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2010・年末相談会 開会宣言

 

日本の貧困率、15.7%。正規雇用者3,363万人、非正規雇用者1,775(34.5%)。失業率5.1%。生活保護127万世帯超。いずれも政府直近の統計値である。働く貧困層600万人とも言われ職場や生活の実感、現実社会の疲弊はこれらの数値を大きく上回っているだろう。希望などない、一見、絶望がまん延しているように見える。

 

2008年末日比谷派遣村は、これまで社会の底辺、一部とされた貧困を、社会総体の誰もが関わる問題、現代の縮図として浮き彫りにした。

私たちは、この派遣村を一過性、徒花に終わらせてはいけない、自らの地域で恒常的に通年化しょうと昨年の春に活動を開始した。

しかし、状況が好転するどころか悪化しているにもかかわらず、今年は政府も東京都も「公設」派遣村をつくらない。報道も少なくなり、人々の関心も薄らいでいる。

 

これで良いのだろうか。私たちは、もう一度原点を見つめ、劣悪な労働と貧困、孤立にあえぐ人々に直接出会い、課題を共にし、みんなで解決に向かう決意をもって、多摩地域の仲間と一緒に「年末相談会」として府中公園に集まった。

 

この22ヵ月の間に私たちは、「自己責任論」や「迷惑論」などの風潮を乗り越え、国立、狛江など多摩各地に派遣村の仲間が生まれ、点から線へと連帯が広がった。労働問題では不当な企業とは徹底的に闘い、無権利状態に置かれている派遣労働者の解雇と闘い解決条件を圧倒的に押し上げてきた。生活問題では不当な生活保護行政と闘い、門前払いや施設など貧困ビジネスへの丸投げを許さず150名の路上からアパート入居を実現してきた。

 

今回は、府中聖マルコ教会と府中カトリック教会が今日明日の宿泊を、府中市、国分寺市、国立市の福祉担当課が炊き出し物資を、府中市が生活保護に関する技術的アドバイスを提供してくださる。心から感謝し、この連帯を点から線、さらに面へと飛躍するきっかけとなるよう誠実に対応したい。

 

私たちの目標は、みんなが金持ちになろうというのではない。誰もが人として生きる社会をつくることにある。誰もが差別、暴力、飢えにおびえず、殺し殺されることなく、平和に楽しく当たり前に生きる権利を自由に行使できること、その目標のうち生活と労働を両輪の課題として走るのが派遣村である。困難な課題はモグラタタキのように噴出する。それらに、逃げずぶれず進もう。相談会はその出発に過ぎない。

 

相談する者、受ける者、炊き出し出す者、食べる者、みんな同じ人間として今日、明日を安全に、真剣に、楽しく過ごし、27日から始まる一人ひとりの悩みの具体的解決に向けて繰りだそう。そして、年末年始を仲間として共にあたたかい時を過ごしたい。

絶望から希望への足がかりになるように、敷居を低く、目線を同じく、おおらかに相談会を開こう。相談を躊躇する方に、その孤立と不信を和らげる相談会にしよう。

 

府中緊急派遣村 村長 松野 哲二

20101225

 

 

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