そう、オーケストラを伴奏に、体格の素晴らしい(早く言えば太った)ソプラノやテノール歌手が美声を駆使し、音楽で物語を演じる舞台芸術です。
そのオペラを勉強するオペラコースというのが大学にあって、ピアノ専攻だった私も彼のオペラの魅力にはまって魅せられて、伴奏(練習ではオーケストラは使えないのでピアノで代行する)を手伝いながらちゃっかり傍聴して聞きほれていたんです。
オペラといえば基本はイタリア物。だから声楽専攻の学生はもちろん私も当然イタ語、勉強してました。
瓦のような顔の尊敬している教授による厳しく興味深い授業のあと、学生達はその気になってそのままホテルへ練習室にこもり、アリア(オペラの中の独唱曲。良く知られたメロディーが多く目立つので主役級の歌手にとっては最大の見せ場になる)をやりまくった歌いまくったものです。
歌えばお腹が空く、それで何を食べるかと言えば
やっぱイタリアオペラやってんならイタリアン食わないとな〜
パスタ食いに行くか。
と短絡的な発想のもと、繰り出すのは某パスタチェーン店。
古き良き昭和時代当時今ほどにはパスタ専門店などなくて、イタメシという言葉も生まれていなかった。。
短絡学生の群れは、ファミレスチックな明るい雰囲気の店内に入りメニューを見ながらこんな会話をするのでした。
「何食う?」
「アラビアータってさ知ってる?
アラビアートは”怒った”って意味だろ。だから怒りだすほど辛ぇんだぜ」
・・・
とイタリア語の俄か知識をひけらかす奴。
「ボロネーゼって何だよ?ミートソース無いのかよ!!」
ときれる墓穴を掘る奴。
☆スパゲッティボロネーゼとは、ミートソースのこと。北イタリアのボローニャという町で生まれた事から名が付いたと言われる。
ボンゴレといえば塩味しか思いつかないその頃の私
「ボンゴレって色は白じゃん。なのに、ボンゴレ・ロッソってあるよ。ロッソは”赤”だよねーこれ頼んでみようか」
そして出てきたトマトソース味のアサリ(=ボンゴレ)パスタにびっくり。
こんな今思えば愚かな恥ずかしい会話を繰り広げつつ、少しでも彼にイタリアに触れてオペラを理解しようとしてたんだなぁ・・
(い〜や、腹が減ってただけだと思うが・・・ by
所長)
その頃通っていたチェーン店、今もあります。味も値段もそこそこでしたが、貧乏学生には精一杯だったんですよねー。(泣)
しかも、毎週は行けなくて月1回か2回だったよな・・
でもメニューのイタリア語を体で覚えられたのも彼のおかげ、緑の筒に入った粉チーズじゃなくてちゃんと削ったパルメザンとか、唐辛子を漬け込んだ辛いオリーブオイルなんかを知ったのも彼のおかげこの店でした。
綺麗な小ビンに入った黄金色のオイルに惹かれ、
どんな味なんだろうってスプーンに取って舐めてみたら
目茶目茶辛くてむせちゃって・・
水、水 水〜
ゲホッホ
私とオリーブオイルの出会いってこんなだったんですね〜。(感傷・・)
☆私の滞在したイタリア中部の街では、この辛いオイル自体をペペロンチーノと呼んでいました。
5分で100万円?!
懸賞もらうねっと