リクオはピンチに立たされていた。


「どっちですか。」

「どっちや。」


どっちの髪が艶々ピカピカで綺麗か決めろと

つららとゆらに迫られていたのだった。


そうこれは陰陽師と雪女の艶々ピカピカ髪の毛対決!


とりあえず二人の髪を見比べてみる。


「つららの髪は綺麗だけど先の方がちぢれてるね。」


「ちぢれてません!これはウェーブかけてるんです。」


リクオの失礼な物言いにムッとして答える。


「そうなんだ。クセ毛なのかと思ってた。」


つららの剣幕に押されながら、今度はゆらの髪に視線を向ける。


「花開院さんの方は凄く長くて綺麗だね。」


「当然や。長さでは私の勝ちやな。」


つららを横目にふふんと胸を反らす。


それにカチンと来たつららは反撃する。


「髪が長くなるのは変身してる時だけでしょ。」


「その気になればいつだって伸ばせるもん。」


ゆらも一歩もひかない。


「伸ばすだけなら誰でもできます。日頃の手入れとか大変なんだから。」


「なんやそれ!うちが手入れできないっていうんか!?」


ギャーギャー!


二人の言い争いはますます激しくなり、一向に収まりそうになかった。


このままではこっちに飛び火しかねない。


リクオはなにかいい手はないかと思案を巡らした。


髪の毛、艶々ピカピカ・・・・、!そうだ!!


「二人とも喧嘩はやめるんだ。」


「これで決着をつけるのはどうかな!?」


リクオは手に持っていた物を掲げた。


艶々ピカピカしたそれは・・・


「スパッツ・・・?」


「そう!スパッツを穿いたり脱いだりして勝負するんだ!」


「なんでスパッツなんか穿かなきゃいけないんですか(や)!?」


「艶々ピカピカしたもの喧嘩したなら、艶々ピカピカしたもので仲直りするのが良いと思って。」


「・・・・・」

「・・・・・」


「じゃあ、どちらが先に10回穿き脱ぎできるか!よーい・・・」


ドンッ!!

「ごふっ!」

「するわけないでしょ(やろ)!!」


陰陽師と雪女の同時攻撃が飛んできた。



花開院ゆら





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