PROLOG

『祖国ミシュラガンを出発して、はや2ヶ月が経とうとしている。

たび重なる交戦にも関わらず、遠征軍の士気は十分に高く、なんら問題はない。

本来ならいつも通り、戦況を簡単に記し筆を置くところだが、今日はそうはいかないようだ。

本日14時25分、我が軍の先鋒隊がパスガリア軍と初めて接触した。

我が軍がおまえの軍と戦っているのだ、レオンハルト。

お前の妻であり、我が友であるフィリアと戦っているのだ。

なんという哀しい戦いであろう。

なんという忌まわしい戦いであろう。

これが運命であるというのなら、わたしは運命と戦いたい。

これが神の導きというのなら、私は神と戦いたい。』

ミシュラガン遠征軍総大将

アイアースの戦場日記より