「はあはあ、死ぬかと思った。命の湯がなかったら心臓が止まってた。」
幸いにも風呂を沸かしたばかりだったので体を温めることができた。
「バカなことするからですよ。」
つららはそう言いつつもタオルを渡して、かいがいしく世話を焼いてくれる
さっきリクオを水風呂に叩き込んだ張本人なのだが。
体を拭き終えたリクオはふと気がつく。
「あれっ?つららは今日はお風呂入らないの?」
「ちょっと熱っぽいので・・・」
さっきまでのバカ騒ぎで知恵熱が上がったのかもしれなかったがそれは言わなかった。
「それは大変だ!暖かくして寝た方がいいよ」
「いえ、雪女なので暖かくしなくてもいいんですが・・・」
「ぼくが愛用しているふかふかで柔らかい抱き枕を貸すからすぐに寝るんだ。」
そう言ってつららの身長くらいある細長い枕を渡した。
「あ、ありがとうございます。」
急に優しくされて風呂でのぼせたようにつららは顔を赤らめた。
「わーっ、確かに柔らかいですねこの枕・・・」
赤い顔を隠すように枕を抱きしめる。
確かに柔らかかったがしかし、なにか違和感を感じる。
よく見ると絵が描いてあった。
「なんですかこれ?家長とわたしの絵が描いてあるじゃないですか!?」
「うん、だって抱き枕ってそういうものだし」
自分と家長カナの絵が描かれているのはまだいい(本当はよくない)
だが、一つだけ看過できないものがあった・・・
「なんで裸の絵なんですか!!?」
「大丈夫!大事な所は手で隠してあるし・・・」
「大丈夫じゃなーいっ!!」
ピキピキと音を立ててふかふかだった抱き枕が凍っていく。
「そんなに好きなら一晩中抱いてなさいっ!!」
「わぁあああーっ!冷たっくて重い〜っ!!」
こうしてまた風邪をひいてしまうのでした・・・・・。
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