「う〜っ・・・」

口からもれる溜息は夏真っ盛りの暑さのせいではない

最近やたらと視線を感じるのだ。

『これはいわゆるくやしいでもかっこいい』

ってやつだと前向きに捉えようとしていると・・・


「顔半分なくなってたのによく治りましたね」

つららがこんなことを言ってきた。

顔半分?

そうか・・・

最終決戦でボロボロになったのに元通りになったのが

気になっていたのか・・・

自分でもなんで治ったのかよくわからない

たしか・・・

「羽衣狐さんに添い寝してもらったら治った」

そう言ったとたんつららの目の色が変った。

「添い寝ってどういうことなんですか!??」

激しく詰め寄られても自分でもよく覚えてないのでありのままの事を言う他ない

「わかんない、気がついたらやさしさに包まれてて」

「なにがやさしさだーっ!!」

「つららだってリクオ様をたのみますって言ってたじゃん!??」

「むっそれはそう言いましたが・・・・・」

「そんないかがわしいことをしていたとは聞いてなかったので」

いかがわしいって・・・

このままでは実力行使(鉄建制裁)されそうだったので

苦し紛れに御機嫌をとってみる。

「そうだ!つららが病気になったら全力で看病するから」

「えっ!」

ビタッとつららの動きが止まった。

そして目を輝かせて両手を握り

「ほんとですね!」

そう言って、つららは席を立った。

まあ、つららが病気なったところなんて見たことないから実行はされないと思うけど


しかし・・・


「ねっ、熱中症にかかっちゃいました」

そう言って、ふらふらとした足取りで

なぜか頭に包帯を巻いて部屋に入ってくる。

まるでー

「ゾンビですか?」

「ゾンビじゃありません!」


「それでですね。私も看病してくれたら治るかもしれいないので・・・」

なぜか意識もはっきりしている熱中症患者のつららさん

でも炎天下の中ずっと外で掃除していたらしいし

ほんとに熱中症だったら大変なので看病してあげよう


日当たりの良い場所に寝かせる

日陰に寝かせる


つらら(及川氷麗)





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