軍用のFと軍用のニッコール



『軍用ニコンF(KE-48C) + 軍用ニッコール + 消音ケース(改)』
軍用ニコンF Military Nikon F
あまり見ない革ケースに包まれたニコンF。

ボディも一見するとただのFだが軍用(KE-48C)。
装着されているレンズもただのニッコール50mmのように見えるが軍用。
革ケースも詳しい方が見れば消音ケースと気づくがこれもよく見ると細部が違っている。




軍用ニッコール
軍用ニッコール

KS-81A(軍用ニコンF)に装着されていたレンズ。
撮影距離を固定できる改造がされている。
それとレンズのクローム部分が黒く塗装されている。
一見するとニューニッコールのように見える。
もちろん普通の50mmとしても使える。
軍用で使われたニッコールレンズは撮影距離部分に改造が施されたものが多い。
これはファインダーを覗いてピントを合わせている余裕がない場合に対応するためだと思う。




消音ケース(改)
消音ケース(改)

入手した時にはすでに改造されていた消音ケース。
大幅に加工されていて、通常の消音ケースとは別物になっている。
本来の消音ケースは腕を覆うくらいに大きくて目立つものだが
こちらは携帯しやすいように改造されている。ただカットしたようなものではなく
きちんと加工して同じように縫い付けられているので強度もしっかりしている。
音を吸収するため内部に通常の消音ケースよりもさらに薄いケースが入っている。
ファインダーを外して、ケースをつけたまま撮影できるように
上部の真ん中に巻き上げレバーを覆っている透明カバーと同じような加工がしてある。
ケース自体が遮光効果を発揮して以外にもピントが合わせやすい。
この透明カバーの加工処理を見てみると業者にでも頼まないと無理な仕上げで
どういった経緯でここまでの加工が必要だったのか興味が引かれる。
でもかなり見た目が怪しいので一度も使っていない。





軍用ニコンFのおおまかな種類

『Nikon F U.S.NAVY KS-80A/KS-81A』
米空軍や米海軍仕様の軍用のニコンFです。
軍用のニコンFでは最も代表的なカメラです。
わりと数が作られたのかアメリカ市場ではよく見ます。
モーターとグリップが一体となった形で団扇のような姿をしています。
裏にコントラクトナンバーが記されたプレートがついています。
かなり酷使されたものが多く、バッテリーも欠品しているものがほとんどです。
プレートのないものや肝心のモーター部分がなくなって
背の高いクランクと「U.S.NAVY」と刻印されたボディだけになっているものもあります。
このクランクは手袋をしたまま使えるようにしてあるので
実際に使ってみると通常のクランクの方がずっと使いやすいです。
専用のバッテリーが生きていて完動状態の物はめったに出てきません。
KS-81Aは数が少ないです。

『Nikon F KE-48C』
米陸軍仕様の軍用のニコンFです。
これは前に説明してあるので記述を省きます。

『NIKON F US GOVT PROPERTY』
米政府仕様のニコンFらしいです。
「US GOVT PROPERTY」の刻印があります。
実物を触ったことがないのでよくわかりません。
ライカにも同じような刻印が施されたものがあるようです。

『NIKON F Olive』
自衛隊仕様の軍用のニコンFです。
オリーブドラブのニコンFで残念ながら本物は見た事がありません。
本でそう書いてあったのを読んだだけで写真すら見た事がありません。
底板に自衛隊のイカリマークが刻印してあるものもあると聞いたことがありますが真偽は不明です。
警察で使われたニコンFは最後にきちんと処分されていたようです。
これは実物を見る機会がありましたが裏にテプラのようなシールが貼られていた以外特に普通のFでした。



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