30万ヒット記念とバレンタインをあわせて久しぶりにノースウェムコさんを描きました。
救世の美神ノースウェムコは困っていた。
今日はバレンタイン。
一応、世話になっているマスターに渡そうとしているのだがなかなか一歩が踏み出せないでいた。
そうこれは義理チョコ。
かわいそうなマスターのため一肌脱ぐ。これも救世の一つなんだと自分に言い聞かせる。
そして、人気がないのを確認してええい!と飛び出した。
「マ、マスター覚悟なさい!」
先程まで尾行する形になっていたためはたから見るとまるで闇討ちでもしているようである。
「わあああ!」
案の定悲鳴を上げるマスター。
「違った、これを受け取りなさい!」
あわてて、大事に隠し持っていた目当ての物を差し出す。
「チョコレート?」
「まあその・・・・・・」
渡せたのはいいが今度は顔を真っ赤にして黙ってしまった。
シュミレーションでは渡した後、義理チョコだから勘違いしないでください!
とかツンデレなセリフを言う事になっていたのだが。
極度の緊張から一言も発せられない。
結局、その沈黙を破ったのはマスターの方だった。
「食べていいかな。」
「えっ!?どうぞ。」
もらってその場ですぐに食べるとは思っていなかった。
そんなにおなかがすいていたのかとかそれよりもチョコの味の方が心配だった。
自分が手作りしたチョコなので自信がない。
こんなことなら市販品を渡せばよかったと後悔する。
しかし、
「うん、うまい。」
当のマスターは美味しそうに食べていた。
「そうですか。良かった。」
どうやらうまく出来ていたようだと安堵した。
と同時に嬉しさもこみ上げてくる。
そのノースウェムコの一喜一憂する様子にマスターが質問する。
「もしかして、手作り?」
「あの、その・・・・・・」
ほっとしたのも束の間また真っ赤になって硬直してしまった。
わざわざ手作りしたものを義理チョコというのは無理があるし
どう言おうかと思案していると
「はっくしょん!」
突然、マスターが大きなくしゃみをした。
どうやらチョコにかかっていたカカオの粉が鼻についたようだ。
その後、急にキョロキョロしだしてあたりを探し始めた。
「あれ、どこいった。」
「どうしたんですか。」
「チョコが飛んで行っちゃった。」
「チョコが!?」
床を注意深く探す。白い床なのでチョコレートの色は目立つはずだ。
下に落ちたとしたらすぐにわかるはずなのにいっこうに見つからなかった。
「もういいじゃないですか。」
「ダメだよ。せっかくノースウェムコが作ってくれたものだし・・・」
「えっ(ドキ)」
そんなに私からチョコをもらったのが嬉しかったのか。
それなら今度こそ自分の正直な気持ちを伝えるべく勇気を振り絞る。
「あの、それならもう一度、チョコ作って来ますよ。今度は本めー・・・・・・」
「あ!」
突然、マスターが大きな声を上げた。
「下に落ちてないとするとノースウェムコの服の中に入っちゃったかも・・・・・・」
「えっー!」
確かにくしゃみの進行方向に立っていたので可能性は高かった。
「こ、この服脱ぐの大変なんですよ。」
「こう手を突いて逆立ちすれば落ちてくるんじゃないかな。」
「こ、こうですか!?」
言われたとおり両手をついて少し四つんばいぎみに立ってみる。
「ダメだよ。もっとこう角度つけないと。」
「ん〜全然落ちてきません。」
「どこかで引っかかってるんじゃないかな。この紐を引っ張ってみれば・・・・・・」
「ちょ、ちょっとそれ引っ張っちゃダメです。」
あわてて止めようとするがもう遅いスルスルっと紐が解ける。
と同時に隠れていた胸が露になってしまった。
「きゃあああああああ!」
いつもは着やせしてわからなかったが意外と胸があった。
それはともかく結局チョコは見つからなかった。
いったいどこにいったのか。
あれ?
ポケットに何か入ってる!?
取り出してみると探していたチョコがあった。
「そうか、くしゃみした時にポケットに入ったのか。」
「(プルプル)なんで普通にチョコ食べれないんですか!」
振り向くと怒りで顔を真っ赤にしたノースウェムコが立っていた。
「ど、どうしたの?」
「私を油断させてエッチなポーズとらせて・・・・・そして」
「ぬか喜びさせないでください!!」
「ぬか喜びって何?わけわからないけどとりあえず許してぇー!」
この後、マスターには甘くない折檻が待っているのでした。
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