私の狭いアパートにはオーブンどころか、電子レンジも無い。シンクとコンロの間のスペースも無いから、シンクの角を使って100円の小っちゃなまな板を置いて危なっかしく切っている位だ。
コンロだって1つ口だし。あるのは、2枚の食パンを平置きできる普通の安いオーブントースターだけ。それを40×50cm程度のキッチンワゴンの上に乗せ、その残ったスペースを、切った材料や皿を置くのに利用している。そんなボンビーなアパートの台所でも出来ちゃう、本場イタリアで習ったピザを紹介する。
注)イタリアではちゃんとオーブンで焼くので、誤解のないよう。材料の配合や作り方はもちろん教わったとおりである。
<ディーナおば様のピッツア>
(材料 生地2〜3人分)
強力粉:500g
ドライイースト:25g
(この分量は各商品の説明書きに従うこと)
塩:小さじ1
菜種油やひまわり油等(サラダ油でも可、オリーブオイルは不可)
:大さじ1
常温の水(冷たいのや熱いのは不可):120cc(生地が固い場合は少しずつ足して)
(材料ピザソース)
トマトビューレ:500g
(トマト水煮缶を細かく刻んでも可)
塩:小さじ1〜2
オレガノ:小さじ2〜3
アンチョビ(油漬けの缶詰):1〜2尾
(香りがきついので、好みで)
にんにく:2〜3片
エクストラバージンオイル
:大さじ3
ナチュラルチーズ
(モッツァレラやゴーダなどを固まりを粉状にして):少々(なくても可)
(材料トッピング)
溶けるチーズ
(スライスチーズでもOK)
ハム
生のモッツァレラチーズ
生バジル
ジャガイモ
ローズマリー(生でも乾燥でも可)
その他きのこ類やコーンなどお好みのものを
*分量は教わったものを日本で良く聞く表現に置き換えてみた。が、味見をしながら足したり引いたりして自分のさじ加減を見つけて欲しい。ディーナおば様も「ひとつまみ」とか「ほんの少し、タラ〜リとね」というように表現する。
*なるべくどこにでも売っているメーカーの材料を選んだが、ドライイーストだけは、イタリアから買ってきた物を使用。私にとってこれは、レシピを教わった優しいディーナおば様のおまじないのようなものだから、という理由だけでそうしている。だから普通に日本のドライイーストで充分。
(作り方 生地)
@先に水とドライイーストと塩、油を混ぜておく。
Aボールに強力粉を入れて真中にくぼみを作る。
Bそのくぼみに@を入れて、粉を少しずつ崩しながら混ぜていく。
C最初は柔らかく手にくっつくが、混ぜていくうちに弾力が出てつかなくなってくる。よくこねて耳たぶくらいの固さに仕上げるが、もし固いようなら水を足して調整する。
Dこね上がったら丸く一まとめにして、真中にナイフで軽く十文字の切れ目を入れる。
E乾いたフキンかラップを生地に付かないようにかぶせて、発酵させる。冬ならこたつに入れてもいいし暖房の効いた部屋に置いてもOK。夏なら適当にその辺に置けばいい。
F十文字の切れ目が広がってほぼ見えなくなってきたら発酵終了。
Gトースターの受皿にオーブンペーパーを敷く。アルミホイルに油を塗ったものでも可。
H生地を4等分し、丸めて少し手にたたきつけガスを抜く。両手の指で少しずつ広げ、ある程度広がったら受皿に置き、皿いっぱいに1〜3mmの厚さに伸ばす。この時内側から外側に向けて伸ばすとうまくいく。
ふちは7mm位に厚めにしておくと、ソースがこぼれないし仕上がりもパリッとして美味しい。
I空気抜きの穴を全体にフォークで刺してあける。
J生地を落着かせ、さらに少し発酵させる為しばらくおく。10分〜15分位。
(作り方 ピザソース)
@鍋にエクストラバージンオイルを入れ、にんにくの皮をむいて入れてからごく弱火にかける。
Aにんにくの周りからふつふつと小さな泡が立ち始め、良い香りが立ってきたらトマトピューレを一気に加える。
一気に加えないと油がはねるので注意。
B塩とオレガノとアンチョビを加え、木べらで混ぜ、そのまま弱火で煮詰める。時々底からかき混ぜて焦げつかないように。
C少し水分が飛んで煮詰まってきたら、ナチュラルチーズを加える。またしばらく煮て味見をして足りなければ塩を、風味が足りなければオレガノを加えて仕上げる。
Dこの分量なら、コンロの火加減にもよるが大体30分位煮詰めれば出来上がり。
(焼き方)
@あらかじめトースターを数分温めておく。
A受皿に伸ばした生地の上にソースをぬり、好みのトッピングを乗せチーズをたっぷりかける。
B焦げないように注意しながら、ふちがこんがり焦げ色がつくまで焼く。トースターの癖で、一部だけ焦げてくることもあるので、その時は途中で受皿ごと向きを変える。また、チーズが先に焦げてくるようなら、先にアルミホイルでふち以外を覆っておくと良い。
C焼きあがったら、熱々を頂く。好みで唐辛子入りオイルやタバスコをかけても美味しい。