「もう、スカートが脱げちゃうじゃないですかぁっ!」
「ぐはっ!」
つららの蹴りを受けて、リクオは後に吹き飛んだ。
「いててっ」
起き上がったときにはすでにつららは抜け出していた。
「こんなの引っ張ってもらわなくても簡単に抜け出せるんです。」
服のほこりを払いながら、脱げそうになったシャッツやスカートを調える。
「そうなんだ、ごめん。跳び箱の下敷きになってたから」
「つららが怪我でもしてたら大変だと思って」
「・・・・・」
改めて、リクオの顔を見ると汗でびっしょりと濡れていた。
方法はどうであれ自分を助けようとしていた事は事実だ。
「まあ・・・そういう理由なら許してあげなくもないですけど。」
とそこでリクオの右手に握られている物に目が止まった。
「り、リクオさま・・・それ?」
白い布のような生地が見えた。
もしかしてそれは・・・
スカートの上から手探りで確認するが・・・ない!
はいてない!!
「そ、それ・・・わたしのぱんつ・・・」
「えっ」
リクオはここでようやく自分がなにかつかんでいたことに気づいた。
どうやら先程のつららの蹴りを受けた時にとっさにそれを掴んでいたようだ。
これは不可抗力だよね。
自らの無実を疑わずにつららの顔を見ると
顔を真っ赤にしていらっしゃる。
「裁判長!だれか弁護人をっ!」
ガラッ
「リクオくん、イス持ってくるのにいつまで時間かかってるの!?」
そこにリクオの祈りが通じたのか救世主家長カナが現れた。
リクオは一生懸命に今までの経過を説明する。
ここで気づいておくべきだったのは
つららのパンツを手に持ったままだったいう事だ。
これさえなければこの後の結果は違っていたかもしれない。
「ふ〜ん、よくわからなかったけど」
「リクオくんが体育倉庫でつららさんの下着を脱がしたってことだけはわかったわ。」
「あれっ?弁護人カナちゃんの様子もおかしいっ!」
体育館倉庫って、使えそうなものがたくさんあっていいね。」
「これなんかどう?」
二人は微笑みながら車輪がついた赤いライン引きを手に持っていた。
「使えそうって、なにに?あのもっと柔らかい物でお願いしますって、ぎゃあああっ!!」
その後、体の真っ二つにするように車輪の跡と白いラインがひかれたリクオくんが発見された。
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