教義と戒律とアライメントを破る ◇

そのクレリックが、何らかの理由によりそれまでの信仰をすて、
新しいイモータルの教えに目覚めるという、
非常に希なケースについてです。
これが起こるのは、特定のイモータルに仕えていたクレリックのみで、
ジェネラルクレリックには特に何も起きません。
ジェネラルクレリックは特に何の制限もなく、
自分のアライメントに合致した特定のイモータルに仕える、
またはドルイドの教えに従うように信仰を特定することができます。

アライメントチェンジヘルメットによるアライメントの変更は、
これはカースによるものなので、キャラクターがこの呪いの支配下にあったとしても、
各イモータルはそのクレリックからキャスティングアビリティやターンの能力を、
永久に奪い去ってしまうようなことはしません。
(一時的な罰則としてはありえるかもしれません)
普通、イモータルは何らかの処置を施し、
彼の信望者が速やかにもとのアライメントに戻るように手を打つことでしょう。

ほとんどの場合は野放しで自力回復を待つだけですが。


がしかし、クレリックが自発的に教えを放棄したり、
それまでのアライメントを変更したりした場合、
これは大変な事態を引き起こすことになります。

この裏切りのクレリックを、いままでのイモータルが、
新しいイモータルと取り合いをするようなことはありませんが、
それでもそのクレリックは変更による様々な罰則を受け取ることになります。
新しい教えを受け入れることそのものが、
現時点でのそのクレリックにとっての"最初の" 試練となるのです。


どんな場合にそれが起こるか;
・自発的にアライメントを変更した
イモータルのアライメントと異なるものになる場合がほとんどでしょう。
元々ニュートラルだったナイトアローンのクレリックが、
自発的なアライメント変更によりローフルになる場合は、
特に何の罰則も生じません。
むしろ、いままでの人生をやり直すという意味で、
試練をクリアしたものとみなされます。
(次の経験レベルの上昇時に、
5% の寵愛XPを受け取ることができるようになります)
それ以外の場合では、ローフルからケイオティック、
またはケイオティックからローフルへの変更が多くなり、
例えば今までディマンのクレリックだった者が、
メルビットのクレリックに転身してしまうような場合です。
(こういうのは普通、”堕ちた”と表現されます)
このような場合、以前のイモータルとはもう考え方が完全に異なるので、
新しいアライメントでそのイモータルのクレリックを続けることは、
NPCであればほとんど不可能になるでしょうし、
PCの場合には完全に不可能となります。
もともとニュートラルだった場合は、
イモータルからの寵愛を得られなくなるだけですむことがしばしばです。
(それでも、ユウエアのクレリックがケイオティックになってしまった場合には、
罰則をともないつつ新しいイモータルを探すほうがよいでしょう)

・新しいイモータルの教えに自発的に目覚めた
そのクレリックはやがては、
新しいイモータルのアライメントと同一のものになることでしょう。
以下の処置を受けることになります。
(上記二つは全て、そのクレリックのプレイヤーのロールプレイングの結果によるものでなければならない)

どんなことが起きるか;
・呪文詠唱能力の喪失
信仰を変更した場合、そのクレリックはもう二度と、
以前のイモータルから呪文を授かることはありません。
かわりに、新しいイモータルから呪文を使う能力を授かります。
その結果、信仰を変えたクレリックは、一時的に呪文詠唱能力が1レベルにもどります。

・ターン能力の喪失
ターンの能力もイモータルに依存したものなので、
信仰の変更とともに、呪文詠唱能力と同じように1レベルに戻ります。

・経験レベルの低下
信仰に変更があった場合には、経験レベルは1 に戻ります。
今までのイモータルの下で得てきた多大なるXPは全て失われます。
従って、この時点でのそのクレリックのXP値はゼロです。
貯められていたロールボーナスのポイントも全て失われます。

・THAC0、ST値、ヒットポイントの保持
THAC0、ST値、ヒットポイントについては、信仰の変更前と変更後では変化ありません。
経験レベルに付随して得られていたほかの特典、
ジェネラルスキルスロットやウェポンマスタリも変化ありません。
ただし、以前のイモータルから得ていたレベルに付随する特典は全て失われます。

・武装の変更
信仰を変更した場合、新しいイモータルに気に入られるために、
武装制限をそのイモータルのものにあわせなければなりません。
仮に、過去ブライドのクレリックだったニュートラルのクレリックが、
現在ケ=ヴィシュのケイオティッククレリックになった場合には、
ブライドのクレリックだったころに慣れ親しんだポールアームのウェポンマスタリを、
わざわざあきらめる必要はないでしょう。
過去、メルビットのケイオティッククレリックだった者が、
現在ナイトアローンのローフルクレリックになった場合、
メルビットのクレリック時代に訓練した2Hソードのウェポンマスタリを、
潔くあきらめなければなりません。
(そのクレリックのレコードシートには、
使うことができない武器についてのウェポンマスタリが記載されたままになります)

・寵愛を失う
信仰ではなくアライメントが変更になった場合の処置です。
アライメントが変更された場合でかつ、イモータルのアライメントと合致しなくなった場合、
アライメントが元通りになるまで、イモータルからの寵愛を受けることはありません。
また、寵愛によりそれまで獲得していたXPを全て、
イモータルに返さなければなりません。
もしその結果、現在の経験レベルを維持できないほどに寵愛によるXPを失ってしまった場合、
当然ながら経験レベルが下がります。

・新しいクレリックとしての経験レベルの獲得速度
通常、1回のシナリオではキャラクターが2レベル以上の経験レベルを獲得することはできません。
しかしながら、信仰の変更により経験レベルを失ったクレリックについては、
新しい経験レベルが以前の経験レベルに一致するまで、
1回のシナリオで2経験レベル以上上昇することがありえます。

・エナジードレインの効果
以前の経験レベルと同じ経験レベルに到達する前に、
ワイトやヴァンパイアなどからエナジードレインの被害を被った場合、
以前の経験レベルを基準にヒットポイント、
THAC0、ST値、ジェネラルスキル、ウェポンマスタリを下げます。
例えば、以前ナイトアローンの6レベルクレリックだった、
現在2レベルのラカラカーンのクレリックが、
ワイトのエナジードレインを受けた場合、
ヒットポイントはナイトアローンの5レベルクレリックだったときの値まで下がり、
ラカラカーンのクレリックとしては1経験レベルまで落とされます。
ワイトではなくスペクターのダブルエナジードレインだった場合、
不幸なことにこの転生したてのクレリックは、
エナジードレインにより死亡してしまいます。


変更が2度目またはそれ以上である;
ロールプレイの結果、またイモータルを変更することになった場合、
そのクレリックはもう2度と、他のいかなるイモータルのクレリックになった場合でも、
(ジェネラルクレリックに転身したとしても)
新しいイモータルから呪文とターンの能力を授かることはできません。
ウェポンマスタリやジェネラルスキルはそのまま継承されますが、
イモータルに依存したジェネラルスキルは直ちに失われ、
それを再び手に入れることはできなくなります。
当然ですが、経験レベルは1 に戻っています。


実は既にそのイモータルの下でネームレベルまで修行していた;
そこまで熱心にそのイモータルの考えに従ってきたため、
そのキャラクターは己の人生観を自発的に変える事はありえません。
NPCならば信仰の変更は行いません。
PCの場合は、信仰を変えないままNPCとしてDMに返さなければなりません。
(プレイヤーはそのクレリックPCをリタイアしなければなりません)
その教えを通してネームレベルまで到達してしまったため、
カースや大きな災いという外因でもない限り、
キャラクター自らが信仰の変更を望むことは決してありません。
ネームレベル以上であるにもかかわらず、
プレイヤーがそのクレリックの信仰の変更を表現するロールプレイを行った場合、
"間違ったロールプレイ"として処理され、
多くの場合、何らかのペナルティをDMから課されることになります。


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