望みの果て…
「Romance de Paris
ーディディエ外伝ー中日版」

設定 登場人物




ディディエ考察 観客視点



         壮 ディディエ

第一印象・ エリートとして育ってきたお坊ちゃま。

育ち 家庭環境・ 上流階級の出身で、パトリシアとも身分的に釣り合いがとれてる。

恋愛プロセス・学生時代からの、自然なつき合いから、パトリシアの母も認める結婚。

性格・特権階級ゆえの、挫折を知らずに自分の行動に間違いがあるとは思って居ない。
     それゆえに、躓いた彼の落胆や、絶望は大きかったと思われる。
     育ちの良さからか、脆さが表面に現れている。
   母性をくすぐるタイプと言われるゆえんだろうか。
   ヴァンサンに対しては、妾腹の子と思っているので自分の妨げになるなど考えても居ない。

      音月 ディディエ

第一印象・成り上がり者で、やや癖のある人物 

育ち 家庭環境・恵まれた家庭に育ったとは思いがたい。
                低下層に近い出身では無いだろうか…。

恋愛プロセス・
 ディディエはシェルヴァンの部下として、パトリシアと出逢ったと思われる。
  ディディエ にとって、シェルヴァンは目標でもあったろうし、
 底辺から這い上がろうとする、ディディエの姿は、
 シェルヴァンに過去の自分を思い起こさせる存在でもあったろう。
 上流階級の守られた生活の中で、異質なディディエの登場は危険と思っても
 パトリシアも惹かれるものがあったと思われる。
 ディディエにとって、パトリシアは高嶺の花であったが、
 シェルヴァンが目をかけ、片腕として、身近にディディエを置くようになって、接近していく。
 パトリシアの親族に認められるために、自分の出身に引け目を持ちながらも、
 仕事での実績で、彼女の夫として認められ、現在の地位も手にしたと考える。

性格・
 幼い頃は蔑みの中で育ったと思われるので、落ちる怖さを知っている。 
  見下される事もあったからこそ、自分が優位と思えば遠慮はしない。
 表面に現れる激しさ故に自分を見失う場合もあるが、
 パトリシアはそれ故の彼の潜在的な弱さも理解していた。
 自分を信じるあまり、破滅が近づいて居る事に気付かなかった。
 ヴァンサンに対しては、所詮お坊ちゃんと甘く見ている。







あらすじ



 本編の中日公演版の終幕近くから、物語は始まる。
 総ての富と名誉を失ったディディエの、それまでの生き方を振り返る形になる。
 彼は貧しさから、学校へ通う事さえままにならなかったが、
 この貧しさから抜け出すためには、学ぶ事の必要性を理解していた。
 それを、仕事仲間に馬鹿にされて、袋叩きに合っているのを、
  シルヴァンに、助けられ拾われた事から彼の歯車は回り始める。
 雨に濡れて、泥まみれの野良犬のような、ディディエをシルヴァンは、 家に連れ帰る。
 妻はそんなディディエに遠慮無い軽蔑の眼差しを向ける。
 娘のパトリシアは、ずぶ濡れの彼を気遣い家の者にいろいろと指図する。
 上流に育った人を使うことに慣れ、しかし優しい気遣いを見せる彼女に、
 眩しい憧れを持つことになる。
 ディディエとパトリシアの出逢いから、本当の絆に気付くまでを描きたい。






登場人物


 ディディエ(音月 桂)
 
  野望と理想。その狭間で自らの求める物を破滅と共に手に入れる。
 出生としては、低下層で母親とは離れて育ったと思われる。
 父親は居るが、定職に就かず彼はそんな生活から抜け出して、
 自分の力で上へ上へ這い上がる日を、夢見ていた。
 ある日、シルヴァン出逢った事が、彼の運命を変える。

 パトリシア(白羽 ゆり)

  シルヴァンの、正妻の娘。
 上流階級に育ったお嬢様だが、幼いときから両親の不仲に心を痛めていた。
 腹違いとは言え。弟も含めた家族の幸せを望む、ささやかな夢を見ている。
 父親が拾ってきた、今まで身近に居なかったタイプのディディエに戸惑いながら、
 惹かれていく。
 いつか、傷つけ合うと思いながら…。

 シルヴァン(未沙 のえる)

 石油会社アラカト社の社長。
 一代で会社を興し財を成した、野望を理想として夢を叶えた男でもある。
 雨の日にディディエを拾うが、彼の目に昔の自分を見た気がしたから。
 そして、愛人の子ではあるが、実子ヴァンサンの良い刺激になればと、
 考えて居た。
 事業を譲るには、息子は興味を示そうとしなかったから。
 ビジネスの才能も父親の目から見て持っているというのに…。

 ヴァンサン(朝海 ひかる)

  シルヴァンの実子ではあるが、母親は正妻では無かった。
 母親の死と同時に父親に引き取られた形になる。
 父親と姉の愛情は理解しているし、不器用ながら愛情も示してきた。
 唯父親の自分への望みに気付かないように生きてきた。
 自分の本心を自分で気付かない、自分の夢や望みを持たない生き方。
 それに気付くのは、ずっと後のことになる。






主な流れ



1.新しい旅立ち  (本編エピローグより)
2.ずぶ濡れの野良犬(ディディエとシルヴァンの出逢い)
3.光と影と風(パトリシア・ディディエ・ヴァンサン)
4.信じるのは自分だけ(ディディエとパトリシア)
5.夢を持たないこと(ヴァンサン)
6.大きな夢 小さな夢(ディディエとパトリシア)
7.上流階級の条件(シルヴァンと正妻)
8.野心と理想(ディディエとシルヴァン)
9.愛を手に入れるために(ディデエとパトリシアの婚約)
10.幸せを願って居るけれど… (ヴァンサン)
11.実らない夢(シルヴァン)
12.手に入れた、地位と名誉と富(ディディエ)
13.見えなくなった心(パトリシア)
14.愛しているから、すれ違う心(ディディエとパトリシア)
15.力は金 求めるのは誰にも負けない力 (ディディエ)
16.ささやかな幸せを…(パトリシア)
17.最後の願い (シルヴァン)
18.本編の流れ
19.望みの果て…(ディディエとパトリシアの新たな旅立ち)





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