10月8日(金) “悲しみのため息が…”

日本から届いたメール ――

 “ただ今、長崎の〇〇先生から電話が入り、「(7月に逝去された韓国在住の寝たきり被爆者)崔季Kさんの健康管理手当申請却下は違法」とした(9月28日の)長崎地裁の判決に対して、長崎市は控訴したそうです”

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 長崎市が控訴した崔裁判のニュースを、事前健診をしているサンタクルス病院で森田会長が被爆者の皆様に話したところ、皆様の口から悲しみのため息がもれました。

  私は歳を取っていて足も悪く、もう絶対に日本に行けません。先日(崔さんが)裁判で勝ったから、国が控訴しなければ、日本に行かなくても健康管理手当の申請が出来ると喜んでいたのですが…。結局なんの援助も、してもらえないんですね…

 …と涙をうかべているご婦人の言葉を聞き、戦後59年もたったいま、原爆被爆者手帳を持ち、同じ被爆者でありながら、日本国からなんの援助も受けられないで、死を待つだけの被爆者が海外に住んでいる事実を日本の方はご存知でしょうか。

 また、行政に携わる厚生労働省の職員も、原爆被爆者援護法をどのように考えておられるのでしょうか。この法律は被爆者の為に作られたもので、その法律を曲げて海外に居住権があるという理由だけで差別してきたことは人道に反する島国根性そのものです。もっと世界に目を向け、日本国民として恥ずかしくない行政をして頂きたいと、怒りを持って訴えます。

 本当に残念です。

(盆子原 国彦)

 坂口力 厚生労働相(当時)が7月27日の閣議後記者会見で述べた
「在外被爆者の問題はほとんど解決できたというふうに思っております」
との発言が、いまは空しく響きます。

(ホームページ管理者)

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