「ブラック・マジシャン・ガールかわいい〜、最高!」

いきなり大きな声でマスターは叫んだ。

「え〜って、あれ?」

顔を抑えて照れるブラック・マジシャン・ガールだが

自分の方をマスターが見ていないことに気づいた。

視線の先を追ってみるとそこにはフィギュアが置かれていた。

ブラック・マジシャン・ガールのフィギュアが!

てっきり、自分に対してかわいいと言ったと思っていたので

恥ずかしくなり顔が赤くなったがマスターはその様子に気づきもしない。

それどころか自慢げにフィギュアを掲げて見せた。

「ブラック・マジシャン・ガールのフィギュア買ったんだよ。」

自分のフィギュアを自慢げに見せられてなんとも不思議な気持ちである。

「む・・・確かに出来は良いですね。」

造形は確かに素晴らしくグッジョブと言わざるをえなかった。

「あとほら見てよ。パンツ白なんだ。」

「ち、ちょっとなにやっているんですか!?」

フィギュアとはいえ自身が覗かれているようでとても恥ずかしい。

しかし、自分ではなくフィギュアなので強く出る事が出来ない。

「フィギュアを眺めるのに忙しいので今回の妄想デュエルはお休みです。」

そして、早々に部屋から追い出されてしまった。

肩透かしを食ったようにしばらくポカ〜ンとしていたブラック・マジシャン・ガールだったが

突然、メラメラと対抗意識(自分のフィギュアに)が燃え上がった。

む〜と唸りながらなにかマスターの目を再びこちらに向けさせる手はないか思案する。

パンツ見せてあげるとかならイチコロだと思うけどそんなハレンチなことはもちろんできない。

「そうだ!パンツじゃなければいいんだ。」

そう言うと早速、準備に取り掛かった。



数分後、ブラック・マジシャン・ガールは再びマスターの部屋の前に立つ。

「マスターお茶です。」

ガラッと戸を明けて入ると

マスターは相変わらずフィギュアを飽きもせず眺めていた。

集中しているのかブラック・マジシャン・ガールが部屋に入ってきたのに気づいていない。

「マスターお茶ですってば!」

「えっ、ああそこに置いといて。」

フィギュアに骨抜きになっているマスターを見て先程考えた作戦を実行に移す決意を固めた。

「オホン、エホン!」

わざとらしく咳払いしてこちらに視線を向けさせる。

「あの・・・マスター。」

「なに?」

「ブラック・マジシャン・ガールのフィギュアのパンツは・・・白でしたけど。」

「うん。」

「私のスカートの下、・・・見たいですか?」

「えっ?・・・えええええ〜っ!!」

ブラック・マジシャン・ガールは後ろ向きになって、ゆっくりと屈んで見せる。

マスターの目は少しずつ明らかになるスカートの中身に釘付けになった。

ブラック・マジシャン・ガール


























しかし、スカートの下にあったのはパンツではなく赤いブルマだった。

「な〜んて、引っかかった。パンツじゃなくてブルマでした!」

いたずらっぽい笑みを浮かべるブラック・マジシャン・ガールだが顔は真っ赤である。

やはり、ブルマでも恥ずかしいものは恥ずかしい。

見るとマスターはなにやら真剣な顔をしている。

もしかして怒ったのかなと心配していると

「ありがとう!」

突然、お礼の言葉を返してきた。

満面の笑みで喜んでいる。

「いやその・・・」

そんなに喜ばれるとは思っていなかったので

ブルマとはいえ結構恥ずかしい思いをした甲斐があったとこちらもうれしくなる。

「あの・・・私だけを見てくれるならブルマの下も見せても・・・」

顔を真っ赤にしながら呟くブラック・マジシャン・ガールだが

「ブルマだったんだよ。」

「へっ?」

「前からブラック・マジシャン・ガールのパンツって赤だったり青だったりわからなかったけど・・・」

「ブルマだったとしたらすべて辻褄が合う!」

「・・・・・」

「よーし早速、フィギュアにぴったり合うドール用のブルマを手に入れなきゃ!」

「・・・・・」

「どうしたの?固まって。」

「マスターの・・・」

「えっ?」

「ばかぁーっ!!」

結局、買ったその日にフィギュアを没収されてしまうのでした。

ブラック・マジシャン・ガール




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