅ぼされることで役割を全うします。その性質から、彼らには原則、パワーセーヴを施しません。簡単には勝てないレベルどころか、あっさり負かされてしまうくらいの強力さで設定されます。
    ※ちなみに、エントロピィのイモータルは、どのアライメントのイモータルたちとも不仲です。

    ケイオティック(または純粋エントロピィ)のイモータルは、ローサイドのイモータルに許可された3つの特殊な条件を、通常二つもたせることで、強力さを保たせます。3つすべてを網羅していてももちろん構いません。 また、カオスサイドのイモータルがもつイモータルガーディアンは、フィーンドと呼ばれ、いわゆる "悪魔" と呼ばれるものになりますWotI によれば、これらが本来の意味での悪魔として相応しいようです)
    というわけで、このキャンペーンワールドにおいて、「太古の悪魔を蘇らせ…」うんぬんというタイプのキャンペーンをやる場合は、これらのエントロピィのイモータルの手下である、フィーンドがからんだシナリオになります。

    ●副次設定 (WotI にあった設定より)
    フィーンド FiendsTOP
    フィーンドは、そのパワーに応じてレッサーフィーンドとグレーターフィーンドに分類されます。

    次元檻 ImprisonmentTOP
    「封印された邪神を蘇らせ…」などのタイプのキャンペーンに使う場合の設定です。
    イモータルプレーンには、イモータルを捕らえてそのパワーを大幅に制限させてしまう領域があります。『封印された神』型のイモータルは、そのキャンペーンを走らせている間はこの次元檻に囚われていることになります。
    囚われているイモータルのクレリックは、原則的にイモータルから呪文もターンも授かることはできません。


    ローとカオスの対立TOP
    わかりやすさのため、ローサイドのイモータルを設定した場合、それになるべく真っ向から対立する考え方をもつカオスサイドのイモータルを設定します。逆に、カオスサイドのイモータルを設定した場合には、それに対抗するローサイドのイモータルが設定されます。
    各イモータルの教義も、なるべくその対立形式に則って考え出されます。

    ニュートラルの存在TOP
    ニュートラルのイモータルのクレリックは、明確な対立図式は作らないことにしています。
    また、彼らの突出したクレリックらしくない能力を活かす事で、彼らは彼らだけでパーティを組みそれを十分冒険に対応させることができます。
    例えば、ファイター、クレリック、MU、シーフという代表的な4クラスについては、ブライド、ユウエア、ボルケン、ペテン師の4人のイモータルの各クレリックたちで1つのパーティを組むことで、にわかに総合力を上昇させることができます。もちろん、役割的にはこの4人パーティは全員クレリックですが。

    教義TOP
    教義はなるべく簡単なもの、シンプルなものを目指します。
    「こういった行動をとっていればそのイモータルのクレリックらしさがでる」という明確なガイドラインを作るようにしています。が、次第に設定は増えていき、わかりにくいものになってしまうこともいなめません。

    設定の逃げ道TOP
    ワールド固有のイモータルやその教義に特化したクレリックではなく、通常のルールに従う一般的なクレリックをやりたい、という場合もあるでしょうし、細かい設定を考えるのが面倒くさいということもあると思います。
    そういった場合の一種の回避策として、ジェネラルクレリックというクラスを置くことにしました。
    このクレリックはなんということもなく、単なる普通のクレリックです。おなじみのルールブックに書かれている通りのクレリックであり、特殊な呪文やら設定やらはありません。
    彼らはイモータルから直接呪文を授かるわけではなく、イモータルプレーンそのものから授かっているようです。
    逃げ道として用意した設定なので、「普段彼らはどこに所属していてなにをしているのか?」などといった細かいことは一切考えません。恐らく彼らは、同じアライメントのイモータルを信望する特定イモータルのクレリックたちの中にまぎれて過ごしているはずです。
    煙たがられたりよそ者扱いされることなどもない、としています。


















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