前回までのあらすじ

ついに念願のブラック・マジシャン・ガールのフィギュアを手に入れたマスターは

デュエルもせずにフィギュアを眺めるだけというダメっぷりに磨きがかかってしまうのだった。

このままではいけないと感じたブラック・マジシャン・ガールは

意を決してマスターの目を覚まさせようと決意するのだった。



「マスター、お話があります。」

厳しい目つきで語気を強めて迫るブラック・マジシャン・ガール。

それに対して・・・

マスターはなんら動じたというか気づいた様子もない。

「マスター!」

二回呼びかけてようやくこちらに気づく。

その様に怒りを感じて、なにか言ってやろうと考えていると

その機先をとるようにマスターがリボンをつけた箱を差し出してきた。

「ちょうど良かった。はいプレゼント。」

「えっ?・・・プレ・・・ゼント??」

突然の事に呆然となるブラック・マジシャン・ガール。

これから説教しようというところで出鼻を挫かれてしまう。

「靴なんだけど受け取ってくれるかな。」

「あ、あの・・・?」

今日ってなにか特別な日でしたっけ?

それとも日頃の感謝?とか考えるうちに厳しくしていたはずの表情が思わずだんだんゆるんでいく。

「ブラック・マジシャン・ガールは足が綺麗だから似合うと思うんだ。」

「そ、そんな。」

そして、ダメ押しで褒められて当初の目的(説教)を完全に忘れてしまうのだった。

「さっそく穿いてもらえるかな。」

靴は深めのブーツでブラック・マジシャン・ガールの衣装に合わせたように

青地にピンクがアクセントになっていた。

しかし、つま先が妙に細くなっておりとても歩きにくそうである。

「なんかこのブーツ変じゃないですか?」

「どこも変じゃないよ。そういうデザインなんだよ。」

「だって、形が変だし、それになんで・・・・・」

「プロペラがついてるんですか?」

「空を飛ぶためだよ。」

「はあ?・・・空を飛ぶってどういうことなんですか?」

何のことかさっぱりわからない。ただ困惑するばかりである。

「飛ぶっていってもちょっと浮くくらいだから大丈夫だよ安心して。」

「安心できません!」

いきなりプレゼントなんか変だし、やっぱりなにか企んでそうだとこれまでの経験から洞察した。

が・・・

「せっかくブラック・マジシャン・ガールのために用意したプレゼントなのに。」

「なっ?!」

「わかった。もういいよ。」

「な、なんですかそれは?わたしが悪いみたいじゃないですか?!」

そう言われると自分は悪くないのに罪悪感のようなものを感じる。

「もうっ、わかりました!やりますからっ!!」

結局、引き受けてしまうのだった。

「いいですか。やりますから少しは真面目になってください。」

「わかった。真面目になるよ。え〜と、それじゃまず動力のゴムを巻いてと・・・。」

「・・・ゴム動力って、本当にこれで飛べるんですか?」

「計算では普通の女の子の体重ならちゃんと浮くはずだけど(チラリ)。」

「なんですかその目は・・・わかりました。やってください。」

かくしてゴムが巻き終わった。

そして、手を離すと勢いよくプロペラが回り始めた。

ブゥアァーーーーッ!!

同時にブラック・マジシャン・ガールの体も徐々に浮き始める。

とりあえず普通の女の子の体重はクリアしていたようだ。

だが体が浮き始めるのと同時に別の物も舞い上がってしまう。

「ス、スカートが・・・。」

懸命にスカートがめくれるのを抑えようとするが

抑えようとすればするほどバランスを崩してしまう。

前につんのめるような感じで宙に浮いてしまった。

そのまま懸命に体勢を戻そうとするが

「胸で前が見えない〜っ!」

今度は重力に引かれてこぼれた胸で視界が遮られてしまう。

「いやあああぁー!見ちゃダメー!!」

ゴムが終わるまで時間にして10秒くらいだったが

いろいろめくれたりこぼれたりしたブラック・マジシャン・ガールは何倍にも長く感じられた。

そして、恥ずかしさも何倍に・・・・・
そんなことなど露知らずマスターは予想以上の戦果?に満足していた。

「初飛行に初ポロリまでやってのけるとはさすがブラック・マジシャン・ガールだね。」

「・・・・・(怒)」

「この両面テープを胸に貼ればポロリしないですむはずだからもう一回・・・」

「マスターのばかぁーっ!!」

「ち、ちょっ、口にテープ貼られると息ができなく・・・なぁ、む、ムグゥッ!!」

この後、マスターは両面テープで体中をぐるぐる巻きにされるのでした。

ブラック・マジシャン・ガール

8つの間違いがあります。左右を比べて探してみよう!



























答え合わせ

1、パンツが縞々
2、足の間の服
3、右手の指
4、後の髪が一つ多い
5、アホ毛
6、目に涙
7、靴がストライカー
8、胸が両方ポロリ


「よーし!全問正解だ!」

「あとひとつ間違いが残ってますよ。」

「あれ?これで間違いは全部だと思うけど。」

「それは・・・マスターが1番の間違いなんです!!」

「わーッ!ごめんなさい〜(逃)」




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